【インタビュー】劇団番町ボーイズ☆第4回本公演 with 人狼TLPT S舞台『天下統一恋の乱 Love Ballad ~序章~』株式会社オラクルナイツ 代表取締役 桜庭未那総合プロデューサー、演出家 佐藤徹也
人気舞台『人狼』が初の”外部出演”となる。しかもそこに掛け合わせるのは人気恋愛ドラマアプリ『天下統一恋の乱 Love Ballad』、人気作品同士のコラボレーション、進化し続けるライブ公演に新進気鋭の演劇集団、番町ボーイズ☆が挑戦する。舞台『人狼』の“生みの親”とも言えるプロデューサーの桜庭未那さんと演出家の佐藤徹也さんに舞台『人狼』のことや番町ボーイズ☆の面々等について語ってもらった。
今回のコラボレーションは凄くいい入り口(桜庭)
ゲーム『天下統一恋の乱 Love Ballad』のキャラクターを『人狼』ゲームに引き連れてくるのが僕の役目(佐藤)
--佐藤さんに質問です。この舞台『人狼』をやるということを聞いた時の感想と『人狼』の舞台を観たときの感想をお願いいたします。
佐藤:正直に“白状”しますと、やると決まった時は『人狼』の部分は桜庭さんが演出し、それ以外の部分は僕が演出するものだと思ってたんですね。ところが後で「両方、まとめて演出をしなければならない」っていうことがわかりまして(笑)、それで必死になって勉強を始め、まだまだ勉強中っていう状態です。そういう訳で僕は桜庭さんにお伺いしなきゃいけないことがたくさんあります。『人狼』はゲーム(原作)ですが、舞台化した場合、これは観る側、演じる側にとってかなり頭を使う要素が大きいですよね。”地アタマ”っていうんでしょうか、そういったものを取っ払って、先入観を持たずに来たお客様にわかりやすく、ゲーム要素を取り入れた舞台としてみせていくのが僕に課せられた使命かな?と思いますので、いかに解りやすく創っていくかっていうことを凄く考えている最中なんです。
--『人狼』の舞台は観客が「誰が人狼なのか、人間なのか」等の役割を当てるというゲーム的要素もありますが、演劇としてもそれぞれのキャラクターの性格、やり取り、心理状況等そういうところも観るものなので、非常に難しいですね。誰がどの役割なのか、キャストさんもクリエイターさんも簡単にお客様にバレちゃうと困りますし。
佐藤:そうです。いろんな楽しみ方があって、お客さんも「あの人、人狼じゃないかな」って考えつつも、キャラクターの役割、役柄もありますよね。そこを考えながらも、処刑のシーンがあって、その結果、(自分が人狼と思ったキャラクターが)人狼じゃなかった時に、「え〜??」ってパニックみたいになる人もいる。そういう人達をもう一回、冷静にさせて“フラット”にさせる作業が相当難しいんだろうな(笑)とにかく台本がない訳ですから、ここは演者さんのスキルにかかってる。まあ、通常の舞台の演出では通用しない、役作りも含めた上で、俳優のトレーナーとして、僕がやらなきゃいけない、これは今までの僕がやってきた舞台とか映画とかの演出方法ではないな、と思っています。正直言うともの凄く勉強して、もの凄く緊張しております(笑)、不安でございます(笑)。
--桜庭さんの方は、舞台『人狼』が外部公演っていう言い方も変ですが、今回、初めてですよね。
桜庭:ウチのほうでやってる本公演では、13人出てきて、13人が繰り広げる話で一本“芯”が通っていてレギュレーションも明確に出来ています。このレギュレーションは何年もかかって考えて作ったんですね。約2時間もののお芝居にした時に勝敗が偏ったりしない、いいバランスのレギュレーションに出来ているな、と思ってるんです。『人狼』ゲームを題材に、何かイベントとかお芝居やりたいって思っている方はこれを使いたくなると思うんです。私としてもいいシステムと認めてもらえているんだなっていう点では、よかったなと。そこに監修を入れることが出来れば、いろんな題材でいろんな演出家さんやいろんな他の要素や考えをお持ちの方が、更なる融合をしてくれるんじゃないかな?と思いましたし、この『人狼』を“解放したいな”と思いまして、“さて、きちんと解放するためには、どうしたらいいのかな?”って考えていたところに、ちょうどソニーミュージックさんの方から、今回“是非!”というお話を……“このシステム使ってお芝居をしたい”っていうお申し出をきちっと頂きました。こういったお話は実は初めてで、我々はとても感動しました。こんなに仁義を通して下さって、きちんとした手順を踏んで下さった。この見せるゲームとしての部分の訓練が大事だってことに気が付いていらっしゃる……これは真面目に取り組まなければいけない、と思いました。ゲームの児玉健先生を紹介したり、演出家さんときちんとお話をして、どこを大事にするか、していきたいか、その先程佐藤さんもおっしゃっていたように“何もわからないまま、何も知らずにきたお客様が、“ゲームわからないと面白くないのか、楽しめないのか”ってなっちゃうと、とても残念だと。何の情報もなく、来ても、たとえ、犯人がわからなくても、“楽しかったな”っていう時間に出来るようにするための話し合いをしっかりして作っていけたな、という気持ちで、外部公演としては初めてなので(笑)、これはいい形でスタート出来るんじゃないかなと思いました。
--そうですね、『人狼』と『サイコパス』や『宇宙兄弟』をクロスなさってましたけど、でも、あくまでも“なか”でしたもんね。
桜庭:そうですね、主催はこちら側、主導して稽古を進めていくのが私たちだったので。
--キャストさんも慣れた方々ですね。
桜庭:もう鍛えられた人達です(笑)
--番町ボーイズ☆の方々は初めてですね。
桜庭:はい。今から人狼ゲームに興味をお持ちの方に入って頂くには、今回のコラボレーションは凄くいい入り口だなって思っています。番町ボーイズ☆のメンバーも凄くゲームを好きになってくれたので嬉しいですね。
--佐藤さんに質問です。『人狼』っていうのもゲームですが、掛け合わせるものもゲームな訳で、今までの『サイコパス』や『宇宙兄弟』はマンガだったりアニメだったり、でした。今回、初の外部公演、しかもゲームとゲームをかけ合わせるっていうところが、斬新かな〜と。「こういうところをチャレンジしてみよう」って言うのは何か、ありますか?
佐藤:僕はゲームとゲームで考えていくと、なおさら、悩んで、迷路に入っていっちゃう(笑)。ゲームのキャラクターを頂いて「ゲームの要素がある、ひとつの物語にする」っていう考え方ですね。ゲームとゲームだとお客さん側から観ると「どっちについていけばいいの?」になってしまうので、明確にゲーム要素としてのエンターテイメントは「人狼」寄りに作ります。基本的には『天下統一恋の乱 Love Ballad』のキャラクター、キャラクターにもいろいろ言葉遣いなどのレギュレーションがありますが、そういったものを明確に、忠実にまもっていかないと。あとは即興なんで、このスキルを俳優たちがどこまで上げることが出来るか、こちらはトレーナーとしてちゃんと演技をつけてあげられるのか、ですね。あとは、キャラクターがこの『人狼』ゲームに乗っかってくる、いうなればゲーム『天下統一恋の乱 Love Ballad』のキャラクターを『人狼』ゲームに牽引するのが僕の役目かな?と思っています。
--舞台『人狼』は最初だけ台本があって、あとはアドリブ、そこの役作り、例えば『天下統一恋の乱 Love Ballad』のファンの方が観て、あるキャラクターが「言葉遣いはそうなんだけど、こういう内容のこと言うかな?」っていう疑問を持たれないようにするのが難しいところなんじゃないかと。
佐藤:そうですね、舞台全般に言えることですが、大概は台本にのっとってやれますが、それらの作品とは違う、今回の『天下統一恋の乱 Love Ballad』は基本的に人狼ゲーム部分に台本はない、アドリブですから、それも“含めてこれでいいでしょうか”っていうお伺いを原作のボルテージさんに立てながら……全てのお客さんの全ての望みに答えられることがもちろん、ベストなんですけど、その中でももっともコアなファンの方々に対してちゃんとした形で演出、表現することが、出来ればとも思っています。
--そこが一番、難しいところですね。
佐藤:そうですね。そこが2.5次元の一番難しいところだと思っています。
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