【オフィシャルレポート】『はみだしっ子~in their journey through life~』開幕!
やんちゃなサーニン役には千葉健玖。自由奔放で明るいキャラクターを千葉は生き生きと演じている。不運にも監禁されてしまい、過去に閉じ込められたトラウマと重なり自傷するサーニン。明るさの分闇も深く、その明暗を気迫の演技で見せつけている。
アイドル的な存在のマックス役には伊藤清之。3人に守られ無邪気さにほっこりしてしまう癒しの存在だ。いつも留守番で寂しがり屋ではあるがその愛らしさで関わる者の心を溶かしていた。兄たちが帰ってくる場所を作ろうと奔走する様を伊藤は熱演している。たくましくなろうと頑張るマックスを応援したい。
そして前作を踏襲したシンプルなステージセットに驚かされる。しかしそのシンプルさがかえって
個々が持つイメージを映し出し、物語が進むにつれて違和感が無くなることに気が付く。
舞台セットや映像にこだわる作品を否定はしないが、本作の持つノスタルジックさと個人の想いにとてもマッチし、済んだ空気を感じるところも本作の魅力のひとつだろう。
自由の地を求めるが大人の都合で振り回される4人。しかし確実に大人達の心にも種をまき、背中を押していた。待ち人からその手でつかむこと、自分達で生き始める彼ら。
未来に向かう彼らの旅を見届けたい。
(文:谷中理音)
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