【レポート】舞台「警視庁抜刀課vol.1」
舞台中央に刀が刺さっている。そこに光が当たり、輝きを放つ。“もう1人の主人公”だ。男が1人ひざまずく。切通 弥(中村優一)、子供の声の慟哭、「ひとりぼっちにしないで!」、そしてゆっくりと立ちがる。そして、とある旧家、刀を持って取り憑かれるシーン、原作の冒頭にも描かれているところ、そして本格的な殺陣、他の作品では刀を合わせるところは効果音になるが、この作品は効果音ではなく、リアルに刀を交えた時の音!俳優陣が身体を張って本格的な殺陣に挑んでいるのが、よくわかる。当然、動きもリアリティ抜群で、刀を持っているからこその気迫が感じられる。稽古期間中に本物の刀を握り、実際に畳を試し斬りしたというから、その重みや迫力も感じられる殺陣だ。
時代劇の台詞によくある言葉「刀は武士の魂である」と。また、日本刀は「魂が宿る刀」と言う人もいる。魂が宿るというのは、それは心が入っている、ということを意味し、それだけ丁寧な使い方をしなければいけない、ということになる。また、本来、武士は無用な殺生はしないと言うが、つまり滅多に刀は抜かないのである。また鍛治師は日本刀に心がなくならないようにと念じて打ち、その心がなくならないように武士は日々、心を研ぎすまして精進をするのである。この物語の設定も日本刀が重要なポジションを担っている。刀の神秘、刀の魔力、この「抜刀課」は憑き刀を回収することが任務となっている。
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