【レポート】ミュージカル『SONG WRITERS』本日開幕！囲み取材コメント＆ゲネプロの様子をお届け！

2024.11.06

2024年11月6日（水）日比谷シアタークリエにて、ミュージカル『SONG WRITERS』が開幕。

2013年秋に日本を代表する作詞家・森雪之丞と、人気と実力を誇る俳優であり、演出家としても評価の高い岸谷五朗の二人の手による、本格派オリジナル・ミュージカル『SONG WRITERS』がシアタークリエにて初演されました。
森雪之丞の軽快にしてハートフル、そして謎が謎を呼ぶ脚本・作詞、更には音楽プロデュース。岸谷五朗のスタイリッシュでスピーディな、そして抒情溢れる演出。そしてキャストたちの歌・ダンス・芝居とコメディセンスが相まって、観客を大いに沸かせたこの作品は2015年夏には早くも再演された大人気ミュージカルが、この度約10年の時を経て復活。

自信過剰な作詞家エディ・レイク役の屋良朝幸と、気弱な作曲家ピーター・フォックス役の中川晃教、お調子者の音楽ディレクターのニック・クロフォード役の武田真治、マフィアのボスのカルロ・ガンビーノ役を愛嬌たっぷりに演じるコング桑田ら、初演オリジナメンバーに加え、実咲凜音、相葉裕樹、青野紗穂、蒼木陣、東島京を新キャストに迎え、11月にシアタークリエにて、12月には大阪・愛知で上演されます。

初⽇公演前⽇には、ゲネプロと囲み取材を実施。囲み取材では、キャストの屋良朝幸、中川晃教、実咲凜音、武田真治、脚本・歌詞・音楽プロデュースの森雪之丞、演出の岸谷五朗が登壇。
本稿では、囲み取材での開幕コメントと併せてゲネプロの様子をお届けします。

左から：岸谷、実咲、中川、屋良、武田、森

開幕コメント

森：47年間ソングライターをやっていますが、ミュージカルに目覚めたのは今世紀に入ってからになります。いろんなお仕事をしているうちに、自分で物語を書いた方が歌があるお芝居の流れが作りやすいと考え、2013年にこの日本オリジナルミュージカルを作り、その後2015年に再演がされ、そして約10年が経ちめでたく再再演ということになりました。日本のオリジナルミュージカルを作っている皆さんに、こうして再演されることで勇気を与えることが出来ると思うので、クリエイター、製作陣、キャストの方々も、勇気を持ってこれからもオリジナル作品に挑んでいただきたいです。

岸谷：10年以上前の作品で、また初日を迎えられること、僕にとってはご褒美を頂いたような気持ちです。稽古を重ねて1ヶ月、あっという間でした。キャストたちがすごく面白くて、雪之丞さんが書いたキャラクターたちが役者の力で命を貰い、キュートに輝いているので、初日が楽しみで待ち遠しいです。

屋良：役者たちもこの初日をずっと待ちわびていたと思いますが、正直に言うと稽古場が楽しすぎて稽古終わってほしくないなと思っていました。10年前は自分も必死だったのですが、五朗さんが稽古場で試行錯誤しながら戦っているその時間が楽しくて、あと1ヶ月は楽しめたんじゃないかなと思うくらいのものが詰まっている作品になっています。皆さんの前でパフォーマンスをして、公演を重ねるごとにブラッシュアップしていくのも舞台の醍醐味なので、千穐楽までに僕たちがどう変わっていくかを観ていただきたいです。

中川：初演を思い返しながら、一瞬一瞬が愛おしい日々を過ごしています。舞台というのはこんなにも愛おしいものなんだということを再度教わっているような、そんな気持ちにさせてくれるのも、この作品に携わる皆さんの大きな愛からだと感じています。初演初日に誕生日を迎え30から31歳に、今回はゲネプロの今日11月5日が誕生日で、42歳になりました。この作品をきっかけに、自分の時代も振り返り、今という時代に感謝が出来る。これもまた、作品が教えてくれることなんだなと。そうした全ての思いを込めて愛おしい舞台になっています。

実咲：不安な部分やいっぱいいっぱいなところもありますが、楽しい方々ばかりなので初日を迎えるワクワクした気持ちの方が大きいです。1ヶ月間、ここから走り抜けることが楽しみです。お三方(屋良・中川・武田)がワイワイしていると、心の若さがみなぎっていて作品にパワーを与えてくださいますし、稽古では五朗さんが個性を引き出してくださって楽しかったです。頑張りたいという思いでいっぱいです。

武田：稽古場に通うのがこれほど楽しい作品ってあるのかなというくらい、楽しい時間であり、学びも多く充実した稽古期間を過ごすことができました。再演の際に、自分自身はもうやりきったと思っていたのですが、雪之丞先生の綿密に書かれた脚本にはまだまだ自分が深掘りするべきところが沢山ありました。歳を重ねて再集結したキャストで、もう一度膝を突き合わせて探り合い、圧倒的なリーダーシップで五朗さんに演出していただき、本当に素晴らしくてパワーアップした舞台を届けられると思っています。

ストーリー

1976年、アメリカ。自信過剰な作詞家のエディ・レイク（屋良朝幸）と、気弱な作曲家のピーター・フォックス（中川晃教）の幼馴染の二人は、いつか自分たちの作ったミュージカルがブロードウェイで上演され、成功することを夢見て、作詞作曲に励んでいる。そんなある日、音楽出版社のディレクター、ニック・クロフォード（武田真治）がやって来る。二人の曲をボスが気に入ったというのだ。ただし契約には、今書きかけのミュージカルを一年以内に完成させること、そしてそのミュージカルに相応しいディーバを見つけることが条件だと言う。
そこへまた来客が。エディが偶然知り合い、その歌声に惚れ込んでしまったというミュージカル女優の卵、マリー・ローレンス（実咲凜音）だ。謎めいたマリーだったが、ひとたび歌い出すと素晴らしい歌声を披露してみせる。彼女こそディーバだ！
一方、ここはエディが書き始めた物語の世界。マフィアのボス、カルロ・ガンビーノ（コング桑田）は、内通者の刑事、ジミー・グラハム（相葉裕樹）のおかげでニューヨーク市警の手から逃れ、手下のベンジャミン・デナーロ（蒼木陣）やアントニオ・バルボア（東島京）らと共に、裏社会のビジネスに広く手を染めている。クラブ歌手でカルロの情婦でもあるパティ・グレイ（青野紗穂）は、ジミーの元恋人。二年前に突然別れを切り出されたことが腑に落ちず、未だにジミーに心を寄せているのだった…。
エディの描く物語に、ピーターとマリーは手応えを感じていた。そこへ、ニックが朗報を持ってやって来る。二人のミュージカルに、有名プロデューサーからの投資話が持ち上がり、しかもマリーをこの作品でデビューさせたいというのだ。それを聞いた三人は大喜びする。
けれどエディは物語の執筆に支障をきたし始めていた。物語と現実が入り交り、ストーリーが勝手に悲劇へと進んでいく。エディは自身のミュージカルの世界の中に取り残される…