【3.0レポート】PARCO & CUBE 20th Present 『人間風車』
平川が受ける様々なこと、裏切りや中傷、ふつふつと沸き立つ怒りが頂点に達する。現実にもありそうなこと、人には【白】と【黒】がある。誰もが持っていそうな【黒】が表面化した時に、驚きと戸惑いがある。しかし、よくよく考えてみれば、裏があれば表がある。平川、小杉、国尾……思惑、嫉妬、感情が渦を巻く。
舞台転換は盆を使い、スピーディーかつ滑らかに物語を進行させる。セットはカラフルで楽しい感があるが、ここが恐怖の現場になると、その色とりどりのビジュアルが恐怖を増幅させる。何度か上演されているだけあって練りに練られたストーリー展開、また平川役の成河とサム役の加藤諒以外は、皆、複数役を演じる。今野浩喜、堀部圭亮、といったコメディアン出身のキャスト、そして菊池明明、川村紗也、山本圭祐、小松利昌、佐藤真弓らの七変化な芝居、王様、妖精、美女に村人等々、彼らの芸達者ぶりも要注目。
休憩なしの1幕もの、上演時間は2時間以上に及ぶが、長さを感じさせず、全てがラストに向かっていく。幕切れも衝撃的、ちなみに作品タイトルの「人間風車」はプロレス由来、作品のあちこちにプロレスにちなんだ言葉が散りばめられているので、それを探すのも一興だ。
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