【オフィシャルレポート】フリーカル『YAhHoo!!!!』2021 柏木佑介さん&浅倉一男さんインタビュー
唄い踊るお祭り!観客参加型音楽劇が今年も開幕!
劇団ナイスコンプレックスのオリジナル音楽劇・フリーカル『YAhHoo!!!!』(ヤッホー)2021が、6月4日(金)~新宿・シアターサンモールにていよいよ開幕します。本作は2018年にナイコン初のオリジナル音楽劇として誕生。東日本大震災の原発被害により強制退去させられた福島県浪江町を舞台に、残された動物たちと、故郷に戻れない人々の葛藤を歌と祭と演劇で紡ぎます。
「いつか浪江で上演!」を目指し、今年は福島県いわき市でも上演。
そしてこの度、主演・犬の妖怪ヤンスケ役の柏木佑介さん、ヤンスケの飼い主・優治役の浅倉一男さんのオフィシャルインタビューが到着!
プライベートでも仲良しの2人が体当たりで挑む、本作への想いを語っていただきました。
震災から10年、風化させないためにも【悲劇】だけではない【希望】の物語をお届けします。
柏木佑介さん&浅倉一男さん オフィシャルインタビュー
いよいよ始まりますね。
柏木「帰ってきました!」
ビジュアルからとても仲良しな雰囲気が伝わってきます。
浅倉「じゃれあってます!」
柏木「本当にこの作品くらいですよ!あんなに男の人にくっつきながら写真を撮るのは(笑)。しかもプライベートで仲良くさせてもらっているので照れます」
浅倉「一昨年、去年から比べて硬さがちょっと違ってガッチリしてた!あれ!?腹が違うぞと」
柏木「この間まで動く作品だったのと鍛えているんですよ(割れた腹筋をチラ見せ)」
浅倉「ホントだ!!」
では今までより俊敏なヤンスケになると
柏木「でもYAhHooが始まると一男さんに美味しいものをいっぱい食べさせてもらえるので、作ってくれますよね」
浅倉「あははは!作るけど!」
少し振り返りますが、柏木さんにとってオリジナル作品で、初演からの公演を重ねて色々な手応えを感じているのでは?
柏木「まず初演の時に、お客様がステージに上がってくる奇跡を目指しましたが本番まで現実味が無くて。その一歩目が中日(なかび)くらいに二人くらい上がってきてくれた時に奇跡を感じて、そして千秋楽ではほとんどのお客様と一緒になってお祭りができたのが初演の手応えですね。
そして再演ではビジュアルも音楽も変わって壮大になって、リメイクされた手応えがありました。お話もわかりやすくなり、より内容が深まったと感じました。今回再再演になりますが、一男さんとの共演数が最多になりそうです。一緒にガッツリやる役はこの作品だけで、今回も更に役の関係性を深めることができそうですごく楽しみですね」
浅倉「演出のキムラさんがいろんなことを詰め込んでいるので、それを発見しながら進めていければと思います。僕は前回の再演から出演していますが、佑介から『ステージにお客様が上がってくる事に度肝を抜くぜ』と言われて。どんな感じになっちゃうかと、とてもドキドキしていましたが、来てくださることで成立すると感じました。また今回も優治として成長していければと思いますね」
浅倉さんは前回を振り返って印象に残っていることは?
浅倉「佑介演じるヤンスケが表情で伝えてくるんです。僕しか感じられない、この距離だからこそ感じるものを出してくるので、それを見るのが毎日楽しかったです。思い出すだけで涙が出てくるもん!(柏木笑)すごいなーっていつも思っていましたね」
柏木「それはお互い様ですよ! プライベートが本当に役そのままみたいな感じで、僕が22歳くらいで一男さんに出会った時にすごくかわいがってくださって、本当に犬みたいにくっついていたんですよ」
浅倉「お兄ちゃんご飯って!それでご飯に連れて行くという。俺、初対面だぞ!って(笑)」
柏木「あははは!なぜか分からないんですけど、出逢った時からこの人と一緒にいたいって思って。僕は動物を飼ったことがないので分かりませんが、動物を飼う方々はそういう感覚に(目が合ってしまい連れて帰る)なるんじゃないですか?」
浅倉「出逢ってしまったんですよね」
柏木「この子じゃないと駄目だと思ってお迎えしますよね。まるでヤンスケのようにこの人と一緒にいるべき、いたいって思ったんです」
浅倉「きっとキムラさんが俺を(この作品に)誘ってくれたのは、そのフィーリングを感じたんだと思います。佑介の誕生会で初めてキムラさんとお会いして、その時は作品の話は一切しなかったんです。でもその数ヶ月後に事務所にオファーがありまして!その時佑介はまだ知らなくて、温泉に行こうと車で着いた途端に『俺、オファーきたで(ニヤリ)』ってサプライズで」
柏木「あははは!そうそう!その時はまさかご主人様の役だと思わなくて、で役名を聞いたらご主人様やん!!とびっくりして!」
浅倉「驚かせたくて。でもその時から『大変ですよ、声出しますよ、喉だけは気をつけてください』って言われ続けてね。声を保てるようにタバコを辞めたり」
今回もその準備をされていると
浅倉「そうですね出せるように」
≪動物のパワーってすごい≫
お話を聞いているだけでも様々な想いが詰まっている作品だと伝わります。作品にむかうにあたりスイッチなど1番はじめにすることは?
柏木「僕はふだんこういう役を演じてなくて、でもヤンスケは太陽でないといけないので太陽スイッチを入れますね。稽古場から僕が元気にしていないと動物のみんなもオンにならないと思うので、キラキラ太陽スイッチを入れます。そうすることで自分も元気でいられるので」
浅倉「僕は台本を頂いてからイメージを作りますが、本読みなどで人を見ますね。佑介はずっと知っているから分かるけど、周りのグルーヴ感だったり、人間観察から始めて自分を形成していく感じですね」
この役を演じるにあたり、大切にしていることや意識していることは?
柏木「大切にしていることはたくさんあります。ご主人様への愛だったりとか、それを全てひっくるめる言葉があるとしたら、犬です!」
浅倉「あははは、確かに」
柏木「ワンちゃんって基本元気でかわいいじゃないですか。犬であろうと思いますね。そうすれば楽しくなるんです」
浅倉「僕は私生活で犬を飼っているのですが常に一緒なんです。ただただそばにいてくれる。最後にはヤンスケに俺も救われるから、そこは大切に演じたいと思いますね。今回もヤンスケに救われたいです」
相棒のお話が出ましたが、犬とご主人様にちなんで、心の友のエピソードを教えてください。
浅倉「犬は何があっても玄関まで迎えに来てくれます。行ってくるねって言うと、玄関の窓からずっと見てるんです。動物のパワーってすごいですよね。何者にも代え難く常に早く会いたいですもん(笑)。だからこそこの作品は心に刺さります。この想いがお客様に伝われば嬉しいですし、そこを目指して行きたいとは思いますけど、ただ優治は葛藤が多すぎて(笑)」
柏木「優治の成長物語ですからね」
浅倉「セリフを喋っている時はものすごく感情が入り乱れて、ふとした無言の時に楽しかった思い出やエピソードが頭によぎって、それを伝えるのはすごく難しいんだけどね」
普段ワンちゃんと触れ合っているからこそ、その経験が役に生かされそうですね。柏木さんは動物を飼う経験がないとのこと、学校などの飼育経験も?
柏木「一男さん家のワンちゃんとは仲がいいですよ!」
浅倉「もう完全に犬同志だから!そして毛だらけ(笑)わしゃわしゃやってるよね」
柏木「あははは! 実は幼稚園の時、その幼稚園に犬がいてすごく仲が良かったんです。一度僕が行方不明になったことがあって大変なことになったらしくて」
浅倉「え!?」
柏木「親も先生も必死になって探したそうで、ところが犬小屋に一緒に入って寝ていたという」
浅倉「その話は初めて聞いた!それはすごい。普通自分のテリトリーには入れてくれないよ」
柏木「柴犬のゴンちゃんといいます。初めて話すかもしれない。ワンちゃんとは縁があるのかもしれないです」
≪いつかとんでもないYAhHooになるように≫
今回は今までになかった公演になりそうですが、違いについても伺います。
浅倉「歌のクオリティを上げていきたいですね」
柏木「頑張ります!」
浅倉「僕たち役者のパワー量が後半ちょっと変わってきそうで。以前の感覚とはまた別のものをどう伝えるのか、突き詰めていきたいです」
柏木「あと振り付けの美木マサオさんがすごいんですよ。僕が初めてご一緒したのは別の作品でしたが、その時から身体の表現が凄くて。毎回いろんなことを考えてくださるので、今回もきっと違うチャレンジを考えてくださっていると思います。それを体現することがとても楽しみです。再再演と言っても前回とは見え方が違う作品になっていると思います」
浅倉「俺の予想だけど、キムラさんも俺たちにサプライズを出してくると思うんだよね。そんな気がしてる。前回観てくださったお客様にもサプライズができると思っているので楽しみです」
最後にメッセージをお願いします。
浅倉「去年上演の予定でしたが、今年満を持してできる環境が整い役者陣もすごく楽しみにドキドキしながら本番を迎える所です。このドキドキワクワクを皆さんにも伝えられるように努力して参ります。このような状況ですが、いらしてくだされば嬉しいです」
柏木「こうして上演を続けられることがとてもありがたくて、でもプレッシャーもあるんです。初演の時にすごく素敵な作品ができたと思って、再演の時にはいろんなものがパワーアップしてそれにも助けられて、『やった、上に行けた』と思いました。
そして今、再演の時のすごく楽しかったという気持ちを、この再再演でもっと素敵なものにしなければと気合いが入ります。今回はお客様がステージに上がってお祭りを楽しむという演出ではなく、知ってもらうお祭りになります。そこが未知なところでもあり、プレッシャーでもあります。観に来てくださった皆さまに絶対後悔させてはいけないし、僕らは前作を超えていきます。超えるためのプレッシャーはいいことだと思っていて、プレッシャーって不思議で、嫌なことではないんです。自分にとっては良いことで、プレッシャーを感じないと上には上がれないので、今すごくワクワクしています。
去年できなかったパワーを今年全部届けて、お客様にも元気になってもらいたいたいです。そしてまた来年楽しみにしていただけるようにもっと素晴らしいものを作って、いつかとんでもないYAhHooになるように、そんな作品を目指していきたいと思っています。今年のYAhHooを楽しんで頂けたら嬉しいです」
文・撮影/谷中理音
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