Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

【オフィシャルレポート】Classic Movie Reading Vol.4『東京物語』が開幕

世界で語り継がれる名作映画を朗読劇として上演する「Classic Movie Reading」シリーズ。第⼀回⽬は『ローマの休⽇』と『⾃転⾞泥棒』、第⼆回は『⾵と共に去りぬ』、第三回⽬は『若草物語』を上演し、いずれも好評を博してきた。
第四回⽬はシリーズ初の邦画、⼩津安⼆郎監督の傑作『東京物語』。演出を野坂実、脚本を鈴⽊智晴が⼿掛ける。さらに、主演・愛⽉ひかるに加え、中尾隆聖、⽩⽯珠江(劇団⺠藝)、⻫藤レイ、平⽥裕⾹、広瀬登紀江、⾺場良⾺、内海光司といった実⼒派キャストが顔を揃えている。

2025年2⽉5⽇(⽔)の開幕を前にゲネプロと囲み取材が⾏われ、囲み取材には愛⽉ひかる、中尾隆聖、⻫藤レイ、平⽥裕⾹、広瀬登紀江、⾺場良⾺、内海光司が登壇した。

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」
初⽇を前にした⼼境を聞かれた愛⽉は「この劇場はちょうど⼀年ぶりですが、クラシカルな雰囲気が作品に合っていると感じます。お稽古期間が短かったのでものすごい緊張感の中でゲネプロを終えました」と笑い、「舞台での⼥性役に関しては初⼼者ですし、⽇本⼈⼥性役は初めて。⼀年⽣のような感じで皆さんに教わり、役をさらに深めていきたいと思います」と改めて意気込んだ。

中尾は「いよいよ明⽇が初⽇。お客様にどう⾒ていただけるのかとても楽しみです」と語り、「家族の絆の物語ですから、⾒終わった後に⼤事な⽅に電話しようかなと思っていただけたら嬉しいです。私は若い頃に(映画で同役を演じた)笠智衆さんとお仕事したことがあり、その時のことを思い出しました。⼤先輩の役を演じられて光栄です」と振り返る。

「初舞台の内海光司です」と笑わせた内海は、「顔合わせの数分後に通し稽古という勢いのある現場でした。この勢いを⼤事に千秋楽まで突っ⾛ろうと思っています」と意気込む。映画公開から70年以上経った今この作品を上演する意義について「家族のつながりが描かれている作品。⼈間同⼠だからいい時も悪い時もありますが、時代が変わっても⼈間の本質は変わらないということを改めて教わりました。この作品に携わって思うのは、会いたいと思う⼈がいたらすぐ会いに⾏ったほうがいいということ。⾒た⽅もそんな気持ちになってくれたら嬉しいです」と語った。

共感できる登場⼈物を聞かれると、⻫藤が「志げは映画で杉村春⼦さんが演じていた役なので、恐れ多く嬉しいです。みんな共感できる部分はありますが、紀⼦さんの“ずるいんです”というセリフはすごく共感します。私の親も⾼齢になったので、親⼦の関係にも感じることが多々ありました」と語り、平⽥が「中尾さんのお声や⼝調が他界した祖⽗に重なるところがあって、おじいちゃんと果たせなかった時間を過ごせているような気になります。いつか⾃分の⾝に降りかかる寂しさなどに対して、周吉さんの“じき慣れるよ”という⾔葉が刺さりました。⾒に来てくださった⽅にとっても救いになったらいいなと思っています」と、⾃分⾃⾝に重ねて味わえる物語だと話した。

稽古場エピソードについての質問には、広瀬が「稽古場はとても和やかでした。皆さんスターなので緊張していましたが、とても気さく。稽古初⽇に演出の野坂さんから“すぐお客様に⾒せられるね”と⾔っていただけたこともあり、本番が楽しみです」と明かし、⾺場は「1⽇1⽇がすごく有意義でした。野坂さんが70年前の⽇本の家族の在り⽅を共有してくれて、すごく勉強になりました。お客様にも同じイメージを届けられたらいいなとワクワクしています」と期待を寄せる。
最後に愛⽉が「時代を超えて愛されている作品に、頼もしい共演者の皆さんと⼀緒に挑めることを嬉しく思います。ご覧になった皆さんが温かくも味わい深い気持ちになれるよう、⼼を込めてみんなで準備しています。ぜひ楽しみにしていてください」と締め括った。
Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」
戦後の⽇本における“家族”の変化を描いた本作。映像や照明、動きは必要最低限のスタンダードな朗読劇となっており、そのぶん古⾵な⽇本語の美しさ、⽅⾔混じりの⾔葉づかいの⾯⽩さがストレートに伝わってきた。声のトーンや表情でそれぞれのキャラクターの個性、シーンごとの⾵景をイキイキと届けるキャスト陣の芝居も⾒事だ。
東京に出た⼦供達を訪ねる両親、東京でそれぞれの⽣活を営む⻑男と⻑⼥、戦死した次男の妻、⼤阪で暮らす三男と地元で両親と共に暮らす次⼥。それぞれの⽴場と思いが繊細だが淡々と描かれる。観る⽅の⽴場や年齢によって、共感できるキャラクターが変わってくるのも本作の⾯⽩さだろう。
愛⽉は穏やかで思いやりに溢れながらもどこか影のある⼥性を魅⼒的に描き出し、中尾と⽩⽯は⻑年連れ添った夫婦の空気感をリアルに⾒せる。内海、⻫藤、平⽥、広瀬、⾺場もそれぞれの個性や家族の中でのポジションが伝わる役作りをしており、作中では描かれていない兄弟の⼈⽣も想像できた。
古き良き昭和の時代を描いた話ではあるが、現代にも通じる普遍的な「家族」の物語である『東京物語』。囲み取材でキャスト陣も語っていたように、⾒終えた後に家族や⼤切な⼈に会いたくなるような作品に仕上がっている。
⼀つひとつの⾔葉をじっくり噛み締められる味わい深い朗読劇を、ぜひ劇場で⾒届けてほしい。

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」
撮影︓友澤綾乃

公演概要

Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」

演出︓野坂実
脚本︓鈴⽊智晴

出演
愛⽉ひかる

中尾隆聖
⽩⽯珠江(劇団⺠藝)
⻫藤レイ
平⽥裕⾹
広瀬登紀江

⾺場良⾺

内海光司

公演⽇程
2025年2⽉5⽇(⽔)〜9⽇(⽇)三越劇場
5⽇(⽔)14︓00/18︓00
6⽇(⽊)14︓00/18︓00
7⽇(⾦)14︓00/18︓00
8⽇(⼟)14︓00/18︓00
9⽇(⽇)12︓00/16︓30

■チケット (全席指定・税込)︓前売・当⽇ 9,900円

企画協⼒︓開沼豊
主催︓Classic Movie Reading Vol.4「東京物語」製作委員会
企画・製作︓style office

公式X︓https://twitter.com/cmrstage
公演公式サイト︓https://tokyostory-reading.com

お問合せ︓stage.contact55@gmail.com

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