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舞台「グランギニョル」

【レポート】舞台「グランギニョル」

舞台「グランギニョル」

ゴシックサスペンスであり、目が離せない展開であるが、同時にこの特殊な世界で渦巻く人間模様もみせる。ヨーロッパの封建社会的な階級制度もあり、そこから生まれる嫉妬や人間関係、永遠に生きたいと思う欲望、血盟議会という巨大組織、それらが渦巻き、混沌とした世界でダリはこの運命にどう立ち向かっていき、生きていくのか。それは現代社会でも五十歩百歩、流石に吸血種はいないが、国際社会は不穏な空気をはらみ、かつては総中流等と言われていた日本もいつのまにか格差が広がっている。重い話だが、コミカルなシーンもあり、そこはエンターテイメント。そしてアクションシーン、これは文句なくかっこいいし、動きのキレも良く、凝った照明に効果音、このアクションだけでも見応えあり。物語の後半は意外な人物が真実のベールを脱ぐ。そういったどんでん返しも用意されている。
ちなみにタイトルにもなっている“グランギニョル”、フランス、パリに19世紀末から20世紀半ばまで存在した大衆芝居・見世物小屋のグラン・ギニョール劇場のことで、そこから転じて同座や類似の劇場で演じられた「荒唐無稽な」「血なまぐさい」、または「こけおどしめいた」芝居のことを言う。意味深なタイトル、様々な伏線や台詞があり、全てがラストに向かっていく。結末は観てのお楽しみだ。

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