【オフィシャルレポート】『トワイライト・ミュージカル ZONE-00 満月』ゲネプロレポート
『トワイライト・ミュージカル ZONE-00 満月』 ゲネプロレポート
来年、連載20周年を迎える『ZONE-00』(九条キヨ・KADOKAWA)初の舞台化作品が開幕した。脚本は『THE STAGE ラッキードッグ1』の喜多村太綱、演出はめきめきと頭角を表している劇団・メロトゲニの村田こけし、音楽は新進気鋭のTALK ABOUTが手がけた。
魔都・東京では、謎の薬「ZONE-00」によって魔物が増えつつあった。
怪しく蠢く黒い影と、遠くに聞こえるのは鬼を誘う「かくれんぼ」の歌。
祓い師(エクソシスト)の志萬安吾(與座 亘)が転入してくるところから舞台は始まる。隠れるのが得意な九浄三郎(澤田 征士郎)を見つけ、それに驚いた九浄に志萬は懐かれる。
九浄の行きつけの店「居酒屋弁天」では、志萬の宿敵のモノノケたちが集まっていた。志萬は退治しようと引き金に指を掛けようとするが、店の開店に押し切られ手伝ってしまうコミカルな一面も。「居酒屋弁天V.I.P.席」のラッキーな方は注文ができる、かもしれない。
平穏な日常は続かず、直後、別のモノノケに九浄は首を斬られて絶命する――。
五百年前の因縁が絡み合った志萬と九浄、ともに死ぬ運命だった千両と月彦、そしてそれぞれの家族との確執をもつ弁天と、黒薔薇憐児。六人の運命の輪が絡み合い、再び戦い(夏)が始まる。
冠の「トワイライト」とは、モノノケが動き出す黄昏時、逢魔ヶ刻を指す。
「トワイライト・ミュージカル」という名の如く、コミック16巻(連載中)に渡るサーガの名場面を、音楽が奔流となって繋ぎ、時に楽しく、時に切なく、時に熱く、キャラクター達は歌い、踊り上げる。原作未読でもその心情が伝わってくるが、ファンにはたまらないシーンも用意されているので、覚悟して劇場で観て欲しい。
舞台の見どころは歌だけではなく、キャラクターに合わせてつけられた殺陣は、いずれもここでしか観られないもので、特に、無手vs水鉄砲の殺陣は必見!
美女と見紛う四巨頭の一人・弁天を荒一陽が華麗に、そしてランドセルを背負った螭のモノノケ・月彦を堀田優希が可憐に演じる一方、使い魔である千両・田中晃平と、黒薔薇憐児・森下 竣平は、陽気に力強い殺陣で舞台を縦横無尽に戦う中、時には弁天に顎で使われる3枚目さをコミカルに魅せていく。
誰もが通った複雑な思春期の中学生を與座 亘と澤田 征士郎が演じる、眩しい舞台だった。
完売公演もいくつか出ているが、当日券も販売を予定されているとのことなので、是非渋谷CBGKで、荒円寺の住人気分を味わってほしい。
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