永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート 

【インタビュー】永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート ロングインタビュー 〜後篇〜

永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート 

永井豪作品の面白さは、
作品の持つ半端ない熱量(和田)
時代に合わせて繰り出す様々な作風(臼田)
どの時代に映像化しても新しさを感じる(竹澤)

――話の角度を変えまして、永井豪作品の面白さはどんなところにあると思いますか。
アニメ作品だと音楽とのマッチングだったりとか配役の妙みたいなものがあってりするんでしょうが、和田さん臼田さんそれぞれが永井豪作品に対して、こういうところが好きだなというところをお聞かせください。
和田:先ほどの竹澤プロデューサーの話にあったように、ヒーローが完全ではないところとか、人間臭いところがあって、それはロボものとかでも同じですよね。その影響でアニメや映像の作品の主題歌で出てくる詞が、やっぱりちょっと異常な熱さというか熱量が半端ない歌詞になってますよね。その結果、詞先か曲先かは別にしても、それと対になる音楽がどんどん熱量を増すんですよ。
――歌詞と音楽のせめぎあいですか。
和田:そうですね。作品の持ってる熱量、エネルギーが、そのまま音楽に反映されてるなと思いますね。でもけっこうそうは言っても、ふわんとした『ドロロン閻魔くん』も好きなんですけどね。
――あの ほわんほわんほわんほわんほわーん って始まるのが味がありますよね
和田:そうなんですよ。それはそれでちゃんといい感じです。作曲は小林亜星さんなんですよね。
竹澤:鬼太郎に対抗して、作られたテレビ企画なんですよ。
――だから配役が似てるんですね。だけど、独特の世界観ですよね。
竹澤:日本人が感じる妖怪の怖さと、フランケンシュタインとかドラキュラの怖さの違うところなんかもうまく突かれてたかなと思いますね。
和田:なるほど。
――どろろん閻魔くんの音楽、あれもまた楽しいんですよね。非常に言葉遊び的な歌詞が
和田:そうですね、言葉遊びなんですよね。曲のつくりは、とても小林亜星さんぽいですよね。

――臼田さんは永井豪作品のどんなところがお好きですか
臼田:そうですね世代的には、和田さんより少し前なので、アニメになる前のどちらかといえば漫画の絵の印象が強かったですね。
――ぼくらが勝手に“永井豪反逆者の時代”って呼んでる頃ですよね、社会の矛盾とかおかしいなと思うところを小説家でいえば筒井康隆さんのように、作品の中でコメディにして暴いていく形のころですよね「ハレンチ学園」とか。
臼田:やっぱりショックでしたよね、永井豪さんの作品が誌面に出たときに、「ああ、こんな絵が世の中に出てくるんだ」っていう事がすごくショックでしたね。そのあと、いろんなロボットのシリーズが出てきて、この人がこういう絵を描くんだって、また驚きましたね。作風が変わって……時代によって作風が変わってくるというよりも色々な作風を持ってらっしゃって、時代に合わせて新たな面を見せていく感じですよね。
――永井先生の作品は映像化された作品が非常に多いですよね
和田:ほんとにその、キューティハニーなんかは今度やるのが、実写映画で2本目、TVシリーズもあったから、実写化は3本目か。その度に作品に初めて触れる世代が、新鮮に感じるんですよね。だからすごい作品、大事な作品ですよね。
竹澤:コンセプトとして、どの時代に映像化しても新しさを感じる時代に対応できる何かが作品の中にあるんでしょうね。
――横山光輝先生の『鉄人28号』『ジャイアントロボ』以降は途切れていた巨大ロボットをジャンルとして確立させたのも永井先生ですよね。合体ロボもそうですし。
和田:そう!合体ロボですよ!
――パイルダーオンがその嚆矢だと言われていますよね。

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