咲くは江戸にもその素質

【レポート】舞台「咲くは江戸にもその素質」

舞台「咲くは江戸にもその素質」

 世界累計2,400万ダウンロードマンガ・ノベルサービス『comico』の人気作「咲くは江戸にもその素質」は、江戸時代、“腐”属性に目覚めた女の子を主人公に、時代を超えた“萌え”を描いたもの。今回、主人公のサクちゃん役は、AKB48のメンバーとして活躍中の小嶋菜月さん、サクちゃんの幼馴染のカメちゃん役、フミちゃん役は、それぞれNMB48の松村芽久未さん、元SUPER☆GiRLS荒井レイラさんが演じる。
 舞台上は江戸の庶民を彷彿とさせるセット、まずは時代の説明、そして江戸の人々が賑やかに登場、POPに踊って、踊って!の楽しい幕開き。この作品の主人公のサクちゃんは『南総里見八犬伝』に大熱中。しかし、ストーリーとか物語よりも……「男同士ってなんて萌え〜」な調子。そして、ひょんなことで衆道(※)の概念を知り……がだいたいの流れ。友人のカメちゃんはすっかりサクちゃんに影響されてしまう……。
 特別に何か起こる訳ではないが、この“萌え〜”がエスカレートしていく様を楽しく展開、この女子たちの“劇中妄想”、好きなキャラクターがリアルに登場し、妄想シーンを渾身の演技で表現、そのそばで目がハートマークになっているところをコミカルな演技で見せる。妄想が止まらなくて眠れないサクちゃん、次第に萌え始めるカメちゃん、困惑しながら2人を見つめるフミちゃんのバランスが絶妙、そこに米問屋大黒屋の娘・ツルノ、いわゆる“ツンデレ”キャラで奉公人のユキエだけが唯一の理解者であるが、次第にサクちゃん達と距離を縮めていく。
 賑やかなトーク、しかし、何と言っても「男同士萌え〜」なので会話に時々“バギューン”等の効果音が入ったりで抱腹絶倒。カメちゃんはいわゆる二次創作絵に目覚めていく。それ以外のキャラクター、3人の母親、同じ寺子屋の男子2名、セン、タツもなんだか微笑ましい感じ。気軽に観れて楽しく笑う、ところどころで挿入されるダンスも可愛らしい(ここに特別ライトが当たったりする)。なんていうこともない少女たちの日々、しかし、友情を育み、「萌え〜」でも少しづつ成長する。コミックを読んでから観ても、舞台を観てからコミックを読んでも、どっちからでもOK。もしかしたら、江戸の女の子、本当にこんな子がいたかもしれないという気にもさせてくれる。お江戸を舞台にしたちょっとゆるいコメディ、気軽に笑っての1幕もの1時間半であった。

咲くは江戸にもその素質

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