石丸幹二

【インタビュー】ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』主演・石丸幹二さん特別インタビュー

石丸幹二

「男達の正義があったり、団結があったりする。微笑ましいですね。お互いに鼓舞しあって人助けをするっていうのは爽快感もあります」

--パーシーというキャラクター像ですね、洒落者な感じもしますね。

石丸:そもそも彼は超がつく程の金持ちの貴族ですし、身についているマナーも頭脳も超一流なのに女性の心理に対してはちょっと疎かったりする!

--落差がありますね。

石丸:そう!人気女優のマルグリットの心をあっという間につかまえて妻にしてしまうんですけど、じっさいは、女心をわかっていない鈍さがある。そんな、男として欠けている部分に愛着があるっていうか、完全なヒーローじゃないところがね……いいところですよね。

--スカーレット・ピンパーネル団を引き連れているところは、なんだか楽しそうだなっていう感じですね。

石丸:そうですね。イギリスには、大人の男たちだけの社交クラブがあるんですね。そこでは、妻や恋人たちを完全に排している。スカーレット・ピンパーネル団は、もともとはそんな社交クラブのひとつだった。いつまでも子供みたいに遊んだりしてね。日本の社会で、おじさん達が夜な夜な飲んで騒いでいるのとあんまり変わらないような……。

--新橋あたりですか(笑)。

石丸:(笑)、そんな社交の中には男達の正義があったり、団結があったりする。お互いに鼓舞しあって人助けをするっていうのも爽快感がありますしね。

--他にもいろんなキャラクターが出てきて、特にショーヴランとマルグリットは作品の中でも重要なキャラクター。ショーヴランは「レ・ミゼラブル」のジャベールに近いキャラクターですが、でも失敗ばかりしていて彼の存在は面白い。

石丸:可哀想なキャラクターに作られていますけど(笑)、でも彼は大真面目に任務を務めている、悪者として描かれてはいますが。彼が真面目であればある程、可笑しくなっていくっていうところがね。石井一孝さんの熱い演技が素晴らしかった。

--あとはマルグリット、パーシーの奥様。

石丸:マルグリットを演じていらっしゃる安蘭けいさんは……ご存知のように宝塚で男役をなさっていましたが……女性の弱さ、儚さ、脆さみたいなものを十分持っているんですが、それに加えて、女性の強さの見せ方が上手いんですよ。潔さとかね。姉御って感じですね!

--確かに(笑)

石丸:この、私たちのバージョンのラストでは、フェンシングのシーンがあるんですが……彼女は剣を2本操って見事にさばいていく……ここは見どころですね。

--安蘭けいさんさんの殺陣は面白かったです!

石丸:ご本人がおっしゃっていましたが、殺陣が凄く好きなんだそうです。この再演でも渥美さんが殺陣をご指導くださいます。前回と同じなのか、あるいは新たな振りがつくのか楽しみです。

--そこは観てのお楽しみですね。

石丸:そうですね。

--初演観た時に剣のところ、脳内で宝塚版が……ちょっとシンクロしました(笑)。

石丸:確かに(笑)。

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