【インタビュー】舞台「トムラウシ」夏目礼生 役:日向野 祥さん
2023年2月4日(土)より、東京・自由劇場にて上演される舞台「トムラウシ」。
本作は「HERO」や「ドラゴン桜」の脚本を手掛け、2004年には「推理小説」で、小説家デビュー。同作は「アンフェア」として連続ドラマ・映画化され大ヒットを記録するなど、小説家・劇作家・演出家・シナリオライターとして幅広く活躍する秦建日子さんが書き下ろすオリジナル舞台作品。
サスペンス要素のあるストーリーを軸にしたストレートプレイのお芝居に、《和太鼓の生演奏をフィーチャー》したエンターテイメント作品となっています。
この度、夏目礼生 役を演じる日向野 祥さんにインタビューを実施。
役作りについてや本作への意気込みほか、2022年を振り返っての想い、会社を立ち上げてからの変化、今年挑戦したいことなどを語っていただきました。
最後に直筆サイン入りチェキのプレゼントも♪
夏目礼生 役:日向野 祥さん インタビュー
出演が決まっての感想と、楽しみにしている点をお教えください。
プロデューサーの苅羽悠さんとは4~5年のお付き合いで、この作品をやるとなった時、一番最初に苅羽さんから声を掛けていただきました。それがすごく嬉しかったですし、「是非、出させてください」と即答させていただきました。そこから他のキャストの方も徐々に決まっていき、初めてお会いする方も多いので楽しみです。
脚本・演出の秦 建日子さんとも初めて一緒にやらせていただくのですが、秦さんの演出作品はお客さんも一緒に考えながら観れる作品だと感じているので、今作では監獄の中での物語をどう表現するのか楽しみです。
台本を読んだ感想はいかがでしたか?
主人公とヒロインがいて、その周りにいろんな人間がいて、結構個性的な登場人物が多いなと。僕が演じる夏目を含めた4人の囚人が登場するんですけど、各々個性も違って、人を振り回したり振り回されたりしていく中で、主人公やヒロインとの関係性が深まり、クライマックスに向かっていく。牢屋や監獄と聞くと、重たいイメージになりがちですが、コミカルな部分も多く、面白くもありつつ深い作品だと感じました。
ご自身が演じる役の印象はいかがでしょうか。
演じる夏目はホストで、その言葉だけ聞くとお酒が好きでチャラいイメージがあったのですが、台本を読んでみたら、チャラい部分もあるけど、しっかり芯の通った熱い人間だと感じました。
共感できる部分や似ているところは?
僕もいろいろ環境も変わったりしたので、その中で信念や、良い意味でぶつかったりする所がすごく似ているかな。挑戦していく熱い気持ち、真っ直ぐさに共感します。
役作りはどんな所からしていきたいと考えていますか?
稽古に入ってから、沢山ディスカッションをさせていただいて、その中で秦さんや共演者の方々と話し合いながら作っていきたいです。完全に自分の中で役を固めるというよりは、セッションしてからの方が良いかなと思っているので、ある意味、今はフラットな状態です。
舞台『COLOR CROW -神緑之翼-』(略称:カラクロ)のインタビューで「ストレート作品では、台本を読んで演じる役の情報を取り入れつつ、自分らしさも入れながら芝居を作る」とおっしゃっていました。今の段階で、どのように自分らしさをプラスしたいと考えていますか?
台本を読んで、ある程度イメージは出来ているんですけど、稽古で体現してみてから分かることも多いので、今の段階ではまだ明確にこれを入れたいということは決めていません。
僕にとっての“らしさ”は、観た人が感じてくれるものだと思っていて。喋り方や声色や体型など、そいした部分が演じていく中で自然と出ていて、それを観た時にお客さんが僕らしさを結果的に感じてくれている。例えば、語尾が上がるとか、少し早口になっちゃうとか、そうした細かい部分で探っていきたいと考えています。今作では、夏目礼生という人間をしっかりと作り上げて、先程お話した重なる部分、共感できるところを自分らしさと併せて要素を入れていきたいです。
カラクロの際は、どのような自分らしさを入れましたか?
バディの三月役を(阿部)快征が演じていたので、2人でいると打ち合わせをしなくても、もう自然とバディになれていたんです。なので、自分のキャラクターとしての癖はもちろん入れましたが、聖護もみんなの行動を見守るような立ち位置でいて、自分自身も周囲を気にするタイプなので、僕らしさは自然と出ていた部分もあります。そういう意味で聖護とは似ていて、理性的で中立であろうとする彼が、せっかく見つかった弟が囚われてしまった時に、全てを投げ捨てても構わないと。いつも理性が強い人間が、理性をなくすとどうなるのか、そこは挑戦でした。
稽古場でも、周囲の人を気にかけて、雰囲気を感じながら動いていて、更には座長という立場もあり、あの時は自分自身も結構追い込まれていたので、みんなにも助けられました。
稽古場でいつも心掛けていることはありますか?
20代前半の頃は誰にでも好かれたくて、広く浅くといった付き合い方をしていて、みんなとコミュニケーションを取るけど、深い仲の人が居なかったんです。だから悩み相談なんて出来ないでいたんですよね。それが20代後半からは逆になって、無理して合わせる必要ないなと思えるようになり、前は嫌いなものでも「好きです」って言っていたのが、今では「僕は好きではないですね」と言えるようになりました。昔だったら、正直に伝えることによってどう思われてしまうのかを考えてしまい、言えずにいたのですが、今は自分の気持ちを素直に伝えるようになりました。無理に関係を広げるのではなく、狭く深くでやっています。
考え方が変わったきっかけは、どのようなタイミングだったのでしょうか。
色々な経験もあると思うんですが、18歳からこの世界に入って、地方や劇団やテーマパークに行ったりもして、それから小劇場だけずっとやってきて。そこから一旦2年間のブランクがあり、リスタートして現在に至るんですけど、リスタートしてからの日々は怒涛に過ぎていきました。今は環境だけじゃなく、自分の立場も変わったので、その中で培ってきたもので今の感覚になりました。
昔ほど多くの人と関わらなくなりましたが、逆に今は深い縁の人が増えました。前は、それこそ共演者全員と連絡先を交換して、連絡を取ったり飲みに行ったりしていましたね。興味もないのに、とりあえず「はい」って言っておけばいいかなと思うこともあって、だから人間関係も含め、全てが浅かったんですよ。
またカラクロの話になりますが、今は深く繋がっているから、稽古の時も普通だったら言えないようなこともお互い言い合えるような関係になれているので、他の人同士では出来ないお芝居が出来たかなと思います。
「トムラウシ」の共演者の印象はいかがですか?
僕のことを知っている方はご存知かと思いますが、田中稔彦さんとはもう長い付き合いなので、僕からすると安定剤かな。いろいろ相談できる兄貴タイプなので。
他のキャストの方とは、太鼓の稽古をする時にお会いしましたが、まだ挨拶をしたくらいなので印象などもこれからといった感じですが、とにかく楽しみです。
あと、僕がいつも思っていることがあって。シリーズものは毎回同じキャストと会うことが多いんですよ。それよりも、知っている人が誰も居ないようなカンパニーの方が意外と好きです。人間観察が好きなので、こういう性格なんだな、いま多分こんなこと考えてるんだろうなとか、いろいろ考えちゃうタイプなので。初めての人とお会いするのはすごく好きです。
先ほど太鼓の稽古をしているとおっしゃっていましたが、日向野さんは太鼓の経験はありますか?
18歳くらいの時に、劇団で地方に居た際に1回だけやる機会がありました。でも長期間でやっていたわけではなく、単発でパフォーマンスの一環としてやっていただけなので、今やっている稽古とは全然違います。今回はしっかり先生がついて教えてくれるので、打つ時の姿勢なども含め、初めての経験ばかりですが、必死にやっているところです。
難しいと感じるところはありますか?
特に左手が苦手で、テンポが早くなってくると左がちょっとズレてくるというか、不器用な感じになっちゃいます。僕は日本舞踊とかもやっていたので、右手の動きは大丈夫なんですが、左手のリズムのキープが難しいです。殺陣では、刀を右手だけじゃなく左手で回すことも多かったので全然いけるんですけど…太鼓は大変ですね(笑)。バチともこれから仲良くならないといけないなと思っています。
クライマックスに太鼓を叩くシーンがくるので、実際にステージ上で演奏するとどうなるのか楽しみです。きっとすごく豪華になると思いますし、牢屋で太鼓を叩くってどういう感じなんだろうと、舞台の情報をご覧になった皆さんもワクワクしていると思いますので、最高のパフォーマンスが出来るようこれから頑張ります。
2022年の出演作を振り返ってみての感想をお聞かせください。
※インタビュー時期は2022年12月下旬
カラクロが舞台1弾・2弾とあり、映画もやらせていただいたので、ストレートの作品でこうして続いていくことを嬉しく思っています。シリーズものは出来そうでなかなか出来ないことだと思いますし、このご時世では大きなチャレンジだと感じています。作品を作る側だけではなく、お客様も大変で。観に行くということが、如何に難しい時代かと。少し前までは、当たり前に「舞台を観に行くんだ」「ライブに行くよ」って言えていたのに、今は「なんで行ったの?」ってなる時代になっているから。そんな中でも、貴重な時間とお金を使って、わざわざ来てくださること、本当に幸せで有難いと感じています。カラクロだけでなく、どの作品でもそうですが、最高のエンターテイメントをお届けするべきだと、役者に限らずスタッフや裏方みんなが思っています。今後も続いていって、より大きくしたいです。
他にもいろんな作品に出演させていただきましたし、夏も忙しかったですね。
夏には独立して芸能事務所「A&H promotion,inc.」を設立されたので、役者としてだけではなく、代表取締役としても大変だったのでは?
そうですね…怒涛な1年でした。もう思い出したくないです。嘘です(笑)。今だからいいますけど、夏からは駆け抜けすぎて、1日にいくつかの現場を行き来していて、忙しかったんです。でも、とにかく僕が頑張らなきゃという気持ちでやってきました。初年度で僕がへばってたら、誰も応援してくれないと思いますし。
僕はファンの皆さんの前で、『社長』という言葉はあえて言わないようにしているんです。ブログやTwitterでも書かないようにしていて、それは皆さんが『社長』の僕を応援してくれているわけじゃないからです。出会ったきっかけは『役者』の日向野祥で、そこを応援してくれているから一言も書かないようにしています。
こうして振り返ってみると、1年の中で考えたら大きな転機でした。1月に事務所を辞めて、それからしばらくフリーでイベントをやったり作品に出させていただいたりしました。今回もお世話になるAskさんやサンライズプロモーション東京さんとは知っている仲だからこそ、一作ごとに進化した自分を見せないといけないなというプレッシャーもあります。役者として「こういうお芝居も出来るんだ」「こういうジャンルもいけるんだ」と、思わせないといけないといけない。ひとつひとつの現場を意味のある現場にすることを常に心掛けて過ごしてきた1年でした。なので、今作でも新しい一面がきっと見れると思います。新しすぎるくらい、見れると思うので、楽しみにしていてください。
会社を立ち上げて半年経ちましたが、どのような変化がありましたか?
役者としての心境は変わっていませんが、作品を裏で支えているスタッフさんたちの気持ちが分かるようになりました。みんな一生懸命やっているんですけど、やっぱりタレントの気持ちとスタッフの気持ちがズレていることもあったりするので、そこの架け橋になれるようになったかなと。それは僕が今こういう立場にいるからこそ、タレントが今こう思っているんだよ、スタッフはこういうことを思っているんだよと、どちらのサイドにも伝えられる。それが最終的にお芝居にも生きてくると思っています。だから夏からがむしゃらに走ってきました。きっとすごく成長できた1年だったなと。多分、過去最高に成長できたと思えるくらい、実り多い2022年でした。
2023年は、より上に行かなきゃいけないという、壁をあえて作ります。僕は物事から逃げたり避けるのは絶対に嫌なので、ぶつかるようにしています。ぶつかって登れなくてもいい。けど、登ろうと努力しないといけない。嫌なことがあったから逃げるのではなく、苦しいことがあっても、なんとか食らいついて、全力でぶつかっていきます。そういう意味では、2023年は壁がありますが、より良い年にしたいと思います。
あとは、1度初心にかえりたいです。リスタートしてからこの4年間っていうのは、僕の中で良いことも悪いことも色々あったので。後輩にも「常に人に感謝しなさい。感謝を伝えなさい」と、耳にタコができるくらいずっと言っていて、やっぱり言うことによって自分が改めて学べる部分もあるので、ずっと走ってきたけどここで1度立ち止まってみて冷静に考えていく年にしたいです。
2023年、新たに挑戦したいことはありますか?
船舶免許やスキューバダイビングや乗馬など、何かしらの資格を取りたいです。今まで資格を持ったことがないのと、こうしたライセンスは役者業にも繋がると思っていて、そういう役が来た時に資格があれば役作りもしやすいですしね。もっともっと活動の幅を広げるためにもいろんな資格を取っていきたいです。
最後に、本作「トムラウシ」を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
本作が監獄という難しいテーマで、そこに太鼓が加わり、舞台上でどんなふうにコラボレーションするのか気になっているかと思います。個性豊かなキャストとスタッフみんなで作り上げて、素晴らしいエンターテイメントが生まれると僕は思っているので、是非楽しみにしていてほしいです。お時間がありましたら、劇場に来ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
今回インタビューをさせていただいた、日向野 祥さんの直筆サイン入りチェキを抽選で2名様にプレゼント!
チェキの応募方法は2.5newsのTwitterをフォローし、対象ツイートをRTをするだけ!
応募締め切りは2023年2月1日(水)23時59分です!沢山のご応募お待ちしております!
※サイン入りチェキは当選者1名様につき1枚とし、TwitterのDMにて当選された方にのみ、ご連絡いたします。その際にチェキの種類は選べません。
※仕様上2.5newsのTwitterのアカウントをフォローして頂かない場合はDMが送れませんのでご注意ください。
※DM送信後は48時間以内にご連絡が無い場合、当選は無効といたします。
公演概要
【公演日時】2023 年 2 月 4 日(土)~2 月 12 日(日) 全 12 公演
【会場】 自由劇場(東京都港区海岸 1-10-53)
【チケット料金】
・特典付き:12,800 円(税込)
● ショルダーポーチ(A 公演:ネイビー / B 公演:ブラウン) ● クリアファイル(A5)
・全席指定:9,800 円
※特典付きチケットと全席指定席チケットは、座席の優劣はございません。
【チケット販売スケジュール】
■一般発売日 2023 年 1 月 8 日(日)10:00~
【出演者】
石黒英雄
金子昇、日向野祥、田中稔彦、市川慶一郎(9bic)
大湖せしる、伊藤純奈、山口真帆
武智健二、山本康平、田中しげ美、平山佳延、杉江優篤
石井真司、吉田晃太郎、池田彰夫、及川崇治、赤石ノブ、阿佐美 貴士、塩出純子、土肥麻衣子
細貝圭
【A】角田信朗、【B】宮迫博之(W キャスト)
【日替わりゲスト】
2 月 4 日(土) 13:00/18:00 白金倫太郎(7m!n)
2 月 5 日(日) 13:00/18:00 小出恵介
2 月 6 日(月) 14:00 小出恵介
2 月 8 日(水) 14:00/19:00 相馬トランジスタ
2 月 9 日(木) 19:00 瀬戸啓太
2 月 10 日(金)19:00 瀬戸啓太
2 月 11 日(土・祝)13:00/18:00 四季涼雅(9bic)
2 月 12 日(日)14:00 八戸 亮
【スタッフ】
脚本:秦建日子・最上奈緒子
演出:秦建日子
企画:苅羽 悠(Ask)
主催・製作:Ask/サンライズプロモーション東京
【あらすじ】
こんな理不尽な世界はおかしい。
あんたたちも、そのおかしさに気づいているはずだ――。
国による不当逮捕が横行していたある日。人気絶頂中の国民的俳優・大和仁もまた、ありえない理由で逮捕されてしまった。裁判所から下された判決は、100 年の強制労働の刑。大和は、脱獄不可能といわれる雪山の牢獄「トムラウシ監獄」へと送られてしまう。
牢獄で同室となった個性的な囚人たち 4 人は、理不尽な状況を受け入れ、トムラウシ監獄で死を迎える覚悟を決めていた。
「俺は、ここで死ぬつもりはない」
先にある人生を自分の意思で選ぼうとする大和。生きる意味を掛けて、選んだのは――「脱獄」。
トムラウシ監獄をぶっ潰すために大和は立ち上がった。
彼らは無事にトムラウシ監獄を脱獄できるのか?
そして、彼らが本当に戦うべき相手とは・・・・・・。
【公式サイト】http://askcoltd.com/tomuraushi-stage/
【公式 Twitter】@tomuraushistage
【お問合せ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00~15:00)
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