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ロミオとジュリエット

【3.0レポート】ミュージカル『ロミオとジュリエット』

ロミオとジュリエット

アンサンブルのフォーメーション、照明、映像等舞台上の視覚的な見せ方はもちろん、キャストも適材適所だ。ロミオは古川雄大と大野拓朗。古川雄大は数々のミュージカルで経験値が高く、純真で恋に生きたロミオを安定感のある演技、大野拓朗も恋に不器用なロミオ像を魅せる。ジュリエット役の生田絵梨花もミュージカル『リボンの騎士』等ミュージカル出演の経験があり、意志の強いジュリエットを構築して可憐でありながらも時には凛々しく、大健闘。木下晴香は初々しくも意志の強さを魅せるジュリエットぶり。ベンヴォーリオは温和で常識のある青年、ソフトな物腰、対するマキューシオはベンヴォーリオとは真逆、大公になっている叔父に劣等感を感じ、さらに狂気もはらみ、イライラを隠さない。ティボルトは血気盛んな性格だが、片想いのジュリエットの母親との関係も意味深、そんなティボルトの状況は哀れでその最期はあっけない。周囲の大人たち、キャピュレット卿はお金のために成金パリス伯爵を自分の娘と結婚させようとするし(舞踏会はそのために開催)、乳母は最初はジュリエットに理解を示して協力したりするが、ロミオが国外追放になるとジュリエットにパリス伯爵と結婚すれば幸せになれるとしたり顔で諭す。処世術、と言ってしまえばそれまでだが、こういった大人の知恵は純粋な若者には通用しない。

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