ミュージカル『刀剣乱舞』 ~つはものどもがゆめのあと~

【レポート】ミュージカル『刀剣乱舞』 ~つはものどもがゆめのあと~

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~つはものどもがゆめのあと~

撮影:高橋 香

決め台詞やお約束的な行動や言動が随所に散りばめられており、ファンが大きく頷ける箇所はたっぷり。歴史とは史実とは……この時代に生きていた人は今はもちろん、いない。時代考証をきちんと行っている大河ドラマでさえ、実際のところは本当にそうだったのかはわからない。あくまでも“推測”にしか過ぎないのだが、だからこそ歴史は面白い。壮大は【if】、もしも?、歴史ものは全て【if】なのである。だから、ここに描かれているのも【if】、そこにロマンがあり、人間模様がある。時代は過ぎ、江戸時代、松尾芭蕉は平泉の地に立ち、有名な俳句を詠んだ。義経の居城であった高館(たかだち)に登った芭蕉は、簡潔かつ雄大に、平泉の歴史と地勢を描写。芭蕉がこの地に立ったタイミングは地球全体が寒冷化した「小氷期」と呼ばれる時代だった。むせ返るような草いきれというよりは、ひっそりとして寂しい夏の風景だったのかもしれない。また途中で映像で「平家物語」の冒頭の言葉も出てくる。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず 唯春の夜の夢のごとし たけき者も遂には滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ」脳内で芭蕉の俳句とこの「平家物語」の言葉がシンクロ、そんな歴史に思いを馳せる。前半の伏線も効果的、それが全てラストシーンに連なっていく。過去があるから今がある、当たり前のことであるが、改めて知ることの出来るミュージカルであった。
休憩をはさんで2部はもちろんライブ!観劇に行く予定があるなら応援グッズは忘れずに!

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~つはものどもがゆめのあと~

撮影:高橋 香

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