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扉の向こう側

【3.0レポート】『扉の向こう側』

扉の向こう側

 キャストがとにかく芸達者。壮一帆のフィービーは男勝りに見えて実はちょっと気弱なところがチャーミングだし、一路真輝のルエラ(2番目の妻)はおっとりとした淑女に見えていざとなるとリーダーシップを発揮する頼もしいキャラで「今、ここにある危機」を乗り越えようとする。紺野まひる演じるジェシカ(1番目の妻)は「ちょっと頭が弱い?」と思わせておいて実はちゃんとやるべきことを心得ていたりする。そんな女性達を的確に演じる3人の元宝塚、対する男性陣、吉原光夫のリース、最初は今にも死にそうなおじいさん、それから時間軸が変わるごとに登場するが、その変化が可笑しくもどこか可愛い。岸 祐二のジュリアンはなかなかに腹黒いがラスト近くはその深層心理が暴かれる。ホテルの警備員の泉見洋平演じるハロルドは実直でお人好し、コミカルで憎めない。

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