【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

菅野文による運命のダークファンタジー「薔薇王の葬列」が2022年6月、初の舞台化!

本作は、現在連続2クール放送中のTVアニメ「薔薇王の葬列」を原作に、“白薔薇”ヨーク家と“赤薔薇”ランカスター家による王座を巡る戦い、薔薇戦争時代に二つの性を持って生まれたリチャードがたどる数奇で残酷な運命を描きます。

主人公・リチャードを演じるのは、女優・モデルとして躍進する若月佑美さんと、韓国で磨き上げたパフォーマンス力で注目を集める新星・有馬爽人さん。相反する二つを一つの身体の内に宿すリチャードをWキャストでステージ上で表現します。

そして、リチャードとは羊飼いの青年として出会うも、その正体は宿敵ランカスター家の王であるヘンリーを演じる和田琢磨さんに、この度、合同インタビューという形で本作への意気込みを伺いました。

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ヘンリー役:和田琢磨さん インタビュー

【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

出演が決まった時のお気持ちをお教えください。

前々から松崎さんが演出する作品に出演したいと思っていたので、今回こうしてお話をいただいた時は嬉しかったです。
「薔薇王の葬列」は漫画を読ませていただいて、とても奥深いストーリーで、役者としてやりがいが見出せる作品だと感じました。そして谷口賢志さんや田中良子さんといった、素敵な先輩方とご一緒できるのがとても楽しみです。

和田さんが演じるヘンリーの魅力をお教えください。

どの登場人物もそうですが、客観的に見たら「そうなる前にやめておけばいいのに」って思うような、人間の欲深さや愚かさなどが象徴的な人物ばかりで。そんな中、ヘンリーだけはひとりだけ戦いに対して反対派というか、争いを望まない珍しい登場人物です。そういう意味では凄く目立ちますし、次は何をするんだろう、何を言うんだろうという、先の読めない感じがとても魅力的だと感じました。演じる際には、その姿が嘘くさくならないようにキャラを立たせたいなと思っています。

ヘンリーとご自身が似ていると感じる点はありますか?

僕も争いを避けてきた人間なので、そういう意味では共通するところはあるかと思います。でもヘンリーは王様で、僕は彼みたいに仰がれるような立ち位置では生きていなかったので、そこは勉強していきたいと思います。
舞台をやっていると、座長という立場になることもあるので、少し通ずるところもあるかもしれないです。座長だからひとりだけホテルの部屋が広かったりとか、楽屋が1人部屋だったりとかの特別待遇があるので、そういったところが生かせるかなと、勝手に思っております(笑)

キャラクタービジュアルを拝見して、皆さんこの作品の世界観をばっちり掴んでいると感じました。ビジュアル撮影時のエピソードがありましたらお教えください。

撮影がリチャード役の有馬さんと一緒で、リチャードの姿を拝見した時に凄くピッタリだなと。このリチャードにどう影響を与えていこうかなど、いろいろと掻き立てられるような魅力的な姿でした。有馬さんのリチャード姿を見て興奮していました(笑)
僕自身は、こうした王様の姿をするのが初めてなので、とても丁寧に衣装を作っていただいてテンションが上がりました。

【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

これまで出演してきた作品の中で、衣装捌きが大変だなと思ったものはありましたか?

舞台『刀剣乱舞』の時は、自分が演じているキャラクターの衣装のパーツが多くて、3人掛かりで着付けをやってもらいました。装飾も多くて2㎏くらいあって重かったので、一番印象に残っている衣装です。

演じるうえで、特に力を入れたいと考えている点をお教えください。

原作者の菅野文先生が、シェイクスピアのお話をもとに描いていらっしゃるので、おそらく会話劇になるかと思うんです。2.5次元作品で会話劇を中心に物語を作っていくのはなかなか珍しいので、そういった意味では役者としての技量を試されていると感じていますし、シェイクスピアの作品だと思い舞台に臨もうと思います。最終的にどういった形になっていくのかは分かりませんが、言葉の掛け合いが重要になってくると思うので、そこを意識してやっていきたいと思います。

これまで数多くの2.5次元作品に出演されてきた和田さんですが、キャラクターを演じるうえで心掛けてきたことはありますか?

これまで沢山の作品に出演させていただいて学んだことですが、漫画でいうコマとコマの間の、描かれていない所を舞台の上でどう動こうか、コマに写っていない所でそのキャラクターはどうしているだろうか、そうした部分を突き詰めていくと、自然とキャラクターがしっかりと成立して見えるようになると思っています。
漫画やアニメなど、参考書のようにヒントが沢山ありますから、見えていない所でキャラクターがどういう気持ちで、どんな表情をしているのかを想像していくのが、原作ものをやるうえでの自分の中でのコツというか、気を付けている部分です。

演出の松崎史也さんと以前から共演したかったとのことですが、そう思うようになったきっかけをお教えください。

役者仲間から、松崎さんは素敵な演出をなさるという話を聞いていまして。それも役者だけでなく、スタッフの方からもそういう声が聞こえてくるので、いったい何がそんなに皆さんを惹きつけるんだろうかと気になっていました。
実際にお会いした時、年上だと思っていたのですが僕と歳が近くて。一緒に物作りをするうえで、いい影響を与えてくれる方だなと思いました。これから楽しみです。

この作品では葛藤や苦悩が描かれますが、和田さんはそういった経験はありますか?

現在進行形でありますね。SNS大変だなぁとか(笑)あまり頻繁にやらないの方なので、公演が終わる度に投稿するのも大変ですし、やった方がいいよと言う方もいれば、そのままでいいよと言う方もいて、10年前とかはそんなこと考えてもいなかったので。ファンの方に沢山発信した方がいいんじゃないかと思いつつ、自分はあまりそういうのが得意じゃないので、どうしようかと葛藤しています。演じることが好きで役者を始めたのに、演じること以外も知ってもらおうとしなきゃいけないのかなと思うことがあります。今のところ、自分のペースでやらせていただいております。

【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

稽古をするうえで、大事にしていることがありましたらお教えください。

その作品をやっている時は、その作品しかやらないということです。あまり掛け持ちはしたことがないので、最初から最後までひとつの作品に集中出来るようにしています。これは役者をやり始めて1年目の時から変わりません。

ヘンリーと深く関わってくるリチャードを、今回Wキャストで若月さんと有馬さんが演じます。共演するにあたり楽しみにしていることをお教えください。

有馬さんはビジュアルの撮影時にお会いして、若月さんのリチャード姿は画像で拝見させていただきました。2人ともリチャードそっくりなのですが、違った良さがあって、これがお芝居や稽古になった時にどんな影響を受けるか気になります。
若月さんのリチャードと、有馬さんのリチャードは、それぞれ違った方向で演じてくるだろうし、どっちが正解とかはなくて、自分がどう影響受けて演じ方が変わるのかが楽しみです。リチャードとヘンリーは影響を与え合う関係ですが、僕はお芝居では影響を受ける方が好きなので、ワクワクしています。

有馬さんに意気込みを聞いた際に、殺陣が初めてなので頑張りたいと話してくださいました。和田さんは初めて殺陣をやった時のことを覚えていますか?
また、殺陣の経験が豊富な和田さんから有馬さんへアドバイスがあればお願いします。

もちろん、覚えています。殺陣ってお芝居なんですよ。刀を振る順番や位置はもちろん決まっているんですけど、どういう気持ちでこの人を斬るか、どういう状態で斬られた、どれくらいのダメージを負ったとか、想像力を働かせないといけないので、そこを演出家の西田大輔さんに丁寧に教えてもらいました。
当時は初めてなので殺陣はまだまだ下手だったんですけど、稽古場でひとつだけ褒められたことがあって、みんなの前で「おいお前ら、琢磨の殺陣を見ろ。あいつはちゃんと芝居をしてるぞ」って言われたのが物凄く嬉しかったです。白虎隊の話で、みんな命の取り合いなので気迫が凄くて、緊張感や必死さがいい具合に重なって、やりきることが出来ました。こうした経験があって、その後も自信をもってやれるようになりました。
殺陣に感情を乗せるということを、今でもとても意識してやっています。

有馬さんへのアドバイスとしましては、怪我をしないことが一番ですね。ダンスが得意とのことですし、初めての殺陣もきっと大丈夫です!

【インタビュー】舞台「薔薇王の葬列」ヘンリー役:和田琢磨さん

本作では人間の欲望や葛藤が描かれますが、和田さんの中でついつい欲が出ちゃうことはありますか?

僕は台詞を覚える作業があまり得意ではなくて、時間が掛かってしまうんです。なのでその期間は台詞を早く覚えたいという欲が凄くて、日常生活が雑になっちゃいます。
家の中で歩きながら喋りたいんですけど、部屋が狭いので街に出て、近所を歩きながら台詞を喋っていたりするので、ちょっと危ない人に見られてるかもしれないです(笑)
本当は日常生活もちゃんとやりながら覚えられたらいいんですけど、洗濯物は溜まるわ、郵便ポストはいっぱいになるわで…忘れちゃうんですよね。
今回はそうならないようにしたいです!今から台詞量がどうなるのか、ドキドキしています(笑)

最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

漫画・アニメ原作で、ここまで人間の欲望や葛藤を色濃く、ましてや登場人物ほぼ全員がそれを持っているという作品に携わったことが無いので、谷口さんや田中さんといった、ありとあらゆる現場を経験している大先輩に引っ張ってもらいながら、これまでにない演技が発見できると思っています。
原作が好きな方も、そして原作を知らない方にも楽しんでいただけるような作品にしたいですし、そう出来る自信があるので楽しみにしていていただけたら嬉しいです。
あとは、なんといってもリチャードがWキャストなので、是非とも2回観ていただけたらと思います。

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公演概要

舞台「薔薇王の葬列」舞台「薔薇王の葬列」

公演日程:2022年6月10日(金)~19日(日)
会場:東京都 日本青年館ホール

原作:TV アニメ「薔薇王の葬列」
脚本:内田裕基
演出:松崎史也

出演
若月佑美/有馬爽人(W キャスト)
和田琢磨
君沢ユウキ 高本 学 加藤 将 瀬戸祐介 廣野凌大 星波 藤岡沙也香
田中良子
谷口賢志

ほか

アクション:船木政秀 美術:乘峯雅寛 舞台監督:田中 聡 照明:大波多秀起 音響:天野高志 映像:神林裕介 衣裳:雲出三緒 ヘアメイク:新妻佑子
小道具:平野雅史 演出助手:小林賢祐
宣伝美術:羽尾万里子(Mujina:art) 宣伝写真:渡邉和弘 WEB 制作:遠藤嘉人(EAST END CREATIVE) ロゴデザイン:橋本清香(caro design)
宣伝:ディップス・プラネット 制作:赤堀一美 プロデューサー:鳥居 玲/木村 学/下浦貴敬/山本侑里

チケット料金:9,900円(全席指定・税込) ※未就学児入場不可
一般発売日:2022 年 5 月 22 日(日) AM10:00〜

公式サイト https://officeendless.com/sp/baraou_stage/
Twitter @baraou_stage

お問合せ:インフォメーションデスク https://information-desk.info/

主催・企画:舞台「薔薇王の葬列」製作委員会
制作:バンダイナムコライブクリエイティブ/Office ENDLESS

ストーリー

中世イングランド。
白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家による王座を巡る戦い―”薔薇戦争”。

ヨーク家の三男として生を受けたリチャードは、同じ名を持つ父の愛を一身に受けるが、実の母セシリーには「悪魔の子」と呼ばれ蔑まれていた。

戦乱の中、父・ヨーク公爵を王にすることを願うリチャードは、森で羊飼いの青年・ヘンリーと出会い、束の間の逢瀬に心を通わせる。
互いの素性を知らぬ二人。
しかしヘンリーの正体は、宿敵ランカスター家の王・ヘンリー六世その人であった。

リチャードは運命の戦禍を必死に生き抜いていく。
その身に宿す「男」と「女」、二つの存在に身を引き裂かれそうになりながら―。

©菅野文(秋田書店)/舞台「薔薇王の葬列」製作委員会

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