【3.0レポート】「ローマの休日」
今回の舞台は登場人物は3人、新聞記者のジョー・ブラッドレー(吉田栄作)、アン王女(朝海ひかる)、カメラマンでジョーの友人のアーヴィング・ラドヴィッチ(小倉久寛)である。
出だし、映画のようなクレジットが上がり、それから始まるスタイル、ジョー役の吉田栄作が客席から登場する。タクシーで帰ってきたようで運転手と何やら会話、そして自分の住むアパートに帰るところから物語が動き出す。映画で描かれている王女の宿泊先での様子やこっそり抜け出すところはカットされている。風変わりな若い女性に遭遇したジョー、半分寝ぼけている彼女を仕方なく連れ帰る。ここのアン王女の仕草はあの映画で見た仕草、なんとも可愛く、笑える場面だ。ベッドを取られてしまったジョーはソファに寝ることとなるが、夢でうなさせる。この夢が、そう、この時代に吹き荒れた赤狩りを彷彿とさせるもの、脚本家だったジョーはハリウッドを追われ、新聞記者としての職を得て今はローマの特派員という設定だ。映画では、そういったことは描かれていないので、ここはオリジナルな設定だ。
ストーリーはあの映画通りに進んでいくが、ところどころオリジナルな場面もあり、また割愛されている場面もあるが、それは作品愛に満ちている。美容院で髪をカットしてもらう、ジェラートを自分で買うところは割愛され、ここはアン王女の台詞だけになっているが、映画ファンなら脳内にあのシーンが甦るところだ。舞台ではアン王女がジョーに礼を述べる為にアパートに戻り、そこでアン王女はジョーから提案される、今日1日だけの“自由”を……。
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