【オフィシャルレポート】役替わり朗読劇『5years after』+反省会 ver.10 開幕︕

役替わり朗読劇『5years after』が赤坂レッドシアターにて開幕。
本作は、朗読劇『5years after』(上演時間 60 分)と反省会『3actors talk』(30 分)の 2 部構成で上演。

作・演出は堤 泰之。
室 龍太、久保田秀敏、谷 佳樹の 3名の俳優のみが出演し、3 人で 1 公演 60 役を演じ、その後に反省会で当日の公演を振り返る。

2 月 20 日(火)の昼公演では、20 歳の水川啓人を室龍太、25 歳を久保田秀敏、30 歳を谷佳樹が演じた。大学生の水川啓人がミュージシャンを目指すことから始まり、とある出会いがきっかけで、違う人生で成功を収め、またあるきっかけで人生が大きく動いていく。ジェットコースターのような物語が三章構成で描かれる。この朗読劇のルールは、「台本から目を離さない」「椅子から立たない」こと。身体表現を極力排除し、声だけで様々な人物を表現する。

作中では、それぞれが演じる 5 年ごとの啓人に加え、両親や大学の友人など、個性的なキャラクターが次々に登場。「オタクっぽい社長」や「年下の可愛い系彼女」、「年上のクール系彼女」といったト書きをもとにそれぞれが自由な解釈で演じる。60 分の公演で 60 役が登場するため啓人以外の登場時間はそう多くないが、強烈な印象を残すキャラクターも多かった。

「椅子から立たない」というルールはあるが、それぞれが足の組み方や座り方を変えたり椅子の背もたれに足を乗せたり、物語やキャラクターを想像させるための工夫を凝らす。だが、「役者同士で目を合わせない・台本から目を離さない」という制限があるため、キャスト同士はお互いが何をしているかわからない。観客が 3名の声でシーンを想像するのと同じように、キャスト同士もそれぞれの声を聴いて想像しながら芝居を合わせていく様子が面白い。

テンポのいい会話劇に客席が沸いたり、谷の振り切った芝居に室が笑いを堪えていたり、久保田や室が「椅子から立たない」というルールギリギリのラインを攻めたり。コミカルさ満点だが、両親とのシーンなどではグッと心を掴む。思い切り笑い、本作のテーマであり作中でも度々出てくる「enjoy your life!」について考えさせられる朗読劇だった。

そして、本編の後は 30 分間の“反省会”が行われた。本作のプロデューサーである難波利幸が MC を務め、まずは役の振り返りからスタートする。開始早々ボケを連発する室と久保田、自身もボケつつツッコミを入れる谷、3 人のボケをスルーして進める難波のコンビネーションに、客席からは大きな笑い声が。
この日は 1 回目の公演らしく稽古場や舞台裏、3 人の関係性が伝わるトークも。室と久保田のボケを谷が全て拾い、関西人の室が「(谷のツッコミが)早いわ~、これだから関西人嫌やねん!」といじる仲の良いやり取りに笑い声はどんどん大きくなっていく。

本来は 10 分程度で終わる予定だったというコーナーだが、トークが盛り上がりすぎてこの時点で 20 分程に。来場者へのプレゼントコーナーを挟み、エピソードトークに進む。12 公演で幼い頃から順に話していくそうで、この回は幼少期~小学生の思い出をそれぞれが語った。
室は「小さい頃は全く喋りませんでした。でも今も人見知りです。稽古 1 日目とかそうだったじゃないですか」と語るが、久保田は「えっ?」と困惑気味。どんどん脱線していく話に谷が「皆さん本番の話覚えてます? (記憶から)消えましたよね」と客席に尋ねる一場面も。 「最近一番好きな食べ物はなんですか」という質問に悩む室に客席から「可愛い」という声が上がると谷が「可愛いの?」と不思議そうにしたり、久保田の「フルーツで言うと実家で作っているあまおうを食べました」という答えに 2 人が「マジ!? すごい!」と食いついたり。作品についての理解を深められ、キャスト陣の人となりや生い立ちにも触れられるトークだった。

本作は公演ごとにキャストが演じるキャラクターの組み合わせが変わり、その日の公演に合わせて反省会の内容も変化する。次はどんな本編と反省会になるかワクワクし、「また見たい!」と感じさせられた。

また、次回公演︓役替わり朗読劇『5years after』-ver.11-+反省会『3actors talk』の上演が決定。
5月21日(火)~26日(日)まで、全6日間12回公演を、前半3日間6回公演と後半3日間6公演にキャストを変えて上演。
前半チームが松本幸大、三好大貴、森山栄治。後半チームが今江大地、佐伯亮、南圭介。3キャストで1公演60役を演じ、反省会で当日の公演を振り返る。


文・撮影:吉田沙奈(写真は全て反省会より)

公演概要

タイトル:役替わり朗読劇『5years after』ver.10

作・演出:堤 泰之
音楽:細川圭一

出演
室 龍太
久保田秀敏
谷 佳樹

劇場:赤坂レッドシアター
日程:2024 年 2 月 20 日(火)~25 日(日)

チケット:好評発売中

チケット料金:7,000 円(税込・全席指定) ※未就学児不可


タイトル:役替わり朗読劇『5years after』ver.11

作・演出:堤 泰之
音楽:細川圭一

出演
★前半チーム
5/21(火)~23(木)
松本幸大
三好大貴
森山栄治

★後半チーム
5/24(金)~26(日)
今江大地
佐伯 亮
南 圭介

劇場:赤坂レッドシアター
日程:2024年5月21日(火)~26日(日)
★前半チーム
2/21(火) 15:00/19:00
2/22(水) 15:00/19:00
2/23(木) 15:00/19:00
★後半チーム
2/24(金) 15:00/19:00
2/25(土) 13:00/17:00
2/26(日) 13:00/17:00

チケット
【先行販売】2月20日(火)16:30~3月5日(火)23:59
https://confetti-web.com/5ya_11
【一般販売】2024 年 3 月 23 日(土)10:00~
https://confetti-web.com/5ya_11

チケット料金:7,000 円(税込・全席指定) ※未就学児不可

公式サイト:https://no-4.biz/5yearsafter/ver10/

Rie Koike