稽古場ではカジモト役候補の海宝直人、感情のこもった歌唱、心が震える楽曲、歌詞も印象に残り、間違いなく聴きどころとなるであろう。それから『トプシー・ターヴィ』〜『息抜き』〜『タンバリンのリズム』まで、ここはメインキャラクターが登場する“道化の祭り”の冒頭シーン、賑やかで華やかな場面、合唱が力強い。そしてフロローの葛藤を歌うナンバー『地獄の炎』、劇団の中でも圧倒的な歌唱力の芝清道がここぞとばかりに歌い上げる。広い稽古場であるにもかかわらず、メンバーの歌が響き渡り、本公演の期待が否応なしに高まる。時々、演出家のスコット・シュワルツ氏がダメだしをするが、身振り手振りを交えながら、細かいところの表現、手や表情の付け方、微微細に至るまでの演技指導、海宝だけでなく、カジモト役候補の飯田達郎、田中彰孝も加わり、メモも取りつつ演出家の話を聞く。そしてまた、同じ場面、演出家の要求に“即答”、かなり深みが出て場面が引き締まる。初日は12月11日、いい仕上がりになる予感がした。