【インタビュー】原嶋元久 主演 映画『ギフテッド~フリムンと乳売り女~』公開記念インタビュー
≪5月19日、初主演映画が公開される。撮影からおよそ1年、あらためて振り返ってもらった≫
この作品をやって良かったなぁと思います。今原作がある作品が多い中、出馬監督が撮りたい沖縄がこの中にたっぷり詰まっています。どの登場人物も“この人ってこうだよね”と決めつけられないところがあって、でも人ってみんなそうだなって。
僕も仕事や表では真面目に話しますが、家族の前では言葉遣いが悪かったり、この作品に出てくる登場人物みんな、そういう人間のやわらかい部分が映し出されていて、一言で言い表せない人間っぽくてつかめない感じがこの作品の良い所だと思っています。
隼人は幸せになりたい、お金持ちになりたいともがいていて、そういう部分は共感できるところかな。やり方がちょっとだけ賢かったから失敗しちゃったんだろうな、もう少し賢ければお金持ちになれたのかなと。
――出馬監督とはどんなお話を?撮影のエピソードなどを教えてください
タイトなスケジュールだった分、細く割った撮影でなくてやりやすかったです。
僕が警察に追われて殴られるシーンがありますが、そのシーンのアクションは実は僕が全部つけたんです。 監督が「ここでこういうことがあったらいいな」というお話から、ではこうしてこうはどうですか?と提案して全部やらせていただきました。自分の意見が通ったシーンがこの作品の中にしっかりあるので細かいところも観て欲しいです、本当に嬉しかったですね。
その時に色々な作品を経験していて良かったなって同時に思いました。
――撮影は大変タイトだったそうですが、原嶋さんも?
タイトでした(笑)舞台の千秋楽の次の日から撮影で、僕は1日OFFをもらっていましたが早く入りたくてすぐに沖縄へ入って、撮影現場の周りを散歩してみようと思ったら監督に色々案内してもらえて特にOFFでは無かったですね(笑)
後は(間宮)夕貴さんが原チャリに乗れなくて、夜中に原チャリの特訓をしました。
このために夕貴さんは免許を取っていましたが、試験は筆記だけなので乗っていなくて。自転車に抜かされたり、事故にならないくらいスピードが遅いっていう。沖縄の車道は空いているのに夕貴さんの後ろで渋滞が起こって(笑)でもそういう事もあって、この作品の世界で2人がデートをしていたらこんな感じなんだろうなぁと思えたので良い時間でした。ここで夕貴さんとコミュニケーションがとれたので良かったですね。
――舞台と映画の違いは?
短編で主演はありましたが長編映画での主演は初めての経験でした。出馬監督とお会いして、この作品で新しい引き出しを貰らいました。
僕は普段舞台をやっているので自然とセリフを喋る時にボリュームが上がってしまうんです。どんなに落としても200人規模に届くような落とし方になってしまって、このインタビューなどで喋っているボリューム感だったり、新しい引き出しを作らなければいけないという部分で監督からは「舞台じゃないんだから」と読み合わせから凄く言っていただきました。
あと舞台は全体の尺を気にしますが、映画はそれが必要ないんです。リアルな間で会話をするという大切さを教えてくれたのも『ギフテッド』であり出馬監督、それを答えとして見せてくれたのはずっと映像をやっていた夕貴さん。
彼女が横にいてくれたおかげでとても勉強させて頂きました。夕貴さんと仲良くできたからこそ、物語として夕貴さんに対してちょっとだけふるう暴力も思いっきりいけますし、後半の抱きしめるシーンもすごく身近に感じてちゃんと愛を持ってできたなって。
本当に僕の色んなものが詰まっている映画だと思います。だからこそ色々な人に観ていただきたいです。
――これから挑戦したいことを教えてください
僕は今後やりたい作品のひとつとして、若いうちに『ロミオとジュリエット』のロミオをずっとやりたいと思っています。純粋にあの本が好きで200人くらいのキャパでストレートプレイをやりたい。昔からある戯曲で映画、ミュージカル、舞台にと何度も演じられている色あせない作品で、本当に凄いなって思うんです。それに触れたい!
そして今後はもっと人間くさい役を演じたいですね、エンターテインメントの技術を磨くことはもちろんですが、色々な役を突き詰めていきたいです。
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