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ロミオとジュリエット

【3.0レポート】ミュージカル『ロミオとジュリエット』

ロミオとジュリエット

ジェットコースターのようなスピード感のある展開、ミュージカルナンバーも耳に残りやすいキャッチーなメロディ、ライトモチーフも効果的だ。キャピュレット夫人の独白、夫には愛人が複数いる、夫を愛しておらず、自分と愛人との間に出来た子なのだとジュリエットに告げてしまう下りは夫人のどうにもならない苛立ちと哀しみが満ちており、それを聞かされる娘もまた絶望の表情を浮かべる。しかし、2幕で、パリスと結婚せよと命令された時は、キッと両親を見据えて「私はあなた達とは違う」父と母に言い放つところはジュリエットの意志の強さと成長を感じる。
ロミオの友人であるマキューシオは終始荒れすさみ、ティボルトは、ジュリエットがロミオに心奪われてしまった後は嫉妬に狂い、憎しみを込めてマキューシオを刺してしまう。周囲の仲間たちもイライラ、暴力的、絶えまなく争い、閉塞的で希望がなく、自分の思い通りにならない苛立ちと焦りは破滅への“序章”だ。

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