【レポート】「錆色のアーマ」
もちろん、基本的にフィクションだが、日本史をある程度わかっていると「史実」との比較もまた面白い。戦国時代、宗教の力も強く、人々を支配、統率していた。この戦国時代には一向宗が流行っており、一人一人の信者が他の人々や信者に対して救済を行うことを認めていたそうである。ただ、救済とは言うものの、ただ祈ってあげるだけ、もちろん科学未発達の時代、多くの迷信や神・仏のご加護が本気で信じられていた時代なので、とりわけ戦国時代はあちこちで戦乱が起きたので、爆発的に普及していったのである。そして物語にも登場する本願寺は一向宗のトップであった(当時、浄土真宗=一向宗)。そういったことを押さえていると、「なるほど」と頷ける。またここに登場する顕如、史実でも信長の敵対勢力であった。本願寺は信長包囲網の一角を担い、顕如は自ら石山本願寺に篭城、雑賀衆などの友好を結ぶ土豪勢力を協力、地方の門徒組織を動員、有名な一向一揆を起こした。また、もともと雑賀衆(さいかしゅう)は、中世の日本に存在した鉄砲傭兵・地侍集団の一つで、信長は本願寺をおさえるためには、まず雑賀衆をおさえることが重要と考えていたし、鈴木孫一率いる雑賀衆は有名な存在であった。
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