【インタビュー】映画『あなたにふさわしい』より中村有さん鶏冠井孝介さんインタビュー
映画『あなたにふさわしい』より
中村有さん鶏冠井孝介さんインタビュー
映画公開に先駆けて、劇団狼少年のメンバーとしても定期的に舞台を行なっている林充 役 中村有さん、舞台「信長の野望・大志」シリーズ主演などで2.5次元系舞台でも活躍中の結城孝志 役 鶏冠井孝介さんより、公開に先駆けての撮影秘話や読者へのメッセージを頂いた。
『あなたにふさわしい』
私たちのあいだには
絶望的に埋まらないわずかな隙間がある。
あなたは気づいていましたか?
二組の夫婦の別荘生活。冬から春に変わる季節の中、夫婦たちの間にも変化が訪れる。
1つの別荘をシェアした2組の夫婦が、離婚の危機に直面する5日間の物語。
6月12日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー
Q. お二人は共演シーンはなかったですが、撮影中会う機会はありましたか?
中村:ありましたよ!
鶏冠井:軽井沢の駅まで迎えに来てもらったんです。僕は撮影3日目位に合流だったんです。
中村:(1つの別荘をシェアした2組の夫婦を演じた)僕たちは、東京でクランクインで、そのまま撮りながら軽井沢に行った感じです。
鶏冠井:「お迎えが行きますので」ということだったので、スタッフさんのバンが来るかなと思っていたら、劇中で使っているあの黄色い車が来たんです!
中村:1番手の空いたスタッフが来たんです。(笑)
鶏冠井:スタッフじゃないじゃないですか!(笑)
中村:(共演の橋本)一郎が運転してくれました。僕は運転できるんですけど、マジ危ないんです。撮影でも運転シーンがありましたけど、多分みんな乗りたくなかったんじゃないかと思います。
Q. 完成した映画を見て、お互いの印象はいかがですか?
鶏冠井:すごかったですよ!シーンが被らなかったので、撮影しているところを見たことがなかったんです。
中村:確かに。
鶏冠井:なので、迎えに来て頂いて、そこから現場に行く間2〜3時間しゃべってて、優しそうな印象しかなかったので、(主人公の美希を)ガッと後ろから抱きしめるところは、男っぽいですよね!
中村:宝監督にやれって言われたんで。(笑)まず、不倫するから、女性に好いてもらうという説得力が必要なのに、一郎と俺で説得力が出るかって震えてたんです。(笑)それで、鶏冠井君が来て、「あれ、全部持ってかれるんじゃない?」ってなって、結果、全部持ってかれてましたね!(笑)
そもそも爽やかなのずるいなって思っていたんですけど、カメラを持った時の説得力とか。僕とかが持ったら、チャラチャラしているだけじゃないですか。「おしゃれだと思ってカメラ持ってきたな」みたいな。
鶏冠井:(爆笑)
中村:全然そんな風じゃなくて、本当に撮っているみたいで、誠実なのが出ているなと思いました。
Q.それぞれのキャスティングの経緯を教えて下さい。中村さんが充役にキャスティングされたのは、共演の橋本さんの推薦なんですよね?
中村:そうなんですか?知らなかった!
鶏冠井:僕は、監督が舞台を見に来て下さった時に、「出れるかもよ」という話を聞きました。
Q. 脚本を読んだ感想はいかがでしたか?
中村:どういう人たちとやるんだろうと思いました。一見会話劇で、撮影方法も監督からワンカットで長回しでやりたいと聞いていたので、これはちゃんとやらないとやばいなと(笑)そもそも台本として力があるので、そこに僕が入って壊すのが怖いなと思いました。
鶏冠井:怖かったのは一緒です。初めてだらけだったんです。(プライベートでは、)カメラも撮らないし、鳥も詳しくないし、不倫もしていないし。
中村:(笑)
鶏冠井:今までの生活が何一つ参考にならないので、逆に行こうと思い、監督に相談しながらやりました。映画で大きな役も初めてでした。
中村:そうだったんだ。
Q. それぞれ、演じた役とご自身の共通点と違う部分をお教え下さい。
鶏冠井:違う点はいっぱいあります。
中村:言った方がいいですよ、不倫はしたことないって!
鶏冠井:でも、不倫っていいですよね!
中村:いいって言えないよ、俺は!
鶏冠井:いや、なんか秘密の花園みたいなのはいいなって思います。逃げ腰なタイプは共感できます。違うところは、、、そんなに度胸はないので、不倫はできないなと思います。
Q. 鶏冠井さんの役は、鳥に向き合う寡黙な青年の役で、あまり笑顔がなかったので、今日鶏冠井さんにお会いしたら、明るい方でびっくりしましたか?
中村:鶏冠井さんは1番初めっから、こうフランクで、優しかったから、僕はこのイメージでした。
鶏冠井:(演じる際に、)相手に「わかります」という同調は全くなく、「そうなんですね」と相手に気を利かせないということは意識しました。
中村:僕は役との共通点は、「不倫してみたいな」という想いはある!(爆笑)
鶏冠井:男はありますよね?
中村:実際にするかしないかの問題ですよね?
鶏冠井:フィクションで十分かな、みたいな。
中村:そう、フィクションでいい経験をさせてもらったな、みたいな感じです。監督も、僕は演技していないんじゃないかって書いてくれていましたけど、確かにほとんど演技していない感覚もあるんですよ。わかることの方が多くて。人に嫉妬をするというか、自分のないものを羨ましがったりとか、そこで置いていかれる感覚もなんとなくわかるし、皆は前に進んでいるのにどうしようというところとか、発散の方法は違うかもしれないけれど、根の部分は似ているのかもなとちょっと思います。怖くなってヘラヘラしたりとか。違うのは、不倫はしない、と!(笑)
Q. お二人とも専業主婦の美希に惹かれている役ですが、美希のどういう部分に惹かれたと思いますか?
中村:小悪魔的なところがあるんですよ。めっちゃ優しいとかじゃなくて、ふっと笑ってくれたりとか、包んでくれたりとか。先にすーっと歩いて行っちゃうのを追っかけるとか。
鶏冠井:役だと、強い女性像じゃないですか。勇気があるし、ちょっと引っ張ってくれるようなタイプというか。僕の役の欲しかった部分を埋めてくれる存在で、すがるように行くので、ずっと助けて欲しかったけど、助けて欲しいと言えなかったところに現れた、女神的なポジションでした。
Q. 演じる上で気をつけたことなどはありますか?
中村:皆でいる空気感を大切にしました。それこそふさわしい言葉が見つからないという感じと一緒で、言葉じゃ説明できないから映画になっているんだろうし、「不倫している人たちが食卓を囲んでいる」とか、台詞では出せないのを出すには、できるだけ演技はしない方がいいと思っていました。
撮影の時に気をつけたというより、撮影に入るまでに、(美希役の山本)真由美さんと色々とコミュニケーションを取らせていただきました。撮影が終わってから監督には言ったんですけど、読み合わせの後撮影に入るまでの間に、1回真由美さんに付き合ってもらって、新橋のおでん屋さんにデートしに行って、色々喋って、そのことを誰にも言わずに撮影を終えました。
鶏冠井:おー!
中村:撮影中も暇な時2人で散歩に行ったりとかして、宝監督にも後ろめたいもの・秘密を共通で持つということをしました。
鶏冠井:すごい!僕は我を出さないようにしました。自分とは正反対の人物だと思ったんで、「僕だったらこうするな」というのは絶対にしないようにしました。
Q. 美希を演じた山本真由美さんとの共演はいかがでしたか?
中村:僕は本当に助けられました。クランクイン前に完全にプライベートな時間をもらったり、連絡も取ってもらったし、一緒にやるのに協力的というか、すごく歩み寄ってくれたので、安心してやらせてもらいました。
鶏冠井:真由美さんって関西出身ですよね?2日目位に話していたら、関西弁で「そうなんや!」ってなって、ずるいなと思いました!
中村:ただやられちゃっただけじゃないですか!
鶏冠井:女子の方言はずるいなと。
中村:ずるい!
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