2000年11月の初演『MILLENNIUM SHOCK』で、帝国劇場史上最年少座長として堂本光一が当時21歳で帝劇初出演・初主演を務めて以来、毎年上演、国内ミュージカル単独主演記録を更新し続ける『SHOCK』シリーズ。
『SHOCK』は、“Show must go on”という言葉の意味を問い続けながら、エンタテイナーのコウイチとそのカンパニーが運命を駆け抜ける姿を描く、オリジナルミュージカル作品。
2024年公演は、4・5月の帝国劇場(本編・エターナル編同時上演)公演を皮切りに、7月・8月は梅田芸術劇場(本編のみ)、9月博多座(本編のみ)を走り抜け、現・帝国劇場の2025年2月の建て替えのための休館に伴う、クロージング ラインナップの一環として11月に現・帝国劇場最後の公演(本編のみ)を行い、11月29日(金)をもって25年目 全2028回を上演した歴史に幕を下ろした。
大千穐楽公演は、全国100館の映画館でライブビューイングを実施。帝国劇場に近いTOHOシネマズ日比谷をはじめ全国の劇場で、演劇ライブビューイングとしては過去最大級の申し込みとなった。
大千穐楽カーテンコールには、2024年公演キャストが集結。※中山優馬はスケジュールの都合で欠席。
続けて大千穐楽でもくす玉が登場し、最後となる今回は紅白の紙吹雪と共に『光ちゃん お疲れ様でした!』と書かれた垂れ幕が。盛大な拍手の中、ファイナルイヤーの公演数と同じ142本の薔薇の花束が堂本に贈られた。
10年ぶりに4人揃って出演した、ふぉ~ゆ~。越岡裕貴は「19歳からこの作品に関わらせていただいて、いろんな役をやらせていただきました。心残りは、リカ役だけできなかったなと(笑)。『SHOCK』がなければ、ふぉ~ゆ~自体がなかったので、僕たちにとっては本当に大切な作品でもあります。寂しくならないかなと思っていたのですが、やっぱり寂しいですし、明日も帝国劇場に来てしまいそうな感覚です。ですが、勝利も言ったように心の中に『Endless SHOCK』が残るので、これからも頑張っていきたいです」と、福田悠太は「オープニングから思い出だらけで。光一くんが『千穐楽だろうが初日だろうが特別な日だろうが関係なく、いつも通り』ってよく言うんですけど、今日は無理でした。劇中のコウイチの台詞ひとつひとつが『SHOCK』の歴史と重なるように感じました。本当にたくさんの素晴らしい背中を見させていただいて、ありがとうございます」と、辰巳雄大は「この舞台で初めてこの4人になれて、自分たちの下の名前が“ゆう”から始まるということを発見したのをきっかけに、直談判をして“ふぉ~ゆ~”という名前をいただきました。たくさんの思い出があって、今日も最後の『CONTINUE』という歌で、本当に走馬灯のようにいろんなことを思い出しました。僕自身、5年ぶりに『SHOCK』に帰ってきて、博多と東京でポジションが変わり、歴史を巡っているような役回りをやらせていただきました。5年ぶりだからこれまで培ってきたものを全部出すぞと気合を入れてきたんですが、帰ってきてみたらいつも通り、ふぉ~ゆ~と光一くん。それは特別な時間だったなと。光一くんの背中を特等席で見ることができて、本当にいつも幸せでした。光一くん、本当にありがとうございました」と、それぞれ『SHOCK』での日々を振り返り、最後に松崎祐介が「まずは、お疲れさまでした。開演前の気合入れから始まり、実はそこから涙をこらえてました。全ての終わりは全ての始まりでしかないので、この後、もう僕は始まります」と述べると会場から笑いが起こり、メンバーからは「もうちょっと早く始まっててほしかった(笑)」とツッコミを入れられた。
オーナー役を務めた島田歌穂は「素晴らしい記録を成し遂げたこの作品に3年間携わらせていただけたこと、人生の宝だと思っています。まさに命を削りながら、その背中を見せてくださった光一さんの姿、忘れません。光一さん、そして素晴らしいチームの皆さんと過ごさせていただいた時間、生涯心の中の大きな力にさせていただきます」と、前田美波里は「この作品に出演させていただいて、かれこれ11年が経ってしまいました。気が付けば本当にたくさんの思い出があり、ラストショーの日舞を終えた後、涙が止まらなくなってしましました。光一さんと、皆さんと、この素晴らしくて感動していただける作品に11年という長い日々を過ごさせていただけたこと、人生の役者としての宝物です」と語った。
大千穐楽カーテンコール後には囲み取材が実施され、堂本が登壇。
改めて、大千穐楽を終えての想いをきかれた堂本は「やりきったと言うより、背負ったものを下ろせたと思ったんです。そう思ったけど、有難いことに僕が作るエンターテインメントをみんなが欲してくださっているような空気になってくれていて。なので、余計に重たいものがのりかかったような気もします。『SHOCK』は幕を降ろしますが、僕が舞台に立つことを辞めるわけじゃないのでいつも通り活動していきます」と述べ、新しい舞台の構想について質問されると「新しい『SHOCK』のようなものは、正直構想というところには至っていません。『SHOCK』を観てミュージカルに興味を持ったという方もいらっしゃるでしょうし、それはすごく嬉しいです。自分のエンターテインメントを通じて、お客様があれだけ幸せな顔をしてくれているのは、舞台以外ではないのかなと思えるくらい素敵な空間。それを今後も作っていけたらなと思っています」と明かし、続けて「(『SHOCK』の後継者について)自分の夢ではあります。自分が積み上げて作ってきたものを表から観てみたいです」と述べた。
また、『SHOCK』については「帝劇が改装に入らなかったら、来年もやっていたと思います。数年前に改装についての話を聞いた時、自分の中で2024年がラストになるなという思いに至りました。自分としては突然というわけじゃなく、いろんなものを積み上げての今なので、本当にやり遂げたという気持ちが大きいです。専用劇場があったら、1日2回公演じゃなければ毎日でもできます」と明かした。
普段の生活の中でも思い出すような、『SHOCK』の台詞で好きなものをきかれると、堂本は「本編ではなく、エターナルにある台詞で、“想い続ければ、いつでもそこにいる”。本編の方にも、実はその想いっていうのは大切だよねというのを、台詞では表してないけどずっと宿っている。それは、いろんな形に当てはめることが出来ると思うんです。居なくなってしまった人のことを想うこともあるでしょうし、舞台もすごく儚いもので、生で観たら自分で記憶しておかないといけない。想いというものは、とても人を強くさせる瞬間だと思っています。“Show must go on”など、ショービジネスの世界での大事な台詞もありますが、そこよりも想い続ければきっとそばに居るんじゃないかなというものを、常に大事にしてきたポイントでもあります」と話した。
そして、25年間で記憶に残っていることは「ありすぎちゃって。全てを経験させていただいたなと思っています。これから先、もっと刺激的なことや沢山のことが、人生の中で起こるのだろうか?と考えると、多分ないと思います。あってはならない事故もありました。天災やコロナ禍というものもあり、いろんなことが『SHOCK』をやっている期間中に起きて、その都度、エンターテインメントを届けるためにはどうしたらいいんだろうということを考え、やってきました。そこで自分が学んだことは、絶対今後に活きてくるものなので。そういった意味では、自分の体調などで一度もストップさせなかったこと。いろんな想いがあるのに、そうしたことで幕が開けられないというのは自分の中ではありえないので、今の時代だったら絶対止められるようなこと、いろんなしんどいことが沢山ありましたけど、それを強行突破でもやれたことが自分は幸せでした」と振り返った。
最後に、堂本は『SHOCK』という作品への想いを「今後にも期待を込めて、“永遠”であってほしいです。自分も永遠にする努力をしないといけないですが、この想いは永遠に持ち続けながら生きることになると思います」と述べ、会見を終えた。
『Endless SHOCK』
2024年4月11日(木)~5月31日(金)東京都 帝国劇場
<出演者>
堂本光一 / 佐藤勝利 / 越岡裕貴 / 松崎祐介 / 高田翔 / 寺西拓人 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 石川直 / 中村麗乃 / 前田美波里 / 島田歌穂
※『Endless SHOCK -Eternal-』同時上演
※前田美波里と島田歌穂はダブルキャスト
2024年7~8月 大阪府 梅田芸術劇場メインホール
<出演者>
堂本光一 / 中山優馬 / 林翔太 / 室龍太 / 高田翔 / 原嘉孝 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 綺咲愛里 / 島田歌穂
2024年9月 福岡県 博多座
<出演者>
堂本光一 / 佐藤勝利 / 福田悠太 / 辰巳雄大 / 室龍太 / 高田翔 / 松尾龍 / 尾崎龍星 / 綺咲愛里 / 前田美波里
2024年11月 東京都 帝国劇場
<出演者>
堂本光一 / 上田竜也 / 福田悠太 / 辰巳雄大 / 越岡裕貴 / 松崎祐介 / 松尾龍 / 松浦銀志 / 石川直 / 綺咲愛里 / 中村麗乃 / 前田美波里
※綺咲愛里と中村麗乃はダブルキャスト
※出演を予定しておりました尾崎龍星は、体調不良のため、全公演を休演させていただきます。代わりまして松浦銀志が務めさせていただきます。
2000年11月の初演『MIL…