【レポート】舞台『炎の蜃気楼昭和編 紅蓮坂ブルース』
それぞれの人間関係や想い、使命と宿命、戦国時代からの記憶を持ってこの換生を繰り返し、魂の浄化を行なわず、生前の記憶を持ったまま他者の肉体に宿っていることの苦悩も見え隠れする。そんな心理状況も見どころではあるが、一番のハイライトシーンはアクション、映像を駆使して、彼らの特殊能力をビジュアル的に迫力のある効果音と共に見せつける。朽木慎治演じる増田裕生の存在感、傲岸不遜かつ唯我独尊なキャラクターを体現する。常にそばにいるジェイムス・D・ハンドウ、林修司が妖しく、そしてがっちりと朽木をフォローする。
伏線が張り巡らされ、それらがラストに向かっていく。また、北里美奈子の加瀬賢三/上杉景虎への感情、そしてもちろん、加瀬賢三/上杉景虎、笠原尚紀/直江信綱の関係性も見逃せない。
上演時間は休憩なしの約2時間、ドラマチックな展開で目が離せない。使命と共に生き続けている彼ら、「生きる」ことへの執着、奇想天外な設定ではあるものの、描かれているものは普遍的、シリーズが続くのも頷ける。
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