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魔都夜曲

【3.0レポート】音楽劇『魔都夜曲』

魔都夜曲

【ストーリー】
昭和14年(1939年)、三月。上海。共同租界の路地裏。フランスやイギリス、アメリカ、日本などの列強の租界地として、人種のるつぼとかしていた、エキゾチズム溢れる都市、上海。夜の租界を、暴漢に追われ走り抜ける三人の若い男女がいた。警笛とともに駆けつけた警官に連行されてゆく3人。白河清隆(藤木直人)、周志強(チョウ・チーチャン/ 小西遼生)、周紅花(チョウ・ホンファ/マイコ)。
翌朝、外交官の籾田守(山西惇)に引き取られ、清隆の住む「虹口(ほんきゅう)アパート」に戻って来た3人。虹口アパートは共同租界の日本人街にあり、管理人は口うるさいが気の良い芽衣(ヤーイー/春風ひとみ)。その応接室で、3人は老医師の西岡勇(村井國夫)に手当を受けていた。
事の顛末は、清隆が、暴漢に襲われていた志強と紅花を助けた最中、暴漢達は逃げ、あべこべに被害者の3人が不当に逮捕されてしまった、ということらしい。
清隆の素性は、公家の血を引き日本政府の要人を父に持つ男。諸国を遊学し音楽や絵など芸術に親しんできたが、今は、日本からの送金を全て遊興に使う自堕落な生活を送っていた。上海には、日本と支那の関係の現状を学ぶように、との父からの指示で来たのだが、相変わらず遊び歩いていた。籾田はそんな清隆のお目付役を、父から仰せつかっていた。清隆は、明朗快活で屈託がないところが魅力的な青年だった。日本人街の開業医である西岡も、そのような清隆の気質が好きで温かく見守っている一人であった。その清隆が行きがかり上、助けた男女は兄妹だった。兄の志強は亡父の跡を継いで、上海で貿易の仕事をしており、紅花はそんな兄と一緒に暮らし身の周りの世話をしている。二人は、中国人を父に持ち、母は日本人であった。
三人は、留置所で話すうちに、大いに意気投合した。
フランス租界のクラブ「ル・パシフィーク」には様々な人々が集まる。クラブの支配人、新田日出夫(橋本さとし)、陽気なボーイ・サミー(コング桑田)、ピアノ弾きの鹿取良治(松下洸平)、そしてステージではクラブバンドの演奏に乗せ、歌姫の字春(ユーチュン/秋夢乃)が歌う。そこにやってくる、清隆、志強、紅花。紅花と字春は友人でもあった。クラブのあちこちでは、音楽談義も語られれば、直面する政情に熱を帯びた論議も起こり、ジャズの音色とともに、人々の思惑渦巻く不可思議な空間だった。そしてそこには謎の女——川島芳子(壮一帆)の姿も。
清隆、志強、紅花は、馬鹿馬鹿しくも美しい”上海の青春”といえる交友を深めてゆく。
紅花は清楚な外見からは予想がつかない自由奔放な一面ものぞかせ、清隆はそんな紅花にいつしか惹かれてゆく。
しかし、ふたりの恋には、それぞれの宿命が待っていた。
志強と紅花にはある秘密があった。
時は第二次世界大戦前夜。未だ目的が見出せなかった清隆も、彼の存在自体が持つ宿命により、容赦なく歴史の大いなる波に巻き込まれてゆく。
各国列強がにらみを利かせ思惑渦巻く都市・上海で、清隆は次第に自分のなすべきことに目覚めてゆく。
清隆と紅花、そして取り巻く人々の大いなるドラマが展開してゆく。

魔都夜曲

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