2023 年 10 月 28 日(土)から 11 月 12 日(日)まで明治座、12 月 14 日(木)から 12 月 16 日(土)まで新歌舞伎座で上演される『赤ひげ』の合同取材会が 9 月 26 日(火)に行われた。取材会には、船越英一郎、新木宏典、崎山つばさ、猪野広樹、高橋健介、河相我聞、菅井友香、山村紅葉が登壇した。
新木宏典:保本登を演じる、新木広典です。赤ひげという作品はこれまで映像でいろんな形として世に出ている作品ですが、舞台で赤ひげを作るということ、明治座150周年の記念すべきアニバーサリー期間に作品を届けるということにすごくプレッシャーを感じますし、また船越英一郎さんが初舞台に立たれ、初座長を務められるので絶対に失敗することができないという(笑)、このプレッシャーがとても気持ちよく、やってよかったなというのを、船越さんにもそうですし、明治座さんにも150周年を飾れたなって思ってもらえるような作品になるだろうという自負もありますし、そう思わせたいという想いがすごく強くあります。稽古もとても大変なんですが、大変だという文字にふりがなを打つなら“しあわせ”と書けるぐらいのすごく充実した毎日を送らせていただいております。医療のお話ですので命というすごく重くのしかかるテーマにもなってきますし、また医療従事者の皆さんがここ数年感じられた大変な思いというのが江戸時代にも違った形であった、そういうところで葛藤を持っていたという話でもあったりします。現代においても同じように共感したり悩んだり苦しんだりしている方がいると思うので、今のこのタイミングでこの作品を皆さんにお届けすることで、感じられるものがあるんじゃないかなというのをすごく感じています。繊細にしっかりと責任を持って表現していこうと思っております。ぜひ本番観に来てください。よろしくお願いします。
崎山つばさ:本日はお集まりいただきありがとうございます。まさに今稽古の真っただ中でして、色々と迷うこともあって個人的にすごく崖っぷちに追い詰められているところがあるんですけど、船越さんが近寄ってきてくれて個人的に言葉をかけてくれたりとか、若い医員を集めて稽古してくれたりして、ほんとにすごく崖っぷちの自分を救ってくれるという意味で本当の意味で崖の帝王だなっていうのをすごく感じております。
船越:うまいこと言えるもんだね。
崎山:ありがとうございます。本当に助けられた言葉が多いんですけど、でも本当に若き医員としてしっかりと生きていかなきゃいけないなという思いもありますし、作品のテーマである生きることだったり、生きづらい世の中をどう生きるかっていうのをテーマにしておりますので、観に来てくれる方にとって生きるヒントになるようなそんな作品にできたらいいなと思っておりますので、是非本番を楽しみに待っていてくれたらなと思います。よろしくお願いします。
猪野広樹:森半太夫を演じます、猪野広樹と申します。「赤ひげ」は江戸時代の医術の話です。今はいろんな技術も医療も発達していますが、江戸時代は何もわからないことが多かった。その中で医術をやる人として、命を助ける。生きる死ぬが出てきて、本当に難しいテーマだと思いますし、当たり前の熱量では到底できる作品ではないと思っています。船越さんがたくさん医術についてお話くださり、最高のエンターテインメントとしても面白い作品をお届けできたらなと思っております。
髙橋健介:皆さんこんにちは、高橋健介です。作品の深いところは先輩方がお話ししてくださると思うので、僕は稽古場でのお話をしたいんですけど、まずは初日に船越さんが全員に名前入りのマグカップをくださって、非常に士気が上がりました。僕ら若手にもすごい気さくに話しかけてくださってありがたいんですけど、昨日僕が原作の小説を読んでいたら船越さんがちょっと読みたいって言ってくださって。その後、稽古に呼ばれて本を開いたまま後ろ向きにして机に置いてお帰りになられたんですけど、このまま続きを読むのかこのまま閉じていいのか、しおりを挟むのかっていうのが昨日最後の最後まで悩んでて、一旦間にしおりを挟んでいるので続きから読めます。
船越:読んでたわけじゃないので大丈夫です。
髙橋:ああそうなんですか!(笑) という感じで、船越さんが僕らにいっぱい気さくに話してかけて下さって、本当にいい雰囲気でやっています。本当に良い作品になると思いますので、皆さんも是非本番をお楽しみください。
河相我聞:十兵衛役を演じる、河相我聞と申します。船越さんとはドラマで沢山共演させているんですが、まさかこういう形で初舞台もご一緒できて非常にうれしい限りでございます。ドラマで赤ひげにも出演させていただいているんですが、今回はそこの役とはまた違って長屋の住人ということで、ちょっと変わった役といいますか難しい役で、非常に難しく頑張っております。非常に心温まる作品なのでぜひご期待ください。よろしくお願いいたします。
菅井友香:お杉を演じさせていただきます、菅井友香と申します。偉大なる先輩方とご一緒に、そして何度も観劇させていただいていた歴史ある明治座さんの150周年という素晴らしいタイミングで、今回この作品に挑ませていただけること本当に光栄です。私は女中という役柄、そして和装でのお芝居と色々初めてのことが多い中で日々試行錯誤してるのですが、船越さんや演出の石丸さんをはじめ皆さんがほんとにたくさんアドバイスをくださって、課題を沢山感じながらもとてもやる気に満ち溢れた毎日を過ごさせていただいています。この作品を通して皆さんに生きる力を、そして観劇し終わった後、なんだか大変だけど明日も頑張って生きようと思っていただけるパワーをたくさんお届けできるように精一杯努めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。
山村紅葉:本日はありがとうございます。お光を演じさせていただきます、山村紅葉でございます。大好きな明治座さんには3年ぶりで、また何十年間デビュー以来ずっとドラマでご一緒しています船越さんが座長ということで本当にうれしく張り切ってお稽古しております。今回は養生所の女中ということで、お料理をしたり洗濯をしたりお掃除したり色々しなきゃいけないんですが、ちょっととても苦手なもので(笑)。大体演じさせていただくのが若いときはわがまま放題、やりたい放題なお姫さんかお嬢様で、この間の明治座さんではヤクザの女親分で、「借金返せー!」って客席走り回るような役で、そういうのは地でできたんですが、今回はうわ~洗濯はどうするんだろうとか色々考えながらやっております。船越さんとは夫婦役もさせていただきましたし、崖にもいっぱい連れていっていただいた仲ですので色々聞きながら、そして友香ちゃんは本当にどうしようかしらってとてもかわいく聞いてくれるので、本当の娘か妹かみたいに思っております。あとは私の大好きなイケメンさんが何人もいらっしゃるので嬉しくてドキドキしているんですが、時節柄、声をかけたり、なんかしゃべって問題になったらいけないんじゃないかと思って、ただ今は眺めております(笑)。向こうからお声がかからないかな~と思いながら、なかなか目を合わせていただけずただひたすら眺めております。
船越:みんな頑張って声かけるように。
新木・崎山・猪野・髙橋:ありがとうございます。
山村:そんな風に楽しくやっておりますので、是非皆さんに観に来ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
主題歌『人間賛歌』を歌う坂本冬美さんからコメント
船越英一郎さん初座長公演の主題歌を歌わせていただくお話をいただき、大変に光栄に思うとともに、そのような記念すべき舞台で私の歌声が流れることを想像しますと今まで感じたことのないような緊張感が走りました。今年の春、ドラマで船越さんの元恋人役を演じさせていただいたご縁もあり、赤ひげ先生を演じる上で船越さんの心が動くような歌を歌わねばと強く感じました。そして楽曲をいただき、初めて詩を読み曲を聞かせていただきましたとき、石丸さち子先生と宮川彬良先生の切なくも温かくふつふつと力が湧いてくるような素晴らしい作品に私自身の様々な出来事が重なり感情がこみあげてきて何度も泣きそうになりました。レコーディングの時は船越さんや出演者の皆様が舞台に立たれているお姿を、その舞台をご覧になられているお客様のお顔を思い浮かべながら魂を込めて歌わせていただきました。私も船越さんの初舞台をお客様とご一緒に楽しみに拝見させていただきます。公演の大成功を心よりお祈りいたしております。
坂本冬美さんからのメッセージをうけて
船越英一郎:舞台をご覧にならなくても、この曲を聞いただけで皆さんに赤ひげの世界観が全部伝わってしまうんじゃないかという素晴らしい歌、そして楽曲でございます。この主題歌が舞台の全編を通じて皆さんのもとに届けられるということでございます。初めてこれを稽古場で聞かせていただいたときには文字通り心がもうすでに揺さぶられました。いまだにですね皆さんの前でもちょっと目頭を熱くしてしまう、非常に恥ずかしい・・・。63歳ですよ私。というほどこの曲に感動をいつもいただいております。困るのは稽古中にこの曲が流れるとそこで泣いちゃうんですよね。芝居にならなくなるから、なんとか本番までにこの楽曲、そして坂本冬美さんのこの歌声に負けないようにしなきゃいけない。この楽曲に負けないような舞台をこのメンバーで作り上げていかなきゃいけない。これは大変なエールであるとともに、また私たちにとってまた一つ乗り越えなければいけない大きな山をいただいたというように感じております。本当に素晴らしい曲を、そして想いを込めて歌ってくださった坂本冬美さんに一同で感謝しております。
質問① (船越さんに)初舞台で苦労だと感じるところは?
船越:全部苦労でございます! そもそもこの赤ひげに挑むというのはドラマの時からこれは険しく高い山に剣山に登るというような大冒険に出なきゃいけないなと思っていたんですけれども、でも長年いたフィールドでございますので今回は自分のフィールドじゃないところでさらなる大冒険に出てしまって、さあ地獄を見るのか天国を見るのかドキドキした状態でいます。今のところ稽古場は皆さんのおかけで大変楽しく、辛いきつい中でも楽しく稽古をさせていただいております。これでどんどん本番の足音が近づいてくるとね、どうなりますことやらという感じですが。でも赤ひげという舞台は、あるいは赤ひげという役は私にとってはライフワークにしたいなとずっと思っている役でございますから、その役に挑める幸せだけをきっちり見つめながら頑張っていこうと思っております。
質問② (山村さんに)初舞台に挑戦する船越さんの変化とは?
山村:舞台の最初の顔寄せで、「僕は初舞台なので皆さまの力を借りて」とか「皆さん助けてください」みたいにすごく謙虚におっしゃって、2時間ドラマの帝王と呼ばれているお方なのにとも思いましたが、考えてみると2時間の現場でも主役だとか全然偉そうな感じは全くなく同じような謙虚な方なのであまり変化は今のところ感じておりません。いつもの船越さんで、だからすごく稽古場は楽しいです。
質問③ (船越さんに)初舞台のオファーを受けた理由は?
船越:ちょうど還暦を迎えるというときが3年前になりまして、還暦を迎えた時に弊社の社長から「還暦っていうのは新たに生まれかわるときだから、何か新しいことをゼロから始めることをやりましょうよ」と。でもすごいいろんなことやらせていただいたんでね、もう残ってないよって言ったら、「何言ってんですか、ずっと逃げてる舞台が残ってますよ」って言われて、いよいよそれを切り出されたなと思いまして、じゃあここはひとつ決心するかと思ったらコロナがやってまいりまして。色々先送りになってるうちに明治座さんが150周年というとんでもないまた大きな栄誉が転がり込んでまいりまして、そこにまんまと乗れた次第でございます。そして今回舞台を務めさせていただこうと思ったもう 1 つの理由は、今までは映像の中でございましたからそれでも去年ちょうど40周年を迎えまして、なかなか応援しくださった皆さんたちに直に感謝を表すことをなにかしたいという思いもございまして、その2つが初舞台というところに背中を押してくれたということになります。
質問④ (船越さんに)舞台を避けていた理由は?
船越:若気の至りで40になるまで劇団「MAGAZINE」という劇団を率いておりまして、そこで脚本を書いて演出をずーっとやっていたんですね。ほんとに小劇場から始めた劇団でございますから、そういうアンチテーゼみたいなものを持ってやってた身としては、なかなか自分がうかうかとお金をいただいて大きな舞台にというわけにもいかず。あとはですね見てわかるように、今も皆さんの前に立つと小さくですね、ズボンのすそがぱたぱたと揺れるぐらい緊張するんです。その2つが(笑)、舞台から遠ざかっていた主なる原因です。
質問⑤ (船越さんに)赤ひげという作品の魅力とは?
船越:赤ひげっていうのは実は60年以上前に書かれた作品ではございますけれども、その時代を山本周五郎先生がものすごく鮮やかにすごく深い鋭いメスで切り込んだっていう作品だと私は思っております。でもそこに描かれているものは普遍的なテーマです。どの時代にこの作品が世の中にぽんっと押し出されても必ずその時代の世相を映す。そしてその時代の人の情をきちんと描きこんでいるっていうそれだけの力を持った作品でございます。先ほど若い俳優さんたちからもコロナっていうお話もございましたけど、江戸時代の病気は全部がコロナみたいなものです。これは医者にとっても、そして患者にとっても全ての病がどうなるかわからない、一体これがなんなのかなんの知識もない。その中で医者がもがきあがき苦しみ、それこそ患者たちも不安と戦い、一体いつこの病から抜け出せる。その目途が立つか立たないかもわからない、そんな混沌としたまさに我々が数年で経験してきたことがこの江戸の世の日常だったと思います。そんな中でも今よりももっと絶望してしまうような現実がたくさんある中でも人々はどこかに希望を探して、なんとか希望を見つけ出して日々を営んでいかなければならない。そんなことが今を生きている我々に大きな生きるヒントや、小さなあるいは大きな勇気を必ずもたらしてくれる作品。それが僕は赤ひげが持つ大きな魅力だと思いますし、この赤ひげをお届けしたいと思ってやまない意義だという風にも思っております。
質問⑥ (船越さんに)以前若い俳優たちから刺激を受けたいと言っていたが、稽古で刺激を受けたエピソードは?
船越:赤ひげというお話は、赤ひげっていうとシンボリックな存在で僕は青春ドラマだと思ってます。赤ひげ診療譚っていうのは、言い換えると赤ひげ成長譚だなと思って、赤ひげに関わる若き医師、それからそこで働く若き女中。
赤ひげも含めてですけどみんなが赤ひげと触れ合う、向き合うことによって少しずつ自身の殻を破り、そして少しずつそれぞれの中に自我が芽生え独立していかれるような成長を遂げていかなければならない。その成長譚だなと思っております。だからドラマの時もそうでしたけれども、稽古場の我々の関係それがそのまま養生所の若き医師と赤ひげの関係になって、それが皆さんの前に我々が立った時に得も言われぬ僕らの中に流れている何かが皆さんに感じとっていただけるようになることが一番もしかしたら赤ひげを楽しんでいただく近道かもしれない、あるいは大きな要因や力になるかもしれないと思って、稽古場では厳しく若い連中をしごき(笑)、その方たちの向かってくるエネルギーを私は吸い取っています。そんな感じで楽しい稽古場だね? 発言したまえ、きみたち!(新木・崎山・猪野・髙橋に向かって)
新木・崎山・猪野・高橋:頑張ってます!
新木:楽しんでます。
船越:そんな感じを舞台でも感じ取っていただけたらなと思います。
質問⑦ (皆さんに)稽古場の印象深いエピソードは?
新木:船越さんはセリフを覚えるのが早いんですよ。常に完璧で、もう抜き打ちで台詞合わせをしてくれるんですね。ちょっと始めようかって言って、どこやるかも聞かずに、急に第一声で言われた言葉でここのシーンなんだなっていう。その抜き打ちがあるからこそ、僕の保本登は出番をいただいているので自分のペースでしかできない自主練に、巻き込んでくれているっていうのがすごく覚えるに役に立っていて、僕は救われています。
船越:いいやつだね。俺が覚えたくて君を利用しているんだよ。
新木:でも僕らからは言えないですからね。「すいません、ちょっと台詞合わせ・・・。」っていうのはなかなか言えることじゃないので、こうやって寄り添ってくれるというか、自分から言ってくれるのが本当に後輩としてはすごい救われていますし、船越さんと一緒にやる自主練のシーンは、気持ち込めて声を出して言われるので非常に台詞合わせがスムーズにできたっていうのが僕ら後輩を救っています。
――そういったところとかでも座長として引っ張っている?
新木:そうですね。あとは差入れとかもすごい頻繁に入れてくれますし。すごい健康的に僕らは稽古場ではいられるんじゃないかなと思っています。
髙橋:毎日次をなに入れてくれるんだろうっていう期待をしちゃいますよね。
船越:嫌なプレッシャーをかけるんじゃない!
菅井:すごい美味しいおにぎりを差入れしてくださって、見たことがないような形のすごく大きい梅干しとかしらすとかすごいたくさん乗ってて、初めて見るものもたくさん教えてくださいますし、お稽古の面でも練習をしているとこんなに偉大な方なのに、一緒に保本先生の代役をやって教えてくださったりとかもして、赤ひげ先生という役柄でも私にとっても偉大な先生で大尊敬しております。
船越:ああ…差入れはまだ先が長いからなあ・・・。
新木:ちょっとペース配分を考えていただいた方がいいかも(笑)。
船越:明治座さんに相談してギャラを上げていただかないと。
――あらゆる面で皆さんを引っ張っていっていかれているということですが、他の皆さん何かエピソードはありますでしょうか。
髙橋:僕はダブルキャストなので、先に広樹くんがやってくださってシングルキャストの皆さんが相当疲れてらっしゃる。でももう一回僕でやらせてもらう時に船越さんが率先して、「頭からやるか」って言ってくださるのがめちゃくちゃ嬉しいですね。あれは本当にありがたいですね、広樹くんもそうだと思うけど。
猪野:本当に船越さんもそうなんですけど、周りのベテランの方々のエネルギーがすさまじくて。これに負けちゃいかんと毎日毎日毎日思っているんですけど、どうもまだ敵わないというか。そこのエネルギーが江戸を生きる力なのかなと今思ってる所存です。
――今のお話、船越さんいかがでしょうか。
船越:我々は元気ですよ。ね?(河相に向かって)
河相:はい。何回でもできます。
船越:そうだよ。俺より先に限界迎えるなよ!
新木:(笑)。そうなんです。もうねフラフラになるまで毎日稽古するんですけど、それでももう一回やりたいって思っても体がきかないのでね。船越さんにもう一回だぞって言ってもらえたらもう一回できる。
船越:嘘です。昨日は演出家の方が「さあどこからやる?」って言ったら、「船越さん、途中からでいいですよね!」って。これが赤ひげと保本の関係でございます。そんな日常を刻みながら役と現実の我々が同化していければという稽古場であることは間違いないね?
新木・崎山・猪野・高橋:はい!
船越:そういうことにしよう!
新木:楽しんでやってます。
――崎山さんいかがでしょうか。
崎山 医療に関して船越さんは赤ひげという作品を長年やられているので、このシーンで何が必要かとかこの場合は医術としてこういう手を取るっていうのをすごく細かく教えてくださるので、ある種授業を受けてるようなそんな時間が流れたりするので、そこは僕自身も知識を蓄えていかないとなと思うんですけどやっぱり知らないことも多いので、船越さんのそのサポートっていうがすごくありがたいなって思ってます。
――まさに先生という感じですね。
崎山:そうですね、本当に先生と生徒みたいな感じで。でもなんか途中、ユーモアがある方なのでユニークなことを言われたりするんですけど、先輩のボケをスルーしてしまうときがあったりして(笑)。そうですね、はいって聞いてるんですけど、今のは拾っていいんだろうかってそういうところがまだちょっとつかめてなくてすいません。
船越:いいんです。親父ギャグといわれるものですから無視してください。
崎山:いえいえ(笑)。
――とても和気あいあいとした稽古場の様子が伝わってきますが、笑顔で聞いていらっしゃった山村さんいかがでしょうか。
山村:稽古場のそのまんまなので、いい感じでみんなしゃべってくれてえらいな、若いのにとかって思います。船越さんと同じ歳なんですが(笑)。
船越:そんなこと言わなくても(笑)。
山村:本当に楽しく和気あいあいとした稽古場です。絶対にこの雰囲気が本番にも出ると思うのでよろしくお願いいたします。
最後に、船越英一郎よりご挨拶
船越:どうしても赤ひげというと憂鬱な暗いイメージを抱きがちな方もいらっしゃるかと思いますが、もちろん原作の持つテーマはきちんと描きつつもどなたも楽しんでいただけるような、笑って泣いてそして最後は心を揺さぶって、観劇後はちょっと皆さんの視線が上を向いているんじゃないかというような一大エンターテインメントを目指して今猛稽古中でございます。本当に若い方からご年配の方まで沢山の方たちに足を運んでいただいて、日本人が持つ原点みたいなものにこの赤ひげの舞台でもう一度触れていただいて、皆さんに少しでも元気になっていただければなと思っております。劇場にて全員で皆さんをお待ちしております。今日は本当にありがとうございました。
フォトセッション後には鏡開きを行い、船越の乾杯の音頭と共に登壇者が升に入ったお酒を味わって、会見は幕を閉じた。
原作:山本周五郎『赤ひげ診療譚』より
脚本:堤泰之
演出:石丸さち子
出演:船越英一郎 新木宏典 崎山つばさ 猪野広樹(W キャスト)高橋健介(W キャスト)/菅井友香/山村紅葉
【あらすじ】
江戸・小石川養生所の医長・新出去定(にいで・きょじょう)-通称「赤ひげ」-(船越英一郎)は、名医ではあるが武骨で変わり者である。貧しい者たちを救うため身を粉にして働き、時には経費削減を命じる公儀に逆らうことも厭わない。
新しく医員見習としてやってきた保本登(やすもと・のぼる)は、養生所に足を踏み入れた瞬間にこう思った。自分はこんなゴミ溜のような所にいるべき人間じゃない・・・長崎遊学を終え幕府の御目見医になるはずだった保本は赤ひげに反発する。
しかし同僚の津川玄三(つがわ・げんぞう)や森半太夫(もり・はんだゆう)、養生所を訪れる様々な患者たちと関わって行く中で、少しずつ保本の態度に変化が生まれて行く。医術とは何か?その問いに対する答えはあるのか?赤ひげと若い医者達の、戦いの日々は続く。
【東京公演概要】
○日程: 10 月 28 日(土)~11 月 12 日(日)
○開演時間: 12:00/17:00(※10 月 28 日のみ 14 時開演)
○料金(税込):S 席(1・2 階席)12,500 円/A 席(3 階席)6,000 円
○会場: 明治座(東京都中央区日本橋浜町 2-31-1)
○チケット発売中: 明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
インターネット予約「席とりくん」 https://web.meijiza.com
主催:『赤ひげ』製作委員会/後援:文京区/協賛:にしたんクリニック、アデランス
明治座公演 HP:https://www.meijiza.co.jp/info/2023/2023_10/
公式 X @akahige_stage
【大阪公演概要】
〇日程:12 月 14 日(木)~12 月 16 日(土)
○開演時間: 12:00/17:00
○料金(税込):S 席(1・2 階) 12,500 円/A 席(3 階) 6,000 円
○会場:新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町 6 丁目 5 番 13 号)
○チケット発売:一般発売 <インターネット・電話予約>10 月 7 日(土)10:00~
新歌舞伎座テレホン予約センター:06-7730-2222
新歌舞伎座 HP:https://www.shinkabukiza.co.jp/
主催:新歌舞伎座、読売新聞社
公演 PV はこちらから
https://youtu.be/Nr5MTACp_rs?si=VW7KzHyl7mUqn4Pf