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【レポート】舞台『曇天に笑う』(その2)

原作から飛び出し、アニメとは異なる演劇独特の臨場感、生きること、正義、絆、友情等、普遍的なテーマを描いているが、これを生身の人間が表現することの意味、意義、舞台『曇天に笑う』はそういった奥行きがある作品だ。アニメ版の構成・脚本を手掛けた高橋悠也(QueenB)が舞台版でも脚本を、演出は劇団鹿殺しの座長・演出を務める菜月チョビ、その大胆な手腕は、これからも様々なシーンで活躍することであろう。

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは玉城裕規 、植田圭輔、百瀬 朔、細貝 圭、松田 凌、演出の菜月チョビ。植田は「衣装合わせのときからウエストが7cmくらい詰まってしまうくらいには身体が仕上がってきているので、本番でも全力で身体を使って演じていきたい」とコメント。稽古の成果か殺陣やアクションにキレがあった。細貝は「体力的にも追い込まれている中、無事に誰1人ケガすることなく初日を迎えられることをうれしく思います」と語ったが、息もつかせぬアクションは必見。初参加の植田は「初演の雰囲気も踏襲しつつ、今回ならではの空気感も大切にしていきたい」と語ったが、”初参加組”の頑張りはなかなかのものであった。松田は「今まで原作ものを演じる際にはキャラの再現度を重視してきたのですが、今回は再現というよりも、どういった魂の吹き込み方をするかを考えて演じてきました。原作をどう飛び越えたかに注目して観てほしいです」と述べたが、原作の持つエッセンスを残しつつ、舞台ならではの『曇天に笑う』、初演よりもさらに輪郭を際立たせた仕上がりは初演観劇のファンも納得するであろう。玉城は「マンガともアニメとも異なる、新しい『曇天に笑う』になっているはずです。千秋楽まで精一杯“笑って”、舞台上で生き抜きたい」と”長男”らしく会見を締めくくった。

 

 

 

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[出演]
玉城裕規 (曇 天火[曇天三兄弟の長男])、植田圭輔( 曇 空丸[二男])、百瀬 朔 (曇 宙太郎[三男])、細貝 圭 (安倍蒼世[犲隊長])、 入来茉里 (佐々木妃子(犲隊員)) 、福井博章( 鷹峯誠一郎[犲副隊長])、 横山一敏(犬飼善蔵[犲隊員])、 蒼山真人( 武田楽鳥[犲隊員])、今奈良孝行( 赤松一郎太[山賊])、秋元龍太朗 (青木弥二郎[山賊])、兒玉宣勝( 織田千代長[獄門処看守長])、仁藤萌乃( 錦[町娘])、橘輝(大吾[町人])、小澤亮太( 風魔小太郎[獄門処の住人])、松田 凌( 金城白子[風魔一族の生き残り])、 藤木 孝( 岩倉具視[犲の創設者])

[公演データ]
原作: 唐々煙(マッグガーデン刊)
脚本: 高橋悠也
演出: 菜月チョビ
2016年9月21日DVD発売予定。

■東京公演
2016年5月27日~6月5日
天王洲 銀河劇場
■大阪公演
2016年6月10日~6月11日
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
http://www.vap.co.jp/dontenniwarau/theater/

©唐々煙/マッグガーデン

取材・文/高浩美

■過去リリース情報
https://stagenews25.jp/?p=1292
https://stagenews25.jp/?p=2911
https://stagenews25.jp/?p=2299
https://stagenews25.jp/?p=2217
https://stagenews25.jp/?p=2569
https://stagenews25.jp/?p=2883

2.5news(編集部)

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