【3.0レポート】市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017『石川五右衛門 外伝』
客席通路を頻繁に使う演出、通路側の席なら、もうすぐそこで!立回りもやってくれるので迫力満点。子分2名は舞台ではコメディリリーフ的なポジションで、客席を笑わせてくれる。山田純大は時代劇に多数出演、安定感は抜群!前野朋哉は俳優、映画監督として活躍中だが、あの三太郎が出てくるauのCM「一寸法師」でおなじみ、軽妙な芝居センスが光る。市川右團次の重厚な“悪者”ぶりは流石、演出的にも“歌舞伎なところ”と“現代的なところ”が上手く混ざり合っていて歌舞伎を見慣れていない観客でもすんなり入っていける。父の行動が無念で仕方がない柳生十兵衛の心情、中山優馬が初々しく演じる。堅田の小雀もひとくせあって、ここは見どころ、主要キャラクターのいわゆる“決めポーズ”も思わず拍手したくなる。休憩をはさんで2幕目は客席通路からライトを手にした柳生の手下たちが登場するが、これが効果的。後半はいわゆる立回りが多く、五右衛門子分2人vs柳生の手下、また石川五右衛門vs柳生十兵衛等、ハイライトシーンも多い。さて、肝心のポルトガルの財宝は???というと、そこは天下の大泥棒、石川五右衛門、オチはもう改めて言う必要もなし。イリュージョンも使うので、こういった場面は自然とテンションはアップする。
さて“本編”が終了したら、あとは“お楽しみタイム”、アクロバットしながらの忍者のバトントワリング、これがなんだか新鮮だ。和太鼓もかっこいいし、面をかぶって3人が踊る(中山優馬、前野朋哉、山田純大)、さっきまで敵同士だったけど、ここは楽しく!女形の扇子の舞も、扇子が何気に紅白の獅子!そして最後はもちろん石川五右衛門、華やかなねぶたに乗って登場する。金色の紙吹雪が舞い、客席を巻き込んでのテンションアゲアゲタイムで終幕、舞台転換もスピーディーで飽きさせない構成、休憩(20分)も含めて上演時間約2時間20分の2幕もの、賑やかで楽しい作品だ。
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