【レポート】PREMIUM 3D MUSICAL『英雄伝説 閃の軌跡』
華やかなオープニング、それぞれのキャラクターの映像とそこに生身の俳優、姿は衣裳やメイクでビジュアルは原作から抜け出たようなイメージ、そこに3Dの映像がスクリーンに映るが、このシンクロの仕方が違和感がない。
物語の出だしはもちろん原作ゲームと同じ。舞台ではまず、エレポニア帝国を説明するが、これがテンポ良く間延びしない。この旧き大国では近年、2つの勢力が台頭一つは貴族派、「四大名門」と呼ばれる大貴族を中心とし、その莫大な財力によって地方軍を維持し、自分たちの既得権益を守らんとする伝統的な保守勢力。もうひとつは革新派、平民出身の「鉄血宰相」を中心とし、巨大な帝都や併合した属州からの税収によって軍拡を推し進め、大貴族の既得権益を奪わんとする新興勢力。両者の立場は相容れずはずもなく、その対立は深刻、それは帝都近郊にある伝統的なトールズ士官学院でも同じだった。身分にちらわれない人材育成を掲げているものの、貴族と平民の溝はそのまま持ち込まれた格好だ。白い制服は貴族出身、緑の制服は平民出身、優秀であるのに下に見られる平民生徒たちは常に理不尽感を持ち続けており、ことあるごとに反発しあう両者。そこへ地方貴族の息子であるリィン・シュバルツァー(松村龍之介)はトールズ士官学院への入学を果たし、帝都近郊の街トリスタを訪れる。リィンは自分の着た制服が、貴族生徒や平民生徒の制服の色と違うことに気づく、少数の、同じ「深紅の制服」を着た生徒たちがいることを。入学式も終わり、若い女性教官のサラ・バレスタイン(吉川麻美)がやってくる。「赤い制服の子たちは集まりなさい。これから特別オリエンテーリングを始めるわ」そこからリィンたちの想像を超える試練が始まる、というのがだいたいのストーリーだ。
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