【レポート】舞台「青の祓魔師」 京都紅蓮篇
まずはメフィスト・フェレス(鮎川太陽)がしょっぱなからまるで宙に浮いているように登場する。ここで物語の設定をわかりやすく説明するので、原作が今ひとつわからなくても大丈夫。アニメのオープニング曲が流れ、”オールスターキャラクター大集合”という感じで入り乱れて登場、アニメを視聴していたファンにとっては、もう”青エク”の世界そのものだ。さらに奥村燐(北村 諒)が威勢良く「俺は奥村燐だ!最強のエクソシストになってやる!」と啖呵を切り、その瞬間、スクリーンにはタイトルロール、一気に気分が高揚するシーンだ。
左目を奪った祓魔師・藤堂三郎太演じる松風雅也がどこまでもダークだ。元教え子の宝生蝮(田野アサミ)を騙して右目も奪ってしまうのだが、狡猾で賢く、ラスト近くの奥村雪男(宮崎秋人)のコンプレックスにつけこみ雪男を追いつめるところは鬼気迫るものがある。勝呂竜士演じる山本一慶、燐とは何かと対立してしまうが、生真面目で一本気な性格を勢い良く演じていたのが印象的。田野アサミ演じる宝生蝮、仲間に助けを求めるところの哀れさは感涙。
北村 諒の奥村 燐、宮崎秋人の奥村雪男、この対照的なキャラクター、立ち回りや対峙するところ等、息のあった演技、動きをみせる。また燐の苛立ち、雪男の寡黙さ、心の内面を表現するが、こういった難しいところも健闘。メフィスト・フェレスはこの作品の中では狂言回し的な存在、ワンポイントリリーフ的に登場するが、鮎川太陽が印象的に演じる。
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