【3.0レポート】『マンマ・ミーア!』
この作品の魅力は、なんと言ってもABBAの楽曲、よく知っているナンバーが次から次へと繰り出される。しかも単なる”ABBAのヒットソングメドレーのショー”ではなく、全くのオリジナルストーリー、シングルマザーのドナが主人公、ギリシャの小さな島を舞台に娘の結婚騒動を軸に母娘の愛情物語を描いている。どのキャラクターも際立っており、コミカルなやり取りやすれ違いや勘違い、物語はスピード感を持って展開し、伏線も効果的で最後は大大ハッピーエンド。またダンスの振付は新しい動きやフォーメーションがある反面、ABBAが世界を席巻した時代のコリオがところどころに散りばめられており、ここら辺のさじ加減は心憎い。ドナが若かりし頃に結成していたグループもまさに70年代、ステージ衣裳はキラキラスパンコールに厚底ブーツ、もう”イケイケ”だ。ABBAとは全く無関係な物語でも、ちょっとしたところにABBAを彷彿とさせる演出、ABBAへのリスペクトが感じられる。そしてカーテンコールの後はドナたち3人熟女と若かりし頃にドナと関係を持ったおじさま3人がイケイケ衣裳に”お着替え”して歌って踊れば客席総立ち、サイリウムを振る等は、もはや”お約束”な光景、単純明快で楽しいミュージカルなのである。
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