【3.0レポート】市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017『石川五右衛門 外伝』
第4回目となる今回は、2009年に新橋演舞場で上演された後、御園座、新橋演舞場、博多座と上演を重ねている『石川五右衛門』が選ばれた。上演の度に進化してきた人気演目だが、今回は『石川五右衛門 外伝』と名付けられ、これまでのものとは少し違った展開になっている。作は人気漫画『金田一少年の事件簿』『神の雫』などの原作者・樹林伸。2016年11月に博多座で上演された『石川五右衛門』をスケールアップして上演する。出演は市川海老蔵に加え、市川右團次、中村壱太郎。さらに中山優馬、前野朋哉、山田純大が参加する。時は豊臣秀吉が天下統一を果たしてまもない頃。駿河湾沖で財宝を積んだポルトガルの船が、何者かに襲撃されるところから物語が始まる。果たしてこの襲撃は何を意味するのだろうか…。登場人物の様々な思惑が入り乱れ、展開していく。
石川五右衛門を演じるのは市川海老蔵。強きをくじき、弱きを助ける盗賊を、海老蔵ならではの持ち味を活かしつつ、大胆に演じている。この外伝では、五右衛門の表向きの稼業は、一座を率いる座頭・白浪夜左衛門ということになっている。劇中でも座頭を務める海老蔵だが、自身の自主公演「ABKAI」も出演だけでなく、全てのことに目を光らせ、「形式的に段取りで動くのではなく、動きの意味、なぜそういう気持ちになるのかを考えて」と稽古場で檄を飛ばしていた。もっともっと面白いものを創ろうと、日々熱い稽古を牽引している。本公演が楽しみである。
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