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ベアトリーチェ・チェンチの肖像

【3.0レポート】Theater LOV第2回公演 「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」

ベアトリーチェ・チェンチの肖像

暴力を振るう父親、かなり病的なニュアンスを含む人物、自己のコントロールが出来ない、そこに対する苛立ちも感じる。2番目の妻は、血のつながりがない娘に対しての嫉妬……そしてベアトリーチェ、意志が強く、しっかりと前を見据える。この3人、今風で言えば“キャラクターが立っている”、このコントラストがストーリーを際立たせる。
動きひとつひとつに意味があり、それらがクライマックスに向かっていく。この作品が語りかけていることはひとつやふたつではなく、実に多くのことを観客に投げかける。肖像画、簡単に言ってしまえば「特定の人物に似せて顔や姿形を描いた絵」であるが、果たしてそれだけなのだろうか?絵描きの“フィルター”、つまり、絵描きの“感性”がそこに加味されているので、単純に似せて描いた、と言い切るのはあまりにも単純すぎる。絵描きはその対象となる人物に対して何を想うのか、である。絵描きにとってベアトリーチェ・チェンチはどういう人物だったのか。写実的に描いていても描き手の感性は浮き出る。

ベアトリーチェ・チェンチの肖像

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