ビッグタイトルと言えば、夏の目玉、『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』ではないだろうか。埼玉スーパーアリーナーから始まり、大阪でも開催、プロジェクション・マッピングや大掛かりな仕掛けを用いて、壮大な物語をショーアップさせて観客に提示、ファンはもちろん、子供から大人まで楽しめるエンターテインメント性の高い作品であった。また、70年代の少女コミックの金字塔である「王家の紋章」、帝国劇場での上演、こちらはプロジェクション・マッピングのような最新技術は使用していないが、“正攻法”での表現、ミュージカル仕立てで歌はもちろん、アンサンブルの動きや照明等できっちりと見せていたのが印象的であった。そして年末には、劇団四季がミュージカル「ノートルダムの鐘」を上演、早くもリターン公演が決まっているが、こちらもハイテクに頼らずに物語の力と歌、俳優陣の動きと演技で大きな感動を呼んだ。ラストは、ほぼ原作通りであるが、愛の昇華を感じる崇高な作品、アニメは1996年に発表されており、ディズニーアニメ作品としても異色のものとして話題であったが、このアニメの設定やシーンをところどころ踏襲しつつ、原作に寄り添い、しかも舞台版だけのオリジナルな設定もあり、こういった要素を上手くミックスした物語の構築が見事なくらいに完璧、後世まで上演され続けるであろう予感のする作品であった。