金色のコルダ

【レポート】音楽劇「金色のコルダBlue♪Sky Prelude of 至誠館」

金色のコルダ

神南高校の東金千秋(碕理人)と土岐蓬生(上田堪大)は狂言回し的存在で場面を彩る。星奏学院オーケストラ部OBで、現在は仙台市で中学校の教師をしており、八木沢の恩師でもある火原和樹(瀬戸祐介)の温かい眼差し、どのキャラクターにも見せ場がある。江波紫音(大平峻也)は長嶺に心酔しており、八木沢に対してきつい態度を取るが、その“青い感じ”がいかにも10代の少年っぽく、かえって好感が持てるキャラクターに。誰に対しても明るい水嶋 新(小林涼)、おちょこちょいな狩野 航(富田大樹)、気弱な伊織浩平(小島ことり)、皆、愛すべきキャラクターでどの役にも共感出来る。『アイーダ』の『凱旋行進曲』等、なじみのあるクラシックも多数演奏され、それだけでも聞き応えがある。壮行会の演奏合戦はどうなったのか……勝敗よりも大事なものがある。演奏を通して、仲間たちとの切磋琢磨を通して、信念を持つことや自分の信じる道を歩むことを身を持って感じ、それを互いに認め合う。最後の力のこもった演奏ではそんな想いが凝縮されており、じんわりと感動出来る。『金色のコルダ』は音楽の持つパワーを観客にみせつけてくれる。

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