安西慎太郎×滝口幸広×井阪郁巳×土屋神葉『明治座の変〜麒麟にの・る〜』インタビュー
2019年12月28日(土)より、東京・明治座にて『明治座の変〜麒麟にの・る〜』が開幕する。演劇製作会社る・ひまわりと老舗大劇場・明治座がタッグを組んだ“祭”シリーズは、歴史ものをテーマにした演目に毎年注目が集まる人気作品だ。今年は、平野良と安西慎太郎がW座長を務め、神永圭佑、木ノ本嶺浩、滝口幸広、井阪郁巳、松田岳、小早川俊輔、吉村駿作、土屋神葉らが名を連ねる。
開幕に先立ち、出演者より安西慎太郎、滝口幸広、井阪郁巳、土屋神葉の4名に意気込みを伺った。
毎年注目されている人気シリーズですが、はじめにお話が決まったときの感想を教えてください。
安西慎太郎(以下、安西):とにかく嬉しかったです。座長を務めるのは2度目(2017年上演『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』)なのですが、なかなかできない経験ですし、ちょうどこのお話をいただく1週間ほど前に、W主演の平野良さんとプライベートでお会いして「いつか一緒にお芝居をしたい」とお話していたので心強いな、と。そして何より、原田優一さんが演出ということで、これまでにない年末シリーズが完成するのではないかと思います。
滝口幸広(以下、滝口):僕自身、この年末“祭”シリーズにずっと出演させていただいているのですが、実際にお話をいただくまでは「今年も出られるのかな」と考えたりしていて。なので、今年も出演できるのが嬉しいです。例年とイレギュラーな部分は、演出を原田優一さんが手掛けるところ。今年は稽古場の雰囲気や作品のテイストがどうなるのか、とても楽しみです。
井阪郁巳さん、土屋神葉さんは初出演。決まったときはいかがでしたか。
井阪郁巳(以下、井阪):僕は以前からこのシリーズを知っていて、YouTubeで公開されているPVをみて「楽しそうだな」と思っていたんです。なので、素直に嬉しかったですし、新参者として、ほんまに……。
安西:突然の関西弁!(笑)
滝口:出身はどこなの?
井阪:奈良です!(笑)……安西さん、滝口さんをはじめ、皆さんの素敵なところを吸収して、僕自身もいい起爆剤になりたいな、と思います。そして、僕からも何かを与えられるよう頑張ります。
土屋神葉(以下、土屋):井阪くんと同じく初めて出演するので、僕にできることを考えて今からドキドキしています。年齢もキャリアも皆さんが先輩。なので、いろいろ吸収させてもらいながら、自分なりの役割を果たして、年末に劇場へ来てくださるお客様にいいエンターテインメントを届けられたらと思います。ワクワクです!
今回演出を手掛ける原田優一さんと安西さんは“プレイヤー”として年末シリーズでも共演されていますが、どのような印象を持ちましたか。
安西:“役者”として必要なものはもちろん、それ以外の視点も持っている方だという印象を持っていました。なので、今回演出と聞いたとき、何も違和感がなくて。
滝口:視野が広いよね。
安西:そうなんです。そんな原田さんがどんな演出をしてくださるのか、今から楽しみです。
滝口さんは、安西さん演じる織田信長が唯一信頼している友・浅井長政を演じます。安西さんとはこのシリーズの他にも『滝口炎上』(2015年)などで共演されていますね。
滝口:しんた(安西慎太郎)の芝居を見ていると、ワクワクするんですよ。稽古のときにも、微調整をするのではなく、新しいアプローチでくるんです。例えば「これまでが“赤色”だったから“朱色”に変えてみよう」と、似たような色ではなく、突然“青色”がくる。そして、その一つひとつに説得力があって……。なので、おこぼれをもらおうかな、と思っています!(笑)
安西:(笑)
土屋さん・井阪さんは、これまで年末シリーズはご覧になられましたか?
土屋:はい。以前共演させていただいた内藤(大希)さんが出演されていたので、僕もPVを観たのですが「一体、これはなんなんだろう」と……(笑)。
一同:(笑)
滝口:うんうん、普通の感覚はそれであっているよ(笑)。「これはなんなんだろう!?」が(笑)。
土屋:とっても面白くて(笑)。その「これはなんなんだろう」という感覚が記憶の片隅に残っていたのもあって、お話をいただいたときに「あ、あのやつだ!」って。二部では「織田ノーマ」とか「K3!!」とか、いろいろな…あの…エンターテインメントを……。
滝口:オマージュです!(笑)
土屋:はい(笑)。僕はどのオマージュに参加できるのか楽しみです。
井阪さんもPVを観られたとのことですが、お気に入りはありましたか。
井阪:K-POPの“オマージュ”です。
滝口:さなだん(真弾青少年団)かな?
安西:さなだんだね。
井阪:皆さん、歌もダンスもとてもかっこよくて、僕もやりたいなと思いました。再生回数もすごいじゃないですか!
一同:(笑)
井阪:もしこのなかなら「織田ノーマ」に出てみたいです。現役なので、一応……。
滝口:俺もそうだよ(「K3!!」)。出たら俺たちは失うものがあるよ(笑)。
井阪:(笑)。でも、今は「なんでもやります!」の気持ちでいっぱいです。先ほど、安西さんの芝居を色に例えていましたが、僕は“虹色”を出していきます!
土屋:(井阪を見ながら)虹色を楽しみにしています(笑)
それでは最後に、開幕へ向けての意気込みと、読者へのメッセージをお願いします。
土屋:まず、年末に劇場まで足を運んでいただけること自体、ありがたいことだと思うんです。経験としては浅い役者ではありますが、皆さんに楽しんでいただけるよう頑張りますので、ぜひご来場ください!
井阪:僕が演じる役は序盤が重要だと感じたので、注目していただけたら嬉しいです。皆さんに“虹色”の竹中半兵衛を見せられるよう、頑張ります!
滝口:歴史モノを扱った作品はさまざまな解釈が多いですが、そのなかでもこのシリーズはユーモアをたっぷり取り入れているところがポイントだと思います。お客様には「何かわからないけどずっと楽しかったね」と思ってもらえるような、ある意味“手ぶらで来て、手ぶらで帰ってもらえる”公演をお届けしたいです。
安西:一部・二部あわせて4時間、明治座で繰り広げられる全てが見どころだと思います。個人的には、平野さんをはじめとしたキャストの皆さんと面白いものを作るために面白くやっていきたいです。劇場でお待ちしております!
『明治座の変〜麒麟にの・る〜』は2019年12月28日(土)から31日(火)明治座にて上演。詳しくは公式ホームページ(https://le-hen.jp)まで。
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