舞台『クローズZERO』

【レポート】劇団番町ボーイズ☆第10回本公演「舞台『クローズZERO』」

舞台『クローズZERO』

人付き合いが苦手でクールに見えるが、仲間のためならば自分の身を投げ出す滝谷源治を松本大志が内に秘めたパッションを持って演じる。また、片桐のアドバイスをメモ帳にしたため、それをちょこょこ見る姿は、なんだか可愛い。「百獣の王」の異名を持つ鈴蘭の頂点に最も近いと言われている芹沢多摩雄、芹沢軍団の頭。頑強に鍛え抜かれた肉体と腕力の持ち主、仲間が慕うだけの度量とクールさを持ち合わせているキャラクターを堂本翔平が存在感のある演技で見せる。情に厚く、辰川時生(藤岡信昭)とは強い絆で結ばれている。辰川は重大な病に侵されており、入院してしまうが、彼を見舞う姿と彼を想う発言は男気も感じる。
見た目は、凶悪な不良、ヤンキーであるが、その性根は心優しかったり、ちょっと弱いところもあって虚勢を張ったりする。そして鈴蘭高校の頂上を目指して一丸となってあらゆる手段を尽くそうとする。仲間を大事に想う、彼らなりの“漢”を貫き通そうとする、全てのキャラクターに見せ場があり、群像劇として、青春劇として、そこに疾走感が加わり、物語をスピーディーに見せる。映画版ではこの後は続編があるが、滝谷源治や芹沢多摩雄らのその後の物語も舞台で見たくなるような、そんなエンディングであった。

舞台『クローズZERO』

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