舞台『千と千尋の神隠し』は、10 歳の少女千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救う為に懸命に働き、生きる力を呼び醒ます姿を描いた宮﨑駿による大ヒットアニメーション映画をもとに、2022 年に東宝創立 90 周年記念公演として初の舞台化がなされた作品。
2023 年名古屋御園座での再演を経て、2024年は3月東京・帝国劇場からスタートし、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru での上演が決定している全国ツアー公演と並行して、4月から8月にかけて、ロンドン・ウェストエンドのロンドン・コロシアムでの初の海外公演も行われます。
そんな本作の製作発表が2月29日(木)に都内にて実施されました。
製作発表会には、千尋役の橋本環奈さん、上白石萌音さん、川栄李奈さん、福地桃子さん、ハク役の醍醐虎汰朗さん、三浦宏規さん、増子敦貴さん、カオナシ役の小尻健太さん、中川 賢さん、山野 光さん、リン/千尋の母役の妃海 風さん、華 優希さん、実咲凜音さん、釜爺役の田口トモロヲさん、宮崎吐夢さん、湯婆婆/銭婆役の夏木マリさん、羽野晶紀さん、春風ひとみさんのほか、翻案・演出:ジョン・ケアードさん、共同翻案:今井麻緒子さん、東宝株式会社 松岡宏泰代表取締役社長、PWプロダクションズ 最高経営責任者:イアン・ギリーさんが登壇。
※カオナシ役:森山開次さん、釜爺役:橋本さとしさん、湯婆婆/銭婆役:朴 璐美さんは都合により欠席。
初めに、松岡宏泰代表取締役社長が「映画『千と千尋の神隠し』は、奇跡のような作品だと思っています。そのような作品を舞台で再現するのは壮大なチャレンジであり、無謀かと思われてしまうようなものでした。素晴らしいキャスト・スタッフみんなが一致団結し、この舞台版を生み出すことができました。当時は新型コロナで大変厳しい状況を乗り越えて初日を迎えられたことを考えると、舞台版も奇跡のような作品ではないかと思っています」と初演を振り返り、続けて初の海外公演について「ピーター・ウィルソンさん、イアン・ギリーさんが初演の時に日本で鑑賞してくださり、ロンドンでやろうと声をかけてくれました。私どもの企業スローガンは“Entertainment for YOU 世界中のお客様に 感動を”。舞台『千と千尋の神隠し』は、我々の姿勢を体現する、東宝グループにとって最も重要なプロジェクトの1つです。これから千尋がどんな風に成長するのか、皆さんで見届けていただきたいです」と語りました。
ロンドンでの公演について、ジョン・ケアードさんは「大抵の場合、海外の作品を日本に持ってくる形でしたが、今回はそれが逆になり日本から世界へ出せることを嬉しく思います。日本の演劇界との繋がり、そして宮﨑 駿さんをはじめとするジブリの方々とも関われることを誇りに思っています。才能豊かな表現者である皆さんと一緒に仕事をする機会を与えてくださり、ありがとうございます」と、今井さんは「2年前は1番大変な時期で、いま振り返っても次から次へと困難がありましたが、みんなで乗り越えて日本ツアーをやれました。今回はコロナ禍も終わり、新しいキャストも加わって、私の第二の故郷であるイギリスでの公演をやれることは感慨深く、また困難はあると思いますが、みんなで協力して乗り越えられると思います。そう思わせてくれる宮崎さんの作品なので、すごく楽しみにしています」と話し、イアン・ギリーさんはロンドン公演について「皆さんに報告できるのを大変光栄に思います。札幌で作品を拝見して、これは絶対にロンドンに持ってこないといけないと思いました。ロンドンのウェストエンドで1番大きい劇場ロンドン・コロシアムを抑え、今まで記録にないほどのセールスになっています。皆さん大変楽しみにされています」と期待。
初演でも千尋役を演じたのは、橋本環奈さんと上白石萌音さん。橋本さんは「初演の時から、私にとってかけがえのない作品になりました。大変なこともありましたが、一言では語りきれないほどの経験をさせていただいて、いろんな感情が動いて、役者人生の中でこれだけ充実した時間を過ごせることは本当に幸せなことだと、日々思いながらやらせていただきました。こうして今回も日本公演、ロンドン公演と千尋を演じさせていただけることを本当に嬉しく思います。初演から萌音ちゃんと千尋役をやらせていただいて、今回素敵な李奈ちゃんと桃子ちゃんのパワフルで新鮮ながらも、学ぶことがたくさんある千尋を稽古場で見させていただいて、私もまた新たに進化した千尋を見せられるんじゃないかなと。びっくりするぐらいジョンの演出が毎日変わるので、前回はこう言われたけどなっていうのは全く通用しない、進化し続けている瞬間に立ち会えてることも幸せです。パワーアップした『千と千尋の神隠し』を見せられるんじゃないかなと。期待を裏切らない作品になっているので、日本の皆さん、ロンドンの皆さん、世界の皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです」と、続けて上白石さんは「今年も本当に大好きな作品に携われることをとても幸せに思っています。どの会場でも、素晴らしいストーリーを信じて、それを伝えることに徹して、大切に千尋を演じたいです。今日ここにいる4人に加えて、アンダースタディーを務める森 莉那ちゃんと5人で千尋を作っています。キャストも2倍に増えて、楽しいスウィングさんも加わって、より『千と千尋の神隠し』の世界が豊かに、自由になっているのを日々肌で感じています。私も毎日新鮮な気持ちで柔らかく、そして誠実に千尋として生きたいと思います」と、初演から演じられることの喜びを語りました。
そして、新たに千尋役を演じるのは、川栄李奈さんと福地桃子さん。川栄さんは「初演の時に萌音ちゃんが演じる千尋を観させていただきました。幕が開いた瞬間、本物の千尋がいると感じ、すごく鳥肌が立ったのを今でも覚えています。その作品に自分が参加できるとは全く思っていなかったので、今こうしてここに立てていることを本当に嬉しく思います。新しいキャストたちを温かく、優しく迎えてくださるカンパニーの皆さんに感謝をしながら、開幕までもう少し稽古を頑張って、一生懸命千尋を務めたいです」と、福地さんは「絶賛稽古中ではありますが、千尋として自分が参加していることが不思議でたまらない気持ちです。生で、1番良い席で千尋を客観的に見て、たくさん学ばさせていただいて、稽古でいろんなところから自分の体が感動する体験をさせていただけていることが、とても楽しくて仕方がないです。舞台として『千と千尋の神隠し』をお届けできることを楽しみにしています」と、それぞれ意気込みを語りました。
続いて、ハク役を務める醍醐さんは「こうしてまたハク役を務められること、そして千尋の皆さんの小さくて大きい背中を間近で見れることを、光栄に思います。今回も胸を張って精一杯務めていきたいと思います、よろしくお願いします」と、三浦さんは「前回の名古屋公演で、卒業宣言みたいなものをさせてもらったのですが…いろんな奇跡が噛み合いまして、再び出演できることになりました。初演から携わっている素敵なメンバー、そして新しく入られるキャストの方々、どんどん人数が増えて、すごいカンパニーだと思っています。自分もその一員にいられることをすごく幸せに思います。そして、舞台を始めた頃からの1つの夢であった、日本のオリジナルの作品を海外に持っていくこと。それをこの素晴らしい作品で実現できたことに喜びを感じています。精一杯頑張ります」と、再び演じられることへの思いを明かしました。新キャストとしてハクを演じる増子さんは「実は今年は年男で、辰年で、更に宮崎 駿さんと誕生日が同じでして、少し運命を感じています。ハク役に選んでいただけたのは運命だったのかなと、思っております。なので、ハクのように、龍のように、天高く舞い上がり全力で頑張ります!」と、アツく意気込みを語りました。
カオナシを演じる、小尻さんは「僕はバレエやコンテンポラリーダンスの分野で活動していますが、今回このような機会をいただき本当に感謝しております。カオナシを演じるみんなで話し合いながら、工夫しながらやってるので、是非見ていただけたらと。カオナシの存在は怖いけど、なんかちょっとチャーミングだなっていう、いろんな面を見ていただけたらと思います」と、中川さんは「新キャストとしてやらせていただきます。小さい頃から憧れだったジブリの世界に、自分がいまこうして立てていることが不思議で少し信じられないですが、頑張ります。稽古場で皆様の演技を見ている時に、息遣いやエネルギーを感じて、映画の印象とは違う人間性や愛のあるのシーンを感じることがたくさんあって。それをお客様にも届けられるようにしたいです」と、山野さんは「初演の頃は、アンサンブルキャストとして参加させていただき、昨年の御園座公演から、そして今年も引き続きカオナシ役を演じさせていただくことになりました。カオナシの想いや、千尋からみたカオナシというものを大切にしながら演じていきたいと思っております」と。
リン/千尋の母役、妃海さんは「ご縁がありまして、リンとしてまた油屋に再就職させていただくことになりました。稽古を重ねていく中で、この作品、ここにいる皆さん、スタッフの方々への愛やリスペクトが日に日に増していき、家に帰るとその興奮が収まらず、寝れない状態でいます。その興奮を情熱に変えて、舞台で爆発させたいです。この気持ちを日本の皆様、そしてロンドンにも持って行く気持ちで頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」と、華さんは「昨年の御園座公演から参加させていただいていて、このカンパニーに入った時に、あまりにも皆さんが素晴らしく、舞台も素晴らしくて、とんでもないところに来てしまったという思いでいました。本当に素晴らしい作品なので、心を込めて日本と世界の皆様にお届けしたいと思います」と、そして新キャストの実咲さんは「この作品に出させていただけること、そして今日ここにいさせていただけること、本当にに幸運だと感じています。初演を拝見した時、舞台からのエネルギーや想像以上の出来上がりにとても感動したのを覚えています。実際に新しいメンバーとしてお稽古に入らせていただくと、初めは覚えることが沢山あり、お稽古のスピードも結構早いなと。実際にセットやパペットなど見てみると、細部にまでこだわっていて、この作品へのリスペクトが伝わってきました。もうすぐ初日を迎えます。自分にしか出せない、味のあるリンと千尋のお母さんを演じれたらなと思っています。エネルギッシュに頑張りたいと思います」と語りました。
釜爺役、田口さんは「国際的にロングラン上演になるとは夢にも思ってなかったので、本当に光栄に感じてます。感謝して、あとは楽しみたいと思います」と、新キャストの宮崎さんは「私は帝国劇場、ロンドン公演、Wキャスト、東宝さんの舞台と、初めて尽くしなので、初々しい、もぎたての釜爺をお届けできたらと思っております」と笑顔でコメント。
新キャストとして湯婆婆/銭婆を演じる羽野さんは「今年の始まり頃に稽古に参加した時、初演でこの舞台を作ってきた皆様に尊敬しかないと、同じく新キャストの春風さんと顔を見合わせて話したのを覚えています。稽古をするごとにそう思いながら、沢山の段取りを覚えさせていただきました。『千と千尋の神隠し』の舞台は、夢のようなお話を皆様にお届けしますが、キャストもスタッフもみんなが手探りで、手作りで作っています。ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います」と、同じく新キャストの春風さんは「演じることも、ここに立ってることも本当に奇跡だと思っています。初演から3回観させていただいて、その度に演劇の原点がここにあると、感動していました。こうして湯婆婆・銭婆役をやらせていただけることに感謝しています。従業員をこよなく愛し、時には少しハチャメチャになってしまう湯婆婆を、全力のエネルギーでお届けしたいと思います」と。
原作映画でも湯婆婆/銭婆を演じた、夏木さんは「こうして二十数年も1つの役をやらせていただけること、とても幸せに思います。後輩の俳優たちに『そろそろ湯婆婆は後輩に譲ってください』とも言われまして(笑)。ですが、私にとって湯婆婆も銭婆も愛おしいので、もう少しやらせていただきたいなと。従業員も増えました。しっかり働きますので、今回もどうぞよろしくお願いいたします」と、『千と千尋の神隠し』への想いと意気込みを語りました。
そして、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーからのコメントも到着。会見では、夏木さんが代読しました。
初演から早や2年、「千尋」が帰ってきました。
今年、2024 年は「甲辰」(きのえたつ)の年に当たります。
甲辰には、「新しいことに挑戦して成功する」という意味があるそうです。
今回、千尋を演じる川栄李奈さん、福地桃子さんをはじめ新たなキャストを迎え、演劇の本場ロンドンでも公演が予定されているとのこと。
単なる再演ではなく、まさに新しいことにチャレンジし続ける「千尋」。
私も楽しみにしています。
皆さまも是非お楽しみください。
スタジオジブリ 鈴木敏夫
また、ロンドン公演出演キャストも公開。
キャストローテーションは、下記ロンドン公演公式サイト、舞台「千と千尋の神隠し」公式HPにてご確認ください。
https://www.spiritedawayuk.com/
公演概要
舞台「千と千尋の神隠し」
2024 年3月 11 日(月)~30 日(土) 【東京】帝国劇場
2024 年4月 30 日(火)~8月 24 日(土) 【ロンドン】ロンドン・コロシアム
2024 年4月7日(日)~4月 20 日(土) 【名古屋】御園座
2024 年4月 27 日(土)~5月 19 日(日) 【福岡】博多座
2024 年5月 27 日(月)~6月6日(木) 【大阪】梅田芸術劇場メインホール
2024 年6月 15 日(土)~6月 20 日(木) 【北海道】札幌文化芸術劇場 hitaru
▼キャスト
千尋 橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子
ハク 醍醐虎汰朗/三浦宏規/増子敦貴(GENIC)
カオナシ 森山開次/小㞍健太/山野 光/中川 賢
リン・千尋の母 妃海 風/華 優希/実咲凜音
釜爺 田口トモロヲ/橋本さとし/宮崎吐夢
湯婆婆・銭婆 夏木マリ/朴 璐美/羽野晶紀/春風ひとみ
兄役・千尋の父 大澄賢也/堀部圭亮
父役 吉村 直/伊藤俊彦
青蛙 おばたのお兄さん/元木聖也
頭 五十嵐結也/奥山ばらば
坊 武者真由/坂口杏奈
▼スタッフ
原作:宮﨑 駿
翻案:ジョン・ケアード
共同翻案:今井麻緒子
オリジナルスコア:久石 譲
音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲:ブラッド・ハーク
音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Ableton プログラミング:コナー・キーラン
美術:ジョン・ボウサー
パペットデザイン・ディレクション:トビー・オリエ
振付・ステージング:井手茂太
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明
映像:栗山聡之
音楽監督:深澤恵梨香
舞台監督:北條 孝
演出補佐:今井麻緒子
演出補:永井 誠
演出助手:小貫流星
プロデューサー:尾木晴佳
演出:ジョン・ケアード
協力:スタジオジブリ
製作:東宝株式会社
公式 HP
●日本公演
https://www.tohostage.com/spirited_away/
●ロンドン公演
https://www.spiritedawayuk.com/