【インタビュー】「サガ」シリーズ35周年記念公演『SaGa THE STAGE~再生の絆~』松田 凌さん
2024年2月22日(木)より東京・サンシャイン劇場にて、「サガ」シリーズ35周年記念公演『SaGa THE STAGE~再生の絆~』が上演中。
原作は、1989年発売の『魔界塔士サ・ガ』から始まる、スクウェア・エニックス発のロールプレイングゲーム「サガ」シリーズ。世界累計出荷・DL数は1,100万本を超え、日本を代表する作品の一つ。
そのシリーズ作品で、2018年 12月に配信をスタートしたスマートフォン向け RPG 『ロマンシング サガ リ・ユニバース』は、全世界で3,000万以上のDL数を記録。
今回の舞台では、ゲーム本編では描かれなかったポルカ編の「その後」が明らかとなります。
Stage Newsでは、本作で主人公のポルカ・リン・ウッドを演じる松田 凌さんにインタビューを実施。(稽古期間中の2月上旬に実施)
本作にかける想いや、演じるうえで大切にしていることを語っていただきました。
本作への出演を決めた理由をお教えください
オファーを頂いた時は、作品名は存じていましたが、プレイはした事はありませんでした。出演を決めた理由は2つありまして、今作に出演されている平山佳延さんと中村誠治郎さんが「凌が出てくれたら嬉しいんだけど」と言ってくださって。すごく尊敬している、そして好きなお2人にそんな風に言ってもらえるのはとても誉れだなと思いました。
あとは、自分が仕事をするうえで大切にしていることのひとつとして、新しい所、世界、人に出会える場に飛び込むこと。それが好きで、今こうして俳優という道を歩ませてもらってると言っても過言ではないので、今回も自分が全然触れたことのない世界にまたひとつ、身も心も投じられることは魅力的だなと感じたので出演させていただくことになりました。こうして2つのことを述べたんですけど、単純に選んでもらえたのが嬉しいっていうのもあります。
製作発表記者会見の際に脚本・演出のとちぼり木さんが「(凌さんは)アクションにキャラクター性を取り込んで、魅力的に演じるのが上手い」とおっしゃっていました
自分が俳優としてデビューさせていただいたのが、 原作のある作品だったので、その時からずっと変わらない気持ちがあって。敬意と愛をなくさないこと。僕もとても漫画やアニメに救われてきた人生だったんです。なので、作品に対しての敬意と愛はなくしてはいけない。それが漫画、アニメ、小説だろうが、いろんな人たちが関わって作られている作品の、その世界観と役を背負うという責任は常々忘れないようにはしています。
0から作れる役であれば、自分の欲など色んなものが出てくるんですけど。原作があるものは、既にキャラクターが生まれているので、自分が演じるにあたって、生身の人間では難しいアクションをどう再現するのか、キャラクターのあの時の心情やドラマを如何にリアルにその場で再現して演じるのかを、いつも大切にしながらやっています。
原作の魅力が100だとして、それが人間が演じることによって半減することもあれば、0になってしまうこともある。そうならないように責任を持って、魅力を101や102と、少しでも増やせたらと思いながらやってきました。
例えば、本当に大切な人が死んでしまう場面で、原作では涙は流さなかったけど、一粒だけ涙を流せば、より想いが伝わるかもしれない。実際に血は出ていないけど、戦っている最中に自分の汗を飛ばして、それに照明が当たり、観ているお客様に実際に血が出たような感覚になってもらう。そういう細部をこだわって突き詰めていけば、先程言った101、102が生まれていくと思っています。
これまでも様々な作品で殺陣をやってきましたが、本作ではどのようなアプローチをしていますか
現場によって作風も違うので、その時々でアプローチの仕方も変わってきますが、今回は『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の世界の中で、魔法があったり、人ならざるものとも戦います。今回はフィクションの世界ですが、僕らも生きる上で必ず何かと戦っている。負ける時もあれば、勝つ時もある、守らなきゃいけない時もあれば、逆に守られる時もある。こうした少しの気持ちのリンクにはなりますが、ゲームの世界を描く上で、役柄の特徴や世界観に、自分の中にある戦う気持ちを乗せて演じていくことを大切にしています。本物にはなれないけど、本物だとみんなに思ってもらえるくらい、この世界の戦い方を体現していく道を選んでいます。
稽古をする中での手応えは?
これが難しくてですね…正直なところ、今の段階ではまだ手応えというのは無いです。以前のインタビューで、なにか革命を起こしたいという風に言わせていただいたのは、大きなものではなく、「サガ」シリーズの舞台化作品も2作を終えまして、約6年ぶりに今回の3作目を上演するということで。自分が入るからには、新しい風を吹かさないといけないと思っています。原作ゲームも長く続いており、その時代の中で革命を起こしたいという思いで稽古をしていますが、それを叶えるにはまだ、手応えがないです。魅力的な演者さんが大勢出演されている中、恐縮ながら主演として自分は皆さんにいい影響を与えているのだろうか、作品に対していい材料になっているんだろうかと、疑心暗鬼のまま毎日を過ごしています。ですが、腐っていても仕方ないので、少しでも良き作品になるように、サガという世界に小さな革命・新しい時代を築いていきたいです。
ポルカ・リン・ウッドを演じるにあたり、どのような想いがありますか
主人公らしくない主人公だと感じています。物語の真ん中の人物だとは思いますが、自分の力で誰かを守り抜くとか、自分の力で周りの世界が変わっていくような影響力はない。でも、僕はそこに少しずつ魅力を感じていて、やっぱり人はひとりじゃ生きられないよなって思いました。
自分の演じる役は家族や、作中で出会っていく友、そういう人達と共に自分のやらなければいけないことのために前に進んでいく。純粋な思いで歩もうとしているからこそ、人も集まってくる。そうした魅力があり、みんなに主人公にしてもらっているように感じています。
今作から、初めて「サガ」シリーズの舞台を観劇される方もいらっしゃるかと思います。この作品の見どころや注目してほしいポイントをお教えください
目で見て、耳で聴いて、楽しい作品だと思います。サガの世界をずっと愛してくださっている人たちなど、マニアックに物事を捉えてくれる方々にも楽しんでほしい要素も散りばめられていますが、それだけだと、初めてこの世界に触れる人にはよく分からない作品になってしまう。それは絶対あってはならない。なので、ドラマやアクションのほか、音楽や歌、映像など、様々なギミックを使って、目で見て華やかで面白い、耳で聞いて感情を動かす、観ている人を置いていかないような作品になっています。そうした部分に注目していただきたいです。
個性的な出演者が揃っていますが、皆さんとお会いして稽古をしてみていかがでしょうか
異種格闘技戦ではないですけど、役者の皆様がそれぞれに自分の魅力を体現できる人が多いんです。アクロバティックなダンスができたり、スーツアクターの方や、マジックができる俳優さんなど、武器となる個性があるからこそ、光る役柄にもなると思いますし、そうした方々が集まる作品も珍しいなと。1番に感謝するべきは、中村誠治郎さん、平山佳延さん、新田健太さん。この3人が居なかったら出来ない表現があり、稽古の進みも全然違うものになっていたと思うので、とても信頼していますし、感謝しています。佐藤アツヒロさん、土屋アンナさん、三浦涼介さんは、端的な表現で申し訳ないですが、スターです。出てきただけで華があり、お芝居含めて説得力があり、尚且つ皆さんお人柄も魅力的で。アンナさんは太陽みたいな方で、それでいてロックなんです。涼介さんは、僕が人生で見たことがないくらい綺麗な人です。男性であんなに綺麗な人は見たことないです。また、涼介さんにしかだせないお芝居があって、そういうエッセンスを与えてくれると、自分も何かに生かしたいという欲が湧いてくる。アツヒロさんは、この作品の要だと思います。以前やらせていただいたインタビューで、アツヒロさんの歴史をお聞きしたんです。様々な演出家さんと、様々な作品で、枠にとらわれていない活躍をされていて、羨ましいというか、僕もそうなりたいと思いました。アツヒロさんのそうした経験値や、懐の深さというものは、今作でもずっと与えてくれています。本当は全キャストのことを紹介したいくらい、一緒に作品を作れて光栄だなと思う方々とやらせていただいております。
ご自身の中で稽古期間のルーティーンはありますか
稽古場でも家でも必ずストレッチをしています。エネルギー補給も大事なので、食事も欠かせないです。稽古場とかでは、ぺヤングにおにぎりを乗せてガツガツ食べるのが好きです。炭水化物on炭水化物です(笑)。
稽古で、いま課題としているところは?
課題だらけですね。主演という立場もそうですし、この作品に自分がどう影響していくのか、皆さんにとってどう影響を与えるのか。それがお芝居なのか、人間的な魅力なのか、考え始めると答えがないのですが、少しずつでも向き合うことによって、真っ当に進めるようにしていきたいです。それしか打開策がないので、少しずつでも、その課題を魅力に塗り替えられるように努めていくつもりです。
お芝居としては、ゲームをやっていると分かることでも、舞台化するにあたって、限られた上演時間の中ではまとまらない部分もあったりするんです。もっと丁寧に描きたかったドラマもあると思うんですけど、そうしたドラマや世界観を取りこぼしすぎないように役の関係性を見せていきたいです。
特に、この世界での魔法や戦っていく武器なども特徴があるので、そうした特徴を捉えつつのアクションには力を入れてやりたいです。せっかく魅力的になるはずなのに、やり方次第では逆に自分たちにとって穴になってしまいかねないところでもあるので。
舞台に立つうえで、いつも心掛けていることは?
責任を全うすることです。舞台に立つことは当たり前のことじゃないので、自分は板の上に立つ人間であるということを、ちゃんと理解していないといけない。
僕は演劇を見て、お芝居という道を選ばせていただいていて、本当に運良く俳優という仕事が出来てきてきた中、僕が舞台に立つというのはとても特別なことなんです。その姿をちゃんと見届けてもらう、見張ってもらうように、開演前には必ず天国の祖父に手を合わせてから行っています。それはデビュー当時から変わらないものです。
本公演を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします
「サガ」シリーズの舞台としては3作目となります。また新しい風を吹き込んで、サガという世界も広げたいと思っていますし、演劇を観に来てくださる皆様にとって、少しでもかけがえのない時間に出来ればと思います。『ロマンシング サガ』の世界にお招きしたいと思いますので、劇場に観に来てください。
今回インタビューをさせていただいた、松田 凌さんの直筆サイン入りチェキを抽選で2名様にプレゼント!
チェキの応募方法はStage NewsのXをフォローし、対象ポストをRPをするだけ!
応募締め切りは2024年3月1日(金)23時59分です!沢山のご応募お待ちしております!
※サイン入りチェキは当選者1名様につき1枚とし、XのDMにて当選された方にのみ、ご連絡いたします。その際にチェキの種類は選べません。
※仕様上アカウントをフォローして頂かない場合はDMが送れませんのでご注意ください。
※DM送信後は48時間以内にご連絡が無い場合、当選は無効といたします。
公演概要
タイトル:「サガ」シリーズ35周年記念公演『SaGa THE STAGE~再生の絆~』
世界観監修・脚本原案: 河津秋敏(株式会社スクウェア・エニックス)
脚本・演出: とちぼり木(株式会社スクウェア・エニックス)
音楽: 伊藤賢治
日程
東京公演 2024年2月22日(木)~2月25日(日) サンシャイン劇場
大阪公演 2024年2月29日(木)~3月3日(日) サンケイホールブリーゼ
※公演時間等の詳細は公式サイトをご覧ください
キャスト
ポルカ・リン・ウッド 松田 凌
リズ・リン・ウッド 高槻かなこ
ジョセフィン・リン・ウッド/リアルクィーン・ジョー 七瀬恋彩
バートランド・リン・ウッド 岸本勇太
レオン 新田健太
シエロ(モール) 原武昭彦
詩人 野村知広
マドレーン/リアルクィーン・カラミティ 伊澤彩織
シン・ドゥ/オアイーブの父 石橋直也
最終皇帝(女)/リアルクィーン・ヴェノム 御寺ゆき
ブラウニー/イェリク 大平峻也
イーヴリン/リアルクィーン・ラプタス 土屋アンナ
バルテルミー 三浦涼介
ワグナス/ゼノン・アウスバッハ 中村誠治郎
スービエ/イゴマール 平山佳延
ダンターグ 阿見201
ボクオーン 川田 祐
クジンシー/ルートヴィッヒ 和合真一
ロックブーケ 宮崎あみさ
ノエル 佐藤アツヒロ
ジェラール 及川崇治
ヴィクトール 湯田昌次
キャット 片田ミチル
ジン・ダーハオ 岡本麻海
ドルテ(魔女の娘) 松野咲紀
ヘクター 松藤拓也
ターム 久保田浩介
ターム 望月祐治
ターム 白崎誠也
ターム 松岡 凜
ヴァルドー 園田玲欧奈
チケット(税込/全席指定)
S席10,800円 / A席8,800円 ※未就学児の入場不可
https://l-tike.com/sagastage-reuniverse/ ※PC/スマートフォン共通
お問い合わせ
チケットに関するお問い合わせ Mitt TEL: 03-6265-3201 (平日 12:00~17:00)
公演に関するお問い合わせ BSフジイイベントお問い合わせ: event@bsfuji.co.jp
公式 HP: https://sagastage.jp/reuniverse/
公式 X: @SaGa_THE_STAGE
公式 Instagram: @saga_the_stage
主催: SaGa THE STAGE製作委員会
宣伝:キョードーメディアス
展示会&物販イベント『サガLOUNGE~35th Anniversary~』
【東京】 2024年2月22日(木)~2月25日(日)
サンシャインシティワールドインポートマート5階
コンファレンスルームRoom6~9
(東京都豊島区東池袋3-1-3 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル5F)
【大阪】 2024年2月29日(木)~3月3日(日)
ブリーゼプラザ・小ホール
(大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー7F)
イベント詳細およびグッズ情報は特設ページ https://sagastage.jp/SaGaLOUNGE35th/
有料配信
「SwipeVideo」にてマルチアングル配信とスイッチング配信を実施。
配信チケット販売ページ: https://sv-commerce.com/sl/sagastage
2月22日(木)18:00公演 東京・サンシャイン劇場
購入期間:2024年2月29日(木)21:00まで
配信期間:2024年2月22日(木)18:00から2月29日(木)23:59まで視聴可能
3月3日(日)17:00公演 大阪・サンケイホールブリーゼ
購入期間:2024年3月10日(日)21:00まで
配信期間:2024年3月3日(日)17:00から3月10日(日)23:59まで視聴可能
© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI
© SaGa THE STAGE Re;univerSe
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