【インタビュー】『浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる -大阪の巻-』浦沢直樹スペシャルインタビュー
納得がいくまで
何度も行うネーム※作り
※ネーム:下書き前に漫画のコマ構成を考えるためのアイデアメモ
――きょうはお時間をいただきありがとうございます。ほんとに凄い展示ですね。『YAWARA!』や『20世紀少年』『MONSTER』といった作品の単行本1冊まるまる分の原稿展示や様々なカラー原稿、小学生ぐらいからの習作、浦沢先生が自分で作られたビリーバットのフィギュアとか色々な展示が盛りだくさんでした。
そのなかでも私が特に凄いなと思ったのが『MONSTER』のネームなんです。何度も何度も同じシーンを違うカット割で書き直して、そして最終的にああいう形の原稿に落ち着くって言うのが、凄いなと思って。恥ずかしいんですが、ずっと見ていたら胸に来るものがあって、ボロボロ大泣きしてしまいました。
浦沢:ずっと同じシーンなんだけど、ネーム作るたびに絵をちゃんと描いているっていうのは、自分でも意識してないんですけどね。
あれは、展示するものを探しているときに見つけたんですよ。並べてみたら「なんだこれ……同じのがいっぱいあるぞ?」ってなって。何をどうやってたか記憶もしてないし、あんまり意識してなかったんですが「こんなふうにして作ってたんだ」って自分でも驚きました。
――何度も書き直しながら、最適の自分の中のビジュアルに近づけているんだなぁって。
浦沢:ですよね。そのたびごとに絵を描く必要はないんですよね。でも、なぜか描いてますね。
――それを見ていて「浦沢先生……漫画大好きなんだな」って思って。「私も……漫画好きだ……お話作らなきゃ」って。そう思ったら、なんかボロボロボロボロ泣いちゃって。
浦沢:ありがとうございます。
――きょう帰ったら、もちろんこのインタビューのテープ起こしして原稿も書かないといけないんですが「自分の原稿書かなきゃ」ってすごく思いました。
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