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舞台『JOURNEY-浪花忍法帖-』

【3.0レポート】舞台『JOURNEY-浪花忍法帖-』

舞台『JOURNEY-浪花忍法帖-』

禄郎(尾形大悟)は、大きな体躯と小さな体躯の恵比三とのコントラストがとても面白いし、掛け合いもラップのやりとりみたいだ。しかし、殺陣となれば大きな体躯を使った抜群の存在感。寿(藤戸佑飛)は、女性の忍者として様々な策を講じるのだが、大角のツッコミどころとして観ても楽しい。コメディエンヌ(?)のような彼が愛おしくなること請合いだ。あ、あの人になんとなく似てるかもと思っていた観客に、さっそく突っ込まれて笑いが絶えない。
大角(吉本考人)は、どこかおバカなのだが、怪力と炎の術を巧みに操り大刀を振り回す様は圧巻だった。上半身が破けて肌が見えるせいか、そこに滴る汗とスポットライトに当たるキラキラした筋肉に目がついついってしまうほどの迫力を持っていた。
毘沙丸(三好大貴)は、舞台でとてつもなくクールに装っていて、熱くなる舞台を引き締める。特に素晴らしいのが抜刀や立ち回りで、まるで舞踏のように刀を操っていく。シンプルな照明もあって、とてつもなく美しい。まるでスケートをするように滑らかな剣さばきが見ものだ。
これは唯我独尊、家族を失ったと思っている、恵比三の成長の物語でもある。様々な枷を解き放ったとき、新たな恵比三に巡り会える。彼らはわずか8人でめくるめく壮大な戦国ストーリーを奏でるのも魅力だ。シンプルな装置に、ディープな家族との絆や兄弟愛、戦争と平和というテーマを、役者の肉体だけに負担を強いるのは相当な覚悟がいったはず。だが、劇団Patchの面々はその覚悟を受け取り、演技に、台詞に、ギャグに、躍動していた。

舞台『JOURNEY-浪花忍法帖-』

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