エッグ・スタンド

【レポート】スタジオライフ『エッグ・スタンド』

エッグ・スタンド

ルイーズとラウルは時代に翻弄される存在、ルイーズはそこからエスケープしようと試み、ラウルはその状況に“同化”する。レジスタンス運動に身を投じることによって平衡感覚を保とうとするアルジャン、三者三様の生き方とスタンス、アルジャンはラウルの大いなる秘密を知り、一大決心をする。
原作もそうだが、希望を感じるとか光が見えるとか、そういった“わかりやすい”エンディングではない。しかし、アルジャンは真っすぐと前を見据える、ここは舞台ならでは。奇をてらわない、正攻法で見せる舞台は深淵なテーマを的確に伝えてくれる。役者とキャラクターの設定年齢は開きがあるが、それでも物語の登場人物がそこにいるリアリティはその内面に迫る、掘り下げるといった作業の成果を感じる。生と死、愛と憎しみ、いつも隣り合わせだ。「生きているのか死んでいるのかわからない」というラウルの言葉は真実を突いている。

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