
【レポート】紀伊國屋ホール&新宿シアタートップスの2劇場同時上演!『ダブルブッキング2nd︕』いよいよ明日開幕!
2025年4⽉5⽇(⼟)より、紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスの2劇場にて開幕を迎える『ダブルブッキング2nd︕』。
前作の『ダブルブッキング︕』は、2008年に紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスの2劇場にて同時上演し、当時演劇界で⼤きな話題となった作品。2013年には下北沢の本多劇場・「劇」⼩劇場・⼩劇場「楽園」の3劇場にて上演。初演から15年後の2023年には、初演と同じく紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスの2劇場にて再演されました。
本シリーズの⼤きな特徴は、キャストが本番中に劇場を⾏き来しながら、それぞれの劇場を舞台にした異なるストーリーを同時に上演し、両劇場で1つの⼤きなストーリーを描きます。
それぞれの劇場にて独⽴したストーリーになっていながらも、両劇場で観劇することで⼤きな1つのストーリーが完結する構成となっている作品です。
本作では、2008年版『ダブルブッキング︕』から17年後の2025年現在の新たな物語が描かれ、紀伊國屋ホールで公演を⾏う演劇ユニット「ジャッカル」と、新宿シアタートップスで公演を⾏う「藤⾬」の初⽇の幕が開く数時間前という設定で、それぞれの劇場で起きた出来事を、実際に2劇場で同時に開演し、20名のキャストが演劇ユニットのキャスト・スタッフを演じながら劇場を⾏き来し、ストーリーを展開していきます。
出演は、演劇ユニット「ジャッカル」のキャスト役に⾺場良⾺、杉江⼤志、⾼⽥翔、三好⼤貴。スタッフ役として飯⼭裕太、⼯藤⼤夢、海⽼澤英紀、井川花林、内⽥敦美、森⾼菜⽉。
そして、演劇ユニット「藤⾬」のキャスト役として、久保⽥秀敏、松本幸⼤、難波なう、⾼橋紗良、moca。スタッフ役として佐伯亮、⽵本かすみ、堀江あや⼦、⽉⽥悠貴、そして、⽔⾕あつしら、若⼿からベテランまで多彩なキャストが集結。
作・演出は、前作『ダブルブッキング︕』の作・演出を担当した堤泰之が務めます。
本稿では、初日前に行われた取材会での意気込みコメントと併せて、紀伊國屋ホールでのゲネプロの様子をお届けします。
意気込みコメント
高田翔:2劇場同時上演ということで、今から現場で分かることがあると思うので、楽しみながらやっていきたいと思います。
杉江大志:出演のお話をいただいた時は、これを考えたプロデューサーは狂っているなと思いました(笑)。こうした、普通だったら思い付いてもやらないようなことを、一緒にチャレンジしようよと声を掛けていただけたことは嬉しいことです。難しいことに挑戦するのは、我々役者としては常日頃から心掛けているところでもありますし、成功できるようにみんなで稽古をしてここまで辿り着いたので、皆さんにしっかり作品のメッセージを届けられるよう頑張ります。
馬場良馬:2008年の初演『ダブルブッキング︕』から、今回は続編となる新作になります。今まで続いてきたこの作品の歴史をリスペクトしつつ、新しいものを新しいキャストで紡いできた稽古期間でした。あとはもう、お客様と共に楽しんでいきたいですし、いろんなハプニングが起きる匂いがぷんぷんしているので、お客様にはその目撃者になっていただけたらと。そして無事に千秋楽まで駆け抜けられたらと思います。応援よろしくお願いします。
久保⽥秀敏:僕は前作に引き続き、藤崎⻯⼀役をやらせていただきます。前作では、柏⽊幸太郎という役者が、内緒でふたつの劇場に同時に出演することを企てまして、それから17年後の物語が今作で描かれます。今作では、僕が演じる藤崎が演劇界で新しい風を吹かせてやろうと企画して、ふたつの劇団に行ったり来たりしないといけないお話を作りました。僕が、17年前の柏⽊幸太郎という役の面白いところを見て、またドキドキワクワクしたいなと。今回もお客様に楽しんでもらえる作品になっていると思いますし、作品が伝えたいことをお届けして、心に残る作品にしていきたいです。
松本幸⼤:興梠浩正という役を演じます。とんでもない人物ですが、でもすごく愛が強い役柄だと思っています。僕自身、堤さんからこの役を頂けたことをすごく嬉しく思いますし、観に来てくださる皆さんが少しでもいいなと思ってくれたら嬉しいです。2劇場同時上演は普通じゃなくて特別なことだと感じていますし、こうして紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスの劇場を同時に借りて、同時に本番ができる、この幸せな状況を沢山の方に知ってもらいたいです。本番が始まってからもいろんな方に知ってもらい、愛される作品になるよう全力で演じさせていただきます。最後までよろしくお願いします。
⽔⾕あつし:私は17年前の初演から作品に携わらせていただいております。2008年の紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスに立った時も本当に幸せなことだなと思いました。現在は随分と新宿も変わりましたが、こうして公演できること、改めて幸せなことだと感じています。前回も本当に楽しい作品でしたが、今回も胸を張って自信たっぷりに公演できると思っております。
稽古場でのエピソード
高田翔:劇中劇シーンの稽古の時、どういう風にやったら面白くなるかなと、すごく考えながらやってきました。正直、何やってるんだろうと思う気持ちもあったりするんですけど、そこを飛び越えた、自分のハジけポイントやスイッチが押されて、とても実りのある稽古場でした。(幕開きが新宿シアタートップスで)1分48秒でこちらに来ないといけないのですが、これから初めて劇場でやらせていただくということで、とても緊張しています。
杉江大志:今日は紀伊國屋ホール側、今日は新宿シアタートップス側の稽古をします、みたいな感じでしたので、全貌が見えたのが本当に最後の1週間くらいでした。稽古でのみんなでの会話が、お芝居についてよりも移動についてが大半で。あとは、すごく面白い役者さんばかりで、自分がイメージしていたシーンが実際に稽古をしたら違う感じになったことが僕の中では印象的でした。
馬場良馬:紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスの上演時間を合わせて役者が劇場を移動するのですが、1分以内に移動しなきゃいけないところを1分半にしようと、こっちの芝居を少し長くしてみたら他がどんどんズレてしまって。移動に関しては、ゲネプロで見通しが立てばと思っています。堤さんは移動時間を計算して台本を書いてくださっているので、決められた時間内でどうより良くしていくかをみんなで話し合いました。それをお客さんにしっかり届けたいです。
久保⽥秀敏:2つの劇団、2つのユニットがあり、それぞれ特徴が違っていて。僕らの「藤⾬」は絶叫劇団なので、常に声を張って大声でお芝居をするスタイル。そして「ジャッカル」はナチュラルなお芝居をする。行ったり来たりしながら両方のお芝居に出るので、「ジャッカル」の役者たちはこちら側に来たら絶叫しないといけないんです。稽古序盤で割とみんなが声を枯らすといった事件もありました(笑)。堤さんの頭の中で、しっかり計算されて全部描かれているので、そこを信頼して、僕らは気持ちよくやるだけです。
松本幸⼤:とんでもない役を演じるので、稽古の途中からは慣れましたが、最初の頃は自分のセリフで笑ってしまったりしました。僕らとしたらありえないことを言ったりしますが、そういう面白さもある作品です。稽古場も2つあったのですが、距離は実際より短く、階段の段差も結構違うので、しんどいなと思いました(笑)。ただ、そのしんどさも全部楽しさに変えて、みんなで走り抜けたいと思います。
お客様へメッセージ
⽔⾕あつし:2008年の初演の時は真夏で、暑い中ものすごい汗をかきながら走りました。2013年は真冬で、雪の中を走りました。2023年も気温38度の中、走りました。今回は春ということで、優しい時代になりました。ですが、前回以上に行き来の数が多くなっています。走っている姿を想像しながら客席で見守ってくださるお客様との一体感が必ず舞台上で出ると思いますので、ぜひ頑張って走っていただきたいと思います。今年で還暦を迎えることになりましたが、還暦でも走ります。確実に面白い作品で、違うスタイルの作品が紀伊國屋ホールと新宿シアタートップスで行われます。楽しんでいただけたらと思います。
ストーリー
2008年、新宿の⼆つの劇場に同時に出演することを企てた男がいた。演劇ユニット「デニスホッパーズ」の主宰柏⽊幸太郎は、新宿シアタートップスで⾏われる⾃分たちの公演と、同時刻に紀伊國屋ホールで⾏われるアングラ劇団「天空旅団」の公演の両⽅に出演しようと企てた。ところが秘密裏に⾏おうとした柏⽊の企ては、本番前に両⽅の劇団にバレてしまい失敗に終わった・・
そして現代、2025年、新たにダブルブッキングを企てた男がいた。男の名は藤崎⻯⼀。藤崎は元天空旅団の役者で、テレビや映画で活躍していたのだが、⼈気に翳りが⾒え始めていた。このままではいけない。なんとかもう⼀度這い上がらなければ・・そう決意した藤崎は、「藤⾬」というユニットを作り、⾃ら作・演出をてがけ、シアタートップスで公演を打とうとした。17年前、客席との距離の近さに⾜がすくんだ新宿シアタートップスに⽴ちたい。そして再び注⽬を集めたい・・そう考えた藤崎の頭に浮かんだのは、「ダブルブッキング」という⾔葉だった。実は藤崎は、2008年の柏⽊のダブルブッキング未遂を⽬撃し、代わりに急遽天空旅団の舞台に⽴ったのだ。早速藤崎は実現に向けて動き出す。「藤⾬」と同時期に紀伊國屋ホールで公演を⾏う団体を調べると・・それは「ジャッカル」という演劇ユニットだった。
役者とスタッフ、それぞれの思いがぶつかり合い、劇場に渦巻く熱は時間を追うごとにあらゆる⽅向にヒートアップしていく。開演まであと数分。果たしてダブルブッキングは成功するのか・・
公演概要
『ダブルブッキング2nd︕』
作・演出︓堤 泰之
公演⽇時︓2025 年 4 ⽉ 5 ⽇(⼟)〜4 ⽉ 13 ⽇(⽇)
会場 ※2劇場同時上演
新宿シアタートップス(東京都新宿区新宿 3-20-8 WaMall TOPS HOUSE ビル 4階)
紀伊國屋ホール(東京都 新宿区 新宿 3-17-7 紀伊國屋書店新宿本店 4F)
出演
ジャッカル
《キャスト役》
菊島永輝 ⾺場良⾺
松丸 優 杉江⼤志
⽇下部浩介 ⾼⽥ 翔
秦 邦和 三好⼤貴
《スタッフ役》
グエン・ヴァン・ミン 飯⼭裕太
三⽊健太(舞台監督助⼿) ⼯藤⼤夢
野津⽥隆(舞台監督) 海⽼澤英紀
⽣部桐⼦(作・演出) 井川花林
⼩久保⿇耶(⾐裳) 内⽥敦美
⽥村 楓(制作) 森⾼菜⽉
藤⾬-hujisame-
《キャスト役》
藤崎⻯⼀ 久保⽥秀敏
興梠浩正 松本幸⼤
岬エリカ 難波なう
⼀之瀬るみ ⾼橋紗良
河合静代 moca
《スタッフ役》
井出嘉郎(演出助⼿) 佐伯 亮
陣内真琴(制作/藤崎の事務所社⻑) ⽵本かすみ
熊野三千⼦(舞台監督) 堀江あや⼦
⽯沢富之(制作) ⽉⽥悠貴
チャーリー若松(元天空旅団座⻑代理) ⽔⾕あつし
チケット(全席指定・税込)
シアタートップス 8,000円/紀伊國屋ホール S席 7,000円 A席 5,500円
公式サイト︓https://no-4.biz/db2nd/
公演に関する問い合わせ︓株式会社エヌオーフォー【NO.4】 info@no-4.biz
企画・制作︓エヌオーフォー【NO.4】
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