ロンドンコメディ『Run For Your Wife』がいよいよ7月12日(水)より開幕。
イギリスの人気劇作家レイ・クーニー原作、ウソにウソを重ねる抱腹絶倒の大騒動を描く人気作。本作は2019年にスタートした俳優・山本一慶が主演/ジョン役を演じるシリーズで、山本は今回演出にも挑戦いたします。ジョンの2人の妻役には、元宝塚歌劇団同期の舞羽美海と十碧れいや。コロナ禍の公演延期で幻のペアとなっていた2人が遂に対峙。ジョンのウソに巻き込まれる上の階の住人スタンリー役に石田隼、カン違いで現場を混乱させるポーターハウス警部役には芸人のピクニックが挑みます。
さらにフリーのドレスデザイナー・ボビー役に小澤亮太、真面目なトラウトン警部役には松井勇歩が担い、ジョンを追い詰めます。山本による演出、個性豊かなキャスト、そして日替わりゲストと共に、巧妙なストーリー展開と上質な笑いをお届けします。
本番目前、稽古中の山本一慶、松井勇歩、石田隼に作品を代表して心境を語っていただきました。
――演出家として意識していることは?
山本「笑いの共通認識ですね。やっていく中でテイストを合わせるというか、“笑い”がいかにこの作品に馴染んでいるか、不自然な笑いになっていないか、というところは意識して頑張ってます!」
――石田さんは稽古の手応えはいかがですか?
石田「馴染みだしている所ですがまだ掴めるな、という思いもあります。手応えを感じる前にどんどん過ぎ去っていくので、手応えを感じていたら自分の脳が追い付かなくなるので、そうではなくて、もう少し掴めた段階で視野が広くなったら余裕も出てきて本番に挑めるのかな。矛盾しているんですけど、視野を広げつつ、でも迎合しないようにやるしかないのかな」
――山本さんのニコ生で、この演出で決めようと固めても、さらに悩んでやってしまうというお話もありました。
石田「そうなんです。スタンリーをやっていて、少しリアルでないと思う所が出てくるんです。自分で味付けをして行くうちに、一慶さんが演出を付けつつ相談して味付けをしていった方がやりやすい所と、味付けしない方がやりやすいところがあって。今その味付けの塩梅を見ているところですね」
山本「最終調整のところにきたよね」
――松井さんはいかがでしょうか。
松井「この作品はお客様が入ることで演技も変わってくるんだろうなと思っています。
公演を重ねている作品なので決まり事があって、それだけを追っていくと誰が演じても良くなってしまうので、その決まっている中で自分が演じるトラウトンをずっと模索しながらやっていくんだろうと、稽古場では完成しないのかなって思います」
石田「お客様が入ると変わるよね、どの舞台もそうだけど、特にこの作品はそう感じるよね」
山本「コロナも明けて声を出してもよくなってきて、ぜひ声を出して笑っていただきたいですね」
――3人は共演経験はありますが、演出家と役者という形での共演は初だと思います。新たに感じた事や発見した事など教えてください。
石田「2人とも共演はしているけど、セリフを交わしたり関わり合いが無かったんです。(一慶さんとは)『夏の夜の夢』でも世界が違っていたし」
山本「確かにキャラクターの関わりは少ないから舞台で会話したことがなかったね」
石田「やっと役で会話できる!みたいな驚きと嬉しさがありました。ずっと端から見ていたので、一緒にやって作っていけることが新鮮ですね。普段を知っていることが長所になって、お芝居も安心してできていますし、舞台上でも普段の感じを出せるのかな」
山本「良かった良かった!」
松井「(石田)隼はもともと独特の感性を持っていて、いい意味で変な奴と思っていたけど、それがこの作品で存分に生かされていますよね。芝居に対してすべきことをしてるから芝居で生きるので、そういう部分がすごくわかって、隼ってすごく芝居が好きなんやなって、とても素敵な役者さんだと思いました。同い年だし頑張らないとなって。変な奴だけど」
石田「あははは!」
――山本さんについては?
松井「一慶さんは、普通の人になれるんだと。以前朗読劇で圧倒的な存在感を出すキャラクターを演じてはって、『あんステ』(『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』)ではキラキラしていて目を引く一慶さんをずっと見ていましたが、今回のジョンは言い方が難しいけど、どこにでもいるような人物になれるのって凄いなって思って。実はとても難しい事じゃないかなって、新たに発見したところですね」
山本「確かにこの役はそうかも。普通じゃないけど見かけは普通の人だもんね」
石田「そうだね、いつもキラキラしてふりまく感じのイメージの役が多いけど、一慶さんがこんなに受けてる芝居は初めてみるかも」
山本「みんなに振り回されます!」
――そんなジョンも見どころですが、今回初めて観る方もいらっしゃると思います。最後にそれぞれが思う作品の魅力や見どころを紹介してください。
石田「見どころはこの作品の全部と思います。ふと思った事があって、ロンドンを舞台にした作品なので英語だったセリフが日本語になった面白さですよね。
台本を読む中で、一慶さんにこれはどういう感じですか?と聞くことがあって、僕らがどう解釈してやっていくか、英語の言葉遊びの面白さと日本語の言葉遊びの面白さをどうマッチさせているのか、それが詰まった作品だと思うので追及したくなる魅力があります」
山本「好きになって本を取り寄せる、そういう面白さも見つかるかもしれないね」
石田「おや?て思ったところがきっとそうなんだよね。全部楽しむが故、そういうところも楽しんでいただけたらより面白いんじゃないかな。あと日替わりゲストもあります。毎日変わるシーンも見どころです!」
松井「ずっとありえないことが起きている舞台です。普通じゃ考えられない事も成立させて話を続けていく、日本にはない海外の独特なコメディ要素がいたるところに詰まっているので、一回のめり込んだら最後まで楽しんで観られると思います。のめり込んでもらえるようにスタートから引き込めるように頑張りたいです」
山本「トラウトンショーから始まるからね。この作品が面白くなかったらトラウトンのせいだから(ニヤリ)」
松井「あはは!そうです、全部僕のせいです頑張ります(笑)」
山本「この作品はレイ・クーニーさんが40年前に書かれたロンドンのコメディということで、ちょっとハードルが高そうと思うこともあるかもしれませんが、めちゃくちゃ頭がイイ人が、めちゃくちゃありえないことを緻密に書いた本だと思っています。
ただただ面白いが詰まっています。奥さんが2人いてウソをついていく世界観ですが、キャラクターそれぞれにはウソが無くて、それぞれに信念があって、ジョンも2人を同じくらい愛している。それぞれのキャラクターが起きている現象に対して心から疑ったり探ったりして生きています。そういうキャラクター達がドタバタコメディをやっていることが単純に面白いと思うので、何も考えずに笑いに来ていただけたらと思います」
日程:2023年7月12日(水)~19日(水)
劇場:あうるすぽっと
作:レイ・クーニー 訳:小田島雄志/小田島恒志 監修:菅原道則 演出:山本一慶
出演:山本一慶(ジョン・スミス)、舞羽美海(メアリー・スミス)、十碧れいや(バーバラ・スミス)
松井勇歩(トラウトン警部)、ピクニック(ポーターハウス警部)、石田隼(スタンリー・ガードナー)、小澤亮太(ボビー・フランクリン)
<新聞記者役・日替り出演>
12(水) 14:00 KIMERU、12(水) 18:30谷水力、13(木)18:30安井一真、14(金)18:30松田岳、15(土)12:00鯨井康介、15(土)16:30鈴木裕樹、16(日)12:00髙木俊、16(日)16:30松村泰一郎、17(月)12:00橋本真一、18(火)14:00竹中凌平、18(火)18:30りゅうと、19(水)14:00宇野結也
料金:7,700円(税込み、全席指定)
企画・製作:アーティストジャパン
お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500 https://artistjapan.co.jp