BLACK JACK

【インタビュー】歌劇『BLACK JACK』作曲家・宮川彬良さん、演出家・長谷川寧さん特別インタビューも収録!

BLACK JACK

第1章『87歳の挑戦』

歌劇『BLACK JACK』

舞台には本当にセットらしいものはない。後方にスクリーン、舞台の天井近く、左右に“吹き出し”、舞台の端にピアノがある。衣装がかかっているラック、しかも前回とは全く異なる衣装でモノトーン、これだけ見ても前公演とな全く異なることがわかる。

第1章『87歳の挑戦』プロローグ、黒の衣装に身を包んだコロス、『おはようは午後7時』の曲、その後、目覚まし時計の音が響き渡る。それから意表を突く場面、物語が動き出す。舞台上のテーブルにあるミニチュアの家がスクリーンに投影される。この物語の主人公・ベティの家だ。ベティはかつては大スターであったが、家政婦と共に余生を楽しんでいた。そこへ代理店の3人組がやってきてTVの企画を持ちかける……。

スクリーンに投影するものはストーリーの進行に合わせて刻々と変わっていく。プロジェクション・マッピングに代表される最新技術は一切使わず、シルエット等で表現する。代理店の3人組、独特のコリオで軽薄で計算高い印象、ヒロインの衣装、モノトーンで洒落た感じが“往年のスター”をシンプルにイメージさせる。代理店の3人がきたことでヒロインの心にさざ波が起こる。『ベティの長大な独白』のナンバー、切なさと哀しみが観客の心に響く。そして『時に挑めば』、ずばり、若かりし時の風貌に戻りたいと願うベティ、こうと決めてからはたたみかけるような展開、ピアノの調べはヒロインの心を“投影”する。そしてブラックジャックの手術を受け、若返ったヒロイン、その結末はあっけない、それをシルエットとスクリーンに写った“小道具”で表現するのだが、これがいっそうの無情感を誘い、涙する。

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第1章『87歳の挑戦』

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