【3.0レポート】舞台『JOURNEY-浪花忍法帖-』
恵比三(納谷健)は、屈託のない笑顔が、その表情が楽しい。小さい体躯ながらダイナミックな動きにも目をみはる。所々で在阪の劇団にあるような、笑いで客席を沸かせれば、すぐさまストーリーを締めて行く。変幻自在の演技に心奪われるだろう。
布丁(星璃)は、恵比三のメンター、つまりどこかお師匠の役割を果たす。しかし、僧侶なのに殺陣に迫力がある。何かを隠していると感じるのだが……。その様を金髪の僧侶という佇まいがかっこいい。
弁才(松井勇歩)は、クールなのだが、どこかおちゃらけている。時折、ギャグをかます。ただ、殺陣になれば、その表情は豹変する。松井の舞台は東京ですでにいくつか観劇して演技力の高さに舌をまいたけれど、この客席のスペースで彼に肉薄するリアルな表情を垣間見えるのは、この瞬間ぐらいではないだろうか。
達磨(田中亨)は、実は物語のキーを握っている存在。しかし、彼の表情、仕草から、それを見通すことができない。あくまで、弱々しい立場なのだが、しっかりした体躯と何より顔に優しさがあって、どうしても脳裏に残ってしまう。
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