【レポート】舞台「文豪ストレイドッグス」
舞台版のラスト近くのバトルは敦vs芥川の肉弾戦。途中、芥川は過去へ!そこで太宰と会話する。会話が終わり、元に時間軸に戻り、再び、バトルシーン、芥川の「羅生門」炸裂!布を独創的に使ったシーンは圧巻で、そこに映像演出が加わり、瞬き出来ないくらいのシーンに。この戦い、敦はめげない。その結末は?原作を読んでいたり、アニメを視聴していれば、あとは言わずもがな。
この物語は単なる異能力者同士の戦いではない。そういった派手なシーンに目を奪われがちであるが、実は中島敦の成長物語でもある。戦いや探偵社のメンバーとの交流を通じて、自分は「今、ここにいること」の意味や生きる目的を見いだしていく。彼の異能「月下獣」は無意識の内に発揮しており、それが理由で孤児院を追い出されていた。忌み嫌われてしまい、自分という存在の意味も意義も見つけられずに彷徨っていたのだが、偶然の出会いや今、そこにある危機と対峙することによって、内面が変わっていく。こういった点はもしかしたら舞台版の方がドラマ性が強いかもしれない。そんな姿は共感出来る。また徹底した悪役に見える芥川龍之介も実は……と思わせてくれるところもあり、目が離せない。
横浜を舞台に奇想天外な物語ではあるが、共感したり、泣いたりも出来る作品、まだまだ物語の序盤にすぎない。中島敦のアドベンチャーは始まったばかり、なのだから。
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