【3.0レポート】舞台『歌姫』
色に例えるとセピア色なイメージ、どこか温かい、ちょっと昔の感じ。台詞が軽妙洒脱で、細かい笑いやネタを時折挟み込む。これが絶妙に可笑しく、客席から笑いがもれる。チンピラ役の阿部力、鈴に想いを寄せるが、鈴はチンピラが嫌いとわかり、極道からまっとうになるためにズタボロになってオリオン座にやってくるところは見た目が衝撃的。ここからの彼の変わり方はわかりやすくて客観的に観られる客席からは、ちょっと笑える(当事者は一生懸命なんだが)。アットホームな、優しさに満ちた空間、暗転のたびに掲示板の映画ポスターが変わるが、ここで時間の経過がわかるようになっていて憎い演出、そして“本編”のラスト近くに貼られた作品タイトルは『南国土佐を後にして』、場面の状況とタイトルがリンクする。ちょっとしたアドリブ(?)もあり(ここは必見)、観客のツボにはまること、うけあい。客席の参加場面もあり(開幕前にレクチャーがたっぷりある)、またキャストが客席にも降りてくるので(モノがもらえる、運が良ければ)、ここは大いに楽しみたいところ。そしてほろ苦い結末へとストーリーは進んでいく。ラストはまたまた現代に戻る。ところでタイトルの『歌姫』……なかなか意味深、ちょっと泣けてくる。
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